隆大介氏の隠密同心

うわっ、巧いなぁ、何という俳優さんだろう? と検索したら、2年前に亡くなられていた。隆大介氏。
(知らなかった私がボンクラなんですが)

実は、BBCという放送局が滋賀にもあって。
朝の8時から「大江戸捜査網」の再放送が流れている。
1970~84年「同じく。井坂十蔵」こと瑳川哲朗氏を軸に、センターが杉~里見~松方氏。
84年には「新~」並木史朗氏ほか、瑳川氏は隠密支配に昇進。
90年は俗に「平成版」と呼ばれ橋爪淳氏ほか。
毎朝放映するもんだから、元が1年50回の1シリーズは2カ月半で終わっちゃう。全部で15年713話あるのが、BBCでは3年ほどで、もうすぐ終了予定。

「死して屍、拾う者なし」のナレーションと、米作曲家にパクられた玉木宏樹氏の傑作曲で知られる当初シリーズは84年までの600ほどで、次のリニューアルが上手く行かなかったとWikipediaにあった。
そこから5、6年開けた後の平成版は、曲や口上を当初シリーズに戻している。

説明が非常に長くなったんだが。
昭和版は男2人女2人(主・井坂・芸者・魚屋)。
平成版の隠密同心は、男3人女1人。

3人目の男は無骨な浪人で、悪党の屋敷に乗り込んで名乗りを上げた際の「同じく、松原蔵人」が絶品だった。

続編の失敗後、シリーズを原点回帰させるオーダーがあったのだろう。
無骨な浪人キャラとして、井坂重蔵=瑳川哲朗氏の間や声色をちょっと混ぜてある。
はっきりと真似てるわけでもなくて、1割を切る程度。印刷で言えば「7%」だ。
隆大介氏の微妙な匙加減に感動した。

3人目の男というのも無理がある設定だ。
2人目が「閑職の役人」といい「必殺」に引っ張られたのだろうか?
必殺だと、三味線の糸などケレン味があったから、1人目、2人目、3人目が並び立ったが。普通のヒーローで3人目になると「ミドレンジャー」並に覚えにくくなるw
にもかかわらず、「3人目の男」が「同じく、松原蔵人」の一言で存在感を刻んで、幅を出している。

上手い俳優やなぁ誰だ? と検索して、大作の映画で活躍された後、酒癖で出演を減らしていかれたと知った。本当にもったいない。

けさ流れていた回でも、お約束の「かわいそうな女の人」から迫られてニヒルにかわす場面で、ちょっと市川雷蔵の雰囲気を出してられた。
視聴者が混乱しないよう、短い出番でも「3人目の男」のキャラを作っていく、上手な俳優さんやなぁ。

気になって気になって、検索したら亡くなっていた。悲しいことです。


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