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1.25倍の元素量理論の問題点

KQM及びこれを参照した英wikiを中心に、元素量の1.25倍の理論が広まっている。簡単に言えば、元素反応での消費倍率が0.625/1.25/2.5という(自然と思われる0.5/1/2に対して)1.25倍されているものだ。実はこの1.25倍はしない方が整合性がある、という事を示したい。

炎トリックフラワーの場合

まずリサの通常攻撃が1Uだったりレザーのスキルが2Uだったりという点は、付着時間を測るなどして分かるから良いだろう。付着時間9.5秒が1U、12秒が2Uというのは元素量の基本的な定義だ。

そうした雷攻撃をチャージ中の炎トリックフラワーに当てると過負荷が起こるが、1Uでは丁度半分に削れる事から、1.25倍の理論によれば 1U×1.25×2 = 2.5U がチャージ中のゲージの元素量という事になる。(ダメージが貫通するシールド類ではダメージによってゲージが削れないので、元素量のみ考えれば良い。)

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一方で順番を逆にして、雷2Uを付着させてからチャージ開始させてみる。このときタイミングをどんなに近くしても、8割未満しか削れない事が分かる。

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1.25倍の理論によると雷2U→炎2.5Uの付着なので、2 - 2.5×1.25 < 0 となって炎は残らない計算になる。付着順とは関係なく雷がトリガー側になるとしても、炎2.5U→雷2Uとなって普通に後から雷付着させるのと同じ話なので、元素が完全に消費されなければおかしい。

凍結時間の場合

シールド系が特殊な訳ではない。凍結の継続時間は水か氷の元素量の少ない方で決まる事が知られているが(KQMの旧ドキュメント参照。このUは1倍の理論による値)、水2U→氷1Uとすると約3.5秒凍結が続くのに対して、氷1U→水2Uで計測してみるとどんなに間隔を縮めても3秒を超える事はない。

付着した元素が直線的に減衰するとすれば、順序だけでこんな差が生まれるのは不可解だろう。

何が原因か

これはどういう事かというと、元素が反応せず付着した場合に20%が失われる付着時損失(これは個人的な訳語。aura tax と呼ばれる)を消費倍率に一律で組み込んでいるのが原因だ。(ついでに20%の付着時損失を25%と誤解している。)これを分離して消費倍率を単純に0.5/1/2倍とすれば、説明には何の問題もなくなる。仮にこれを1倍の理論と呼んでおこう。

過負荷が1倍消費なら、炎トリックフラワーのゲージは2.5Uではなく2Uに計測される。チャージより先に雷付着させたときに付着時損失で2Uが1.6Uになるとすれば、この残った1.6Uが過負荷の1倍消費でそのまま80%の炎を消費するという事になる。

凍結時間についても、氷1Uを先に付着させると付着時損失で0.8Uになると考えれば、順序の効果も説明できる。

元素量の値自体が関わらない場面ではまぁ何倍でもいいのだが、例えば地脈異常による付着が1.25U/2.5Uになるのに対して、1倍の理論では付着時損失のない1U/2Uと言えば済む。1.25倍の理論では様々な端数が発生するが、1倍の理論における端数は時々現れる0.4Uという数字しかない。具体的には鉄などの鉱物の岩元素量、感電における反応ごとの消費、雷トリックフラワーのゲージ。(拡散反応で周囲に付着する元素量も端数と言えるか?)

以前のKQMは1倍の理論で議論していたはずだが、いつの間にか1.25倍の理論にすり替わってしまった。私の知る限り1.25倍の理論の方が問題を抱えている気がするが、「実は1倍の方がこう上手くいかない」というのがあれば是非@keys4141まで教えてほしい。そうでなければ…是非1倍の理論を広めてほしい。