見出し画像

生きてる

始発で出発し、4時間以上かけて実家に着くと、1時間もしないうちに愛犬は天国へと旅立ってしまった。待っててくれたのかな、私のこと。

実家にやってきたのは13年前、私が10歳のとき。実は幼いときの私は犬がそんなに得意ではなくて、小型犬なら怖くない…可愛い…という感じの子だった。犬と触れ合うならニンテンドッグス(当時流行ってた、犬と散歩したりお世話できるゲーム)で十分だよ!なんて言ったことが犬を迎えるきっかけだったとか。

いつ何時も可愛くて、あまり頭は賢くなかったんだけどいたずらしてるときでさえも可愛くて、ニンテンドッグスで満足しようとしてた自分が今頃恥ずかしくなるくらい、大事な存在。とか思いつつも勉強を頑張らなきゃとか言って、中高時代よく散歩を妹に押し付けていたことはたぶん一生後悔すると思う。不出来なお姉ちゃんって思ってるかな。

世界一可愛い盗人(犬)

大学に進学してからは長期休みにしか帰れなくて、もっと良いとこ取りのお世話しかできなかったけど、当たり前に愛おしくてどうしようもなく可愛くて大事だったよ。

そんな愛犬の亡骸の横で、今私はこの文章を書いています。目が大きかったからか、目を開けたまま横たわっていて、今にも寝息が聞こえそうなのに、触ってみると冷たくなってしまってて、半分まだ受け入れられていないみたい。先週祖父が亡くなったばかりなのに、まさかこの子も逝ってしまうだなんて。2週間連続お葬式だなんて、なかなか経験することじゃないと思う。悲しいことはこんなにも続くものなのか。

こんなに悲しくても、最期会いに行くために実家リモートを許してくれた会社の皆さんのためにも、今日やるべきことはやりきらないといけないからって思って休まずに、たまに涙を流しながら働いていた。

こんなに悲しくてたまらないし、
時間が進まないような感覚もあるけれど、
時計の針は進むし、明日は来るし、お腹はすくし、普通に働けてしまうし、私はこれからも普通に生きてるし、
本当に不思議な感覚だ。

今から家族全員で愛犬を囲んで寝ます。これで最後だね。ありがとう。大好きだよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?