今週のkinologue【2/21-27】
1週間ほどお休みしていた『〈主婦〉の学校』の上映が、宝塚・金沢・深谷で今週からスタート。上映がはじまるといろんな反応があるので、映画が生きているのを感じる。上映中、毎日アップしているSNSを見てくれている人がいて、「もう1回観に行きたくなりました。大勢の方に観て頂きたい映画だと思います」なんてコメントをいただくとムネアツ。小さな小さな映画だけれど、観た人の小さな灯になっていたら、それ以上嬉しいことはない。来週からは地元のシネコヤさんでも上映。私にとっては映画と自分の暮らしは地続きなので、ご近所の仲間と始めている「おいしい循環プロジェクト」のトークイベントを上映初日に開催予定。夏みかんを無駄なく使い切るから始まるこの活動も、地元だけでなく、それも夏みかんに限らず地域の食材で、色んなところに広がっていくとよいなぁ。
そんなシネコヤさんで先日観たのが『香川1区』。前作の『なぜ君は総理大臣になれないのか』が頗る面白かったので、ポレポレでの先行上映に行きたかったが、ここは大島渚邸を通ってから監督の地元であるシネコヤで観るのが正しいんじゃない?という勝手な論理でお預けにしていた。ということでかなりハードルが上がっていたが、007最新作もかるーく超えるような、泣けて笑える最高のエンターテインメント作品だった。前作が随所に作品に生きていて、きっと監督も予想しなかったような強烈なキャラを引き寄せている。「お前、立憲だろ!」と意味不明な恫喝をされた女性プロデューサーはその場では怖かったかもしれないけれど、ドキュメンタリーとしてはおいしいこと、この上なかっただろう。ドラマ度が違いすぎるが『365日のシンプルライフ』にしても、おばあちゃんが怪我をして入院する、とか本人には起こせない事件が撮影中に起こるのはドキュメンタリー作家として「もっている」と思ったが、この映画は監督が「もっている」のを多く感じた。そして、小川淳也本人の「やらかし」も健在で、それに対する両親や家族の反応も前作に続いて素晴らしく、泣かせる。長期的に一人の人間を見つめてきた前作から、結果を知っている上での総選挙という大きな短期的ドラマの続編の流れは、映画が次の映画を生み出していく力を感じられたのが何より興味深かった。3/5に監督がシネコヤにやってくるというのに、絶対外せない別件ありなのが本当に残念。
そして、先週書いた「ビデオランド」について、いつもギャンギャンつくりまくっているリメイクブランド「途中でやめる」山下陽光さんが熱く語っていたのを読んでびっくり。元レンタルDVD店員としては、そうなんだよー!という共感たっぷり(世代か!)。同じ頃に読んでいたのだろうけど、ビデオランドジャケットも作っちゃって、【俺の私のレンタルビデオ文学賞】まで創設、さすが。山下さんも書いていたけど、先日見逃した生井さんと竹内さんのトーク、公開してほしい!ジュンク堂さんに切望。
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