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先週のkinologue【7/8-14】

猛暑は少しだけやわらぎ、梅雨明け前の蒸し暑さが続いた先週は辛いものを欲してばかり。花山椒がガツンときた汁なし坦々麺、1辛とは思えへんけど元気でた。うちにいるときはシロップに漬け込んだ梅のソーダをリピート。なんとか正気を保ちながら、色んな締め切りをなんとかする日々が続く。

アップで使いたくなる顔なのだろうなぁ。ナミビアの砂漠とは?はて?
これなのかというシーンがいくつか。そしてタイトルが出るタイミングに驚く

今週も河合優実特集。BSでやっていたときに見逃した岸田奈美原作のドラマ(タイトルが長いので省略)が地上波で始まって嬉しい。脚本も演出も良いなぁと思ったら大九明子監督。さすが!『365日のシンプルライフ』AFTERBOOK制作の際にインタビューをさせて貰ったけれど、相変わらず私のツボなんだよなぁ。ドラマ初主演作らしいが、関西弁女子も違和感なく、まだまだ引き出しがあるね、この人。そして、話題作『ナミビアの砂漠』の試写へ。一応、映画評の候補として観に行ったが、読者層にはちょっと刺激が強すぎるので、観ながら途中で断念した。山中瑤子監督の1作目『あみこ』を観た高校生のときに監督に手紙を書いたのが数年のうちに実現したというのは、カンヌで受賞したときに有名になったエピソード。色々あって、彼女が主演でオリジナルを撮っていいよ!と言われて短期間で撮ったというこの映画は、二人の相性の良さに満ちている。ゴダールとアンナ・カリーナみたいな監督とミューズという男目線な図式は、当然のようにこの二人に当てはまらない。旬なときだけじゃなくて、彼女がおばちゃんになっても撮り続けてほしいなぁ。町田かなと思われる駅前の通路を歩くところから、とにかくずっと主人公カナをカメラは追っている。カナの破天荒ぶりと途中のインサート映像がフランス映画のようと陳腐な物言いしかできないけど、監督はフランス映画好きのシネフィルらしい。『あんのこと』の「あん」以外の人物に感じた物足りなさが、W彼氏の金子大地と寛一郎(「鎌倉殿〜」では頼家と公暁、親子だった!)のキャラには全くなく、二人が彼女を更に魅力的にしていた。やはり脚本なのか。カナはいろいろヒドイのに、みんな彼女を嫌いになれない、絶妙に上手いセリフが散りばめられている。全く飽きることはなかったが、思いのほか長尺なので、観る人を選ぶのかもしれない。

この子もアップで使いたくなる顔。本編もアップが多かった気がする。

ヒドイといえば、こっちの方が徹底して酷かったかも。なんせ9歳にして医者に大人同様の処置を求められ、「システムクラッシャー」(病名なのか、症状なのか?)と言われている。ベニーは賢く、体力も根性も人並み外れている。不安からオネショをしてしまうところが子供らしい。ただママに愛されたいだけなのに、かなわない。その怒りがすべての原動力。始まってそんなに経たない頃にベニーが「保育士になりたい」と言っていたのが気になった。本当は愛情を与えたいんだね。赤ちゃんや犬と一緒にいるときのベニーはそんな顔をしていた。信頼できる大人に出会って改心したりしたらつまらんなと思っていたら、最後の最後まで裏切らないのが気持ちよい。2本ともヘビーな内容にも関わらず、潔さがある。どちらも女性監督だったのはきっと偶然ではない。こういう物語を信じて配給する勇気がなかなか出ない。

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