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今週のkinologue 【3/15-21】

今週、SNSでは都内で咲き誇る桜が流れてきたが、うちの近所はまだそうでもない。そして今、南風が吹き荒れる暴風雨が、少しずつ蕾が開いてきた桜を直撃している。明日以降はどうなっているやら。

今週イチのヨカッタ!はついに本編素材がやってくるという知らせ。送る送る詐欺にあったかと本気で心配していたが、予定より1ヶ月くらい遅れてようやく火曜に到着することになった。プロデューサーからは「いつか日本で会いたいねー!」という言葉と共に、愛犬と一緒の写真が送られてきた。

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こんな人だったんだ!すごい髭で手足がデカっ!イイ人っぽい。一度でも詐欺を疑って悪かったよ(笑)。これでようやく字幕作業やらビジュアル制作などが始められる(無事にデータが揃っていたら、の話だけど)。

ようやく観た『花束みたいな恋をした』。公開からだいぶ経つし、朝9時台の上映でもまだ結構入っている印象。

花束みたい

コピーには5年間と書いてあるが、最後の別れのシーンでは4年間って言ってたような。観ているうちに、彼らと同世代は現在進行形の想いが溢れるだろうし、自分も含めて上の世代はツンとくるような想い出が蘇るというのが、ディテールをついた坂元裕二脚本が為せるものか。今は渋谷WWWとなった思い出いっぱいの元シネマライズB1Fロビーが使われていたこと、エキストラ参加して一瞬だけ映っているカウリスマキの『希望のかなた』を二人が観に行っていたことが、ストーリーとは別の私的ぐっときたポイント。
幅広い世代が受け入れた恋愛映画のヒットは久しぶりだし、これを機に映画館に人が戻ってくるといい。来週からは夜の回の上映も始まるしね。

相変わらずDVD視聴も週4本ペースで続いている。クローネンバーグ『クラッシュ』→アカデミー作品賞『クラッシュ』の流れから、マット・ディロンを更に観たくなって『ドラッグストア カウボーイ』を本日視聴予定。しかし、こんな雨の日はなんだか読書もしたくなるものだ。今週読んだのは、『すばらしき世界』の裏話的な西川美和『スクリーンが待っている』。

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4-5年に1本ペースの西川美和は、新作が待ち遠しい監督の一人。脚本を書ける監督で、ゆっくりでもコンスタントに作品を出せるというのは並大抵ではない。『すばらしき世界』は今までで一番エンタメ要素が強かったが、それもワーナー配給で公開規模が大きい作品を手掛けるようになった由縁なのだろう。作中で、主人公のお母さんの存在がどうも薄いなぁと思っていたら、そうだったのか!という裏話が書かれていた。実現していたら、どれだけ素晴らしい遺作になっていただろうと残念でならない。この機に、長編デビュー作『蛇イチゴ』も久しぶりに観てみた。物語の結末がどんなものであっても、清々しさを感じさせるのは変わらないことを改めて。


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