今週のkinologue【5/15-21】
花も葉もフォルムが愛おしいナスタチウムが咲くと、初夏を感じる。映画業界の多くはきっとカンヌで感じているはずだけど。今年からカンヌ出張復活の方も多く、熾烈な競争がきっと展開されているのだろうなぁ。ま、こちらはのんびりいきましょ。今月はとにかく来客が多く、昨日でやっとおもてなし月間終了。来客があると家をきれいにせざるを得ないのが良いところ。
kinologueの1本目配給作品『365日のシンプルライフ』と一緒にフィンランドから持って来たクリーニングデイが今年で10年目になる。
この10年、特に大掛かりな宣伝をするでもなく、ひとり事務局でやってきた。不思議と開催会場数が劇的に増えたり減ったりすることもなく、コロナ禍も絶えることなく、回を重ねている開催者はもちろん毎回新規開催者もいて、新陳代謝しながら続いている。クリーニングデイとは?はHPを見て頂くとして、クリーニングデイはこちらが提案したこと(アップサイクルがテーマのイベントをやりませんか?)を受けとった誰かが自分ごとすることで「自走」していくスタイル。これはkinologueの配給やワークショップにも通じている。1人でやれることには限界があるから、同じように面白さを感じた誰かが、私のためではなく、自分のために動いていくのは理想的。そんな様子を見ると楽しくなる。そこで、週末にクリーニングデイ開催中の「ナナシノ商店街」(足立区梅島近辺の店があったりなかったりする人たちがつながって活動している架空の商店街)に行ってみた。梅島に行くのはコロナ禍突入直前の2020年2月に映画上映+アップサイクル講座で登壇して以来になる。
この日に開いていたいくつかのお店をまわったが、どこも地に足がついているというか、地元の人たちが居心地が良いと思っているに違いない空気に満ちている。ナナシノ商店街のクリーニングデイは本格的には今回が2回目になるが、皆さん楽しくやっているそうで、これからやりたいアイディアなども伺った。いや〜、これこそ自走。元気づけられる。
今週は『アダマン号に乗って』と『EO』を観た。アダマン号みたいな安心安全なところは、どんな人にも必要だ。開閉できる木のブラインドが素敵。それにしても、最近フランス映画が元気だ。一時期より公開本数も増えてきているのか、『パリタクシー』みたいなヒットも出ていて目につく。さすがの底力を感じる。
前作の『イレブンミニッツ』も好きだったが、スコリモフスキは変わらず、映像が美しく最高だ。ロバといえばクストリッツァの『ライフ・イズ・ミラクル』の宣伝をやったときは中目黒のイベントでロバをよんだら人だかりができて通報されたのを思い出した。が、その前に子供の頃、4万くらいするロバのぬいぐるみをダダをこねて親に買わせたのを思い出し、どうやら生粋のロバ・クラスタだったらしい。言葉は話さないけど、雄弁に語る表情があるんだよなぁ、ロバって。その意味でEOはホントにすごい。どうやら何頭ものロバが演じ分けていたようだけど、あんな激しいロードムービー、当然か。
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