勤め人の考え方

息子が、職業体験は勤めたものの、中学校から事前事後の書類手続を外された。
そこで、息子に「職業」の在りようを話してみた。以下にメモっておく。

職業人は………
職業倫理への忠誠
商業なら顧客、工業なら品質、警察や新聞屋だと事実
上司や組織への忠誠
法令や倫理よりも、上がそう言うならカラスでも白い
この2つのバランスが大事だろう。

出世するなら、上司に忠誠を誓うほうが速い。
だが、法令無視や、派閥の私兵をやってると、上司が飛んでしまうとか、会社ごと飛んでしまうこと、よくある。

職業倫理に忠誠を誓っていると、上司に取り入る同僚の讒言に潰される。
法令無視した上司が飛ぶまで、自分が持ちこたえられるか?これが問題だ。

職人として生き残るには、最終的に組織が認めるだけの実績をあげねばならない。厳しい自己鍛錬が必要になる。

国の経済政策が、給与を下げ、品質を下げ、新規開発を抑制する方向に在り続けた。

だから、現在は「上司に忠誠」が圧倒的に優位だ。また「組織に忠誠=違法行為や人権侵害」という職場も多い。
しかし、学歴が上司より高い/低い者は、いくら上司に媚びても、派閥には入れてもらえない。入れたとしても捨て駒だ。
家柄で劣る者は、もはや職人的な生き方しか選択できない。また職人的な生き方しか逆転の可能性がない。

きょうは水曜、息子君の好きな「相棒」がある。
組織に忠誠を誓うか?己の腕を頼みに生きるか?
その構図を明確にするため、実際には有り得ない架空の設定を設けたのが「相棒」だろう。
「失われた30年」のうち20年、人気を得てきた。多くの人が漠然と感じている不満に応えたファンタジーだ。
娯楽コンテンツとして反権力を売るのに長けた朝日と、勧善懲悪の時代劇の伝統を持つ東映。この2つの合弁がテレ朝なんだから、大衆へのカタルシス提供が上手くない理由がない。
テレ朝的な勧善懲悪、父も大好きだ。父が子供の頃、杉下右京はまだ教員で、梅之助や杉良が父のヒーローだった。

同系列の朝日放送が松竹と作っていた必殺シリーズもまた、大衆の正義感を満たすものだった。
斬るのは単に武士の行為である。
町人が悪人に報復するのが必殺の特色であり、特に「吊るす」は処刑を意味する。それ故に、三味線屋が必要だったのだ。
また、中村主水が武士であるのは「組織人の反逆」を見せるためだ。組織に圧殺されている人物像を短時間・高効率で描くため、おかま上司や婿養子いびりが設けられていたのだろう。
だから息子君も、湖畔をジョギングする教師を吊るし、三味線糸を琵琶湖大橋の欄干にスライドさせながら「♪われーはうーみのーこー さすーらぁいのー※」を奏でるぐらいの芸は見せてほしい。
※琵琶湖周航の歌

サラリーマン、職業人にとって大事なのは。職業倫理への忠誠、上司や組織への忠誠、この兼ね合いである。これをよく心得て、上司に頼らずとも生きられるよう、自己鍛錬に励みなさい。
身内の商業人も、本部からの品揃え削減を顧客のために拒んで、売上を伸ばし、生き残った。迎合して品目削減した者は、客離れでその椅子を失いつつある。組織は無責任だ。

いま、組織的隠蔽に加担し、不法行為を行っている教師たちは、司法手続によって失職することが、生徒への道徳教育になるはずだ。

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