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今週のkinologue【10/30-11/5】

イチジクの美味しい季節になった。半年ほど前にイチジクの苗を買い、大きくなってきたので、今週は庭師さんとどこに地植えするか相談。こんなふうに食べられるようになるまでは数年かかるが、今から楽しみで仕方ない。
月末月初なのに4日しかなかった今週は、事務処理も多く慌ただしかった。気づくと今年もあと2ヶ月。Time flies…

両面チラシとなっているが、裏面についてはまた改めて

先週より告知を始めた『YARN 人生を彩る糸』ファイナル上映会はおかげさまで順調に埋まっており、糸紡ぎのワークショップはすぐに満席、上映会参加も残り10名を切った。7年前の劇場公開時にサポートしてくれた方々からの参加もあり、良いお別れ会となりそう。今週やっとチラシが出来たので、せっせと配布。ゼミでも配布したが、ゼミのブログに最近巡った新たなシアター空間を「ビヨンド・ザ・シネマ」として掲載。先生に「なんか楽しそうだね」と言われたので「これでも仕事なんですよ」と一応言っておいた。

週末なのもあったかもしれないが、驚くほど混んでいた

以前『アンダーグラウンド』5時間版を一緒に観た仲間たちとクストリッツァのデビュー作『ドリー・ベルを覚えているかい?』を観に行った。最後にいた配給会社で最後に配給したのがクストリッツァ監督作で『ウエディングベルを鳴らせ!』というタイトルをつけた。なんかちょっとベタで古くさい感じのタイトルがつけたい!と思って試行錯誤したところ、ミルクマン斉藤さんのTVブロス連載でお褒め頂いたのが良き思い出。このデビュー作タイトルにも同じ匂いを感じるので、なんかニンマリ。内容はピュアな青春映画。『アンダーグラウンド』を頂点とするクストリッツァ作品史の前史といったところで、音楽はハジけておらず、メロウさがむしろカウリスマキのよう。お馴染みの俳優たちも「やはり音痴は昔からなのね」など微笑ましかった。オリンピックのせいか都市化が進むサラエボで、スラムから高層団地に移り住む話も、その後のジプシーなクストリッツァ界の人たちに比べたら地道なもの。しかし意味不明な冒頭など、原型が所々に垣間見えて、面白かった。かなり前、バンドで来日しているときに神出鬼没なクストリッツァを待ち伏せして、配給作のメッセージを貰ったことがある。イメージ通りにデカくて威圧感があったが、握手したときの笑顔にヤラれた。「あの笑顔にお金出しちゃうよね〜」と同僚と感心したのを覚えている。ロシア寄りになってしまったという噂のクストリッツァ、もう新作は観られないのだろうか。

20-30代をメインにほぼ満席。聞くと二度目の鑑賞という人もいた

この夏のヒット作『オオカミの家』をようやく観た。アリ・アスター絶賛以外は情報を追わないようにしていたので、グロいホラーなのかと思っていたら、ものすごくレベルの高い芸術作品だった。一体どれくらいの時間をかけて作り上げたのだろうか。コロニアや宗教的な予備知識があれば比喩の意味もわかるのかなぁと思いつつ観ていても、目まぐるしい映像に圧倒されて次第にどうでもよくなる。笑。オーケストラで演奏するのも聴くのも大好きな「マイスタージンガー」がこんな不気味な音楽に!が個人的には一番の衝撃だった。チネチッタの大画面と大音響で観たら悪夢を見そうだが、観られた人が羨ましい。どちらかというとグロいのは、本編前に上映する短編の『骨』の方だったが、こちらの方がストーリーが見えて入りやすいかも。アリ・アスター効果だけではないだろうし、「観たことがないものを観た(もしくは観たい)」がバズってのヒットなのだとしたら、それも映画的というより芸術的。映画らしいものより、映画らしくないものが求められているのか?色々考えさせられる。

明日はゲスト講師授業、来週・再来週とそれぞれ大きめの締切を抱え、日々の業務と合わせて優先順位を間違えないようにひとつ、またひとつ。デビッド・ホックニー展も本日最終日で見逃したし、こうしているうちに今月も終わってそうだーー!


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