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今週のkinologue【4/15-21】

久しぶりに今日中にアップできそうな日曜日。朝から稲村ヶ崎へ。連休前でも海辺は人出が多く、134ではバイカーの群れと何度もすれ違って、このまま勢いづいて、あっという間に4月も終わっていくのか。ひー。

黒澤作品だけど松竹だったのか、なんか新鮮。

今年のカンヌ国際映画祭のポスターが発表になった。黒澤明の『八月の狂詩曲』の1シーンを使っていて、現在の地政学的な不安に満ちた世界に対して「団結することや何事においても調和を目指すことの重要性を思い出させてくれる」とのこと。今年はスタジオ・ジブリが名誉パルムドールに選ばれたし(米アカデミー賞授賞式に行かなくてカンヌには行くとかある?)、コンペに絡んでなくても、日本の印象が残るのかもしれない。このタイミングで、セールスエージェントに連絡すると当たり前のように「カンヌで会えるかしら?」と聞かれるので、「またヘルシンキでね」と答える。たぶん笑われている。ヘルシンキはだいぶ先のように思っていたが、6月発券分からサーチャージが1ランク上がるらしいので、そろそろ真剣に予定を決めねば。

滅多にやらないけど、出口近くのガチャについ足止め。
狙いとは違ったけど、ポスタービジュアルのブルー・ヌードが出たから、ま、いっか。

久しぶりの新美でマティス展。会期も後半だというのに、去年の都美とは全く違って空いている。あの展示を見て、こっちを見ないとかよくわからないけど、そういう人が多いのか。大学の卒業旅行で行ったニースのマティス美術館の所蔵品が中心。数年後にはフィラデルフィア郊外のバーンズ邸に1人で行ったし、あの頃の自分はものすごくマティスを追っていた。色と形の魅力か、鳥みたいな風貌と天才的な1本の線に惹かれるのか。あれからふた昔くらい経った今思うのは、自分がおかれた状況から新たな画法を次々と生み出し、変化し続けていく姿にぐっときているのかもしれない。

死ぬまでに絶対行きたいロザリオ礼拝堂。
一度カンヌからタクシーで行ったことがあるけど、なぜかその日は臨時休館だった。
ほぼマイヤ・イソラのLOKKI。映画の中でも言っていたが、マティスに絶大な影響を受けたはず。グアッシュを使った手法もきっとマティスから。

ようやく続けて観ることができた『Here』と『ゴースト・トロピック』。どちらも良い意味でやさしい映画、そして構図が美しく、気持ちが良い。どちらか好みが分かれるらしいが、この日は『Here』が◎。タイマグラ後だから、自然の瑞々しさに心が開いているだけかもしれないけど(笑)。来週になったら、よりドラマっぽい『ゴースト・トロピック』が◎かも。あまり情報を入れずに観たので、観てから読んだ、サニー有田さんが通訳としても登場しているほぼ日の監督インタビューが面白かった。気になっていたことの殆どの答えがあった。監督は映画そのままのような人なのかもしれない。

2本合わせて公開したのが素晴らしい。新しい作家の作品で勇気ある〜
後ろの壁の色にぴったりなポスター。淡路恵子もかわいかったなぁ

少し前に何で話題になったのか、すっかり忘れてしまったけど、いつか観たいと思っていた『女が階段を上る時』が国立映画アーカイブの高峰秀子特集で上映された。女優としてそこまで好きでもなかった高峰秀子が急に気になったのは、昨年「徹子の部屋」の終戦特集選で、戦地の慰問に行っていた時に終戦を迎えた話をしていたのを見てから。人として興味を持った。この映画では衣装も担当している。彼女が演じた圭子の着物は見惚れてしまうものばかりで、センスの良い人だったのがよくわかる。タイトルバックも黛敏郎の音楽も洒落ているし、内容も80年代よりむしろギャップを感じさせない。何より『女が階段を上る時』という意味深いタイトルが素晴らしい。ゴダール作品の邦題は影響を受けていたりして。成瀬作品の中では一番好きかも。

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