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ブリュッセルで開催されたEU首脳会議、各国の隔たり、まとまらず #100 ウィズコロナ時代のドイツ 2020.07.18

7月18日(土)のハイライト:
ブリュッセルで開催されたEU首脳会議、各国の隔たり、まとまらず

こんにちはキノコ意匠です。本日も動画をごらんくださりありがとうございます。

こちらのシリーズではニュースや公的機関の情報をもとに「ウィズコロナ時代のドイツ社会の変容」について記録していきたいと思います。

ブリュッセルで開催されたEU首脳会議、各国の隔たり、まとまらず

1. 概要

昨日から欧州連合は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降初めて対面式で会合を行いました。

今回の主だったテーマは、感染拡大による制限措置などで打撃を受けた経済の再建をめざし、経済立て直しの方策に協議するといった内容です。

2. 主だった争点

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復興基金の規模…7500億ユーロ(約92兆円)
割当・配布条件…コロナの損害状況に応じてか、経済状況に応じてか
あとは補助金かローンか

3. これまでの背景

こちらの復興基金については、事前に仏国マクロン大統領とメルケル首相の会議にて、ローンではなく補助金として最大5,000億ユーロの復興予算を設けることで事前合意がありました。

その前の4月中旬に開催されたEU首脳会議では、ドイツを始めオランダ、オーストリアからは補助金という形ではなく返済が必要な融資としての支援形態に重きを置いていましたが、5月中旬にはドイツが方向転換した形になります。

などオーストリアはオランダ、デンマーク、スウェーデンはローン(融資)とすべきだと伝えています。
ただオーストリアのクルツ首相は、合意に関する意志を強調しており、現実的な進め方などを含めた解決策を協議しましょうと前向きな姿勢のようです。

こちらについては、5月19日に動画とnoteにてまとめているので概要欄にリンクを貼っておきます。

ちなみにドイツ国内の復興基金に関する世論調査についても5月23日の動画でもご紹介しました。

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この草案段階での復興基金のうちドイツの負担額は27%となりますが、過半数の約51%が復興基金に賛成しているようです。
34%近くがこの考えに賛成していないという結果でした。

4. 会議の状況

EUの首脳会議の参加国では仏国とドイツはすでにローンではなく補助金という形でと合意されているわけですが、昨日の会議では合意の可能性はあるものの交渉は難航していると言った状況で、8時間におよぶ会議が深夜まで続いたということです。

小休止の時間を利用して、マクロン大統領とメルケル首相は、ハンガリーの首相やオーストリアのクルツ首相と個別に会談を行なったりしたそうです。

昨日時点での結果としては、

・改革の実施に基づいた支払いとし、個別国への州への助成金に関しては各国拒否権がある
・長期債務にならないようにすべきだ(現時点の試算では2058年までの借入になる)
ということになっています。

5. 余談

今回の会合では、全体会議と二国間会合などを含めると13時間以上実施されたそうです。

参照元:
https://www.tagesschau.de/wirtschaft/eu-gipfel-449.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61690670Y0A710C2NNE000/
https://meta.tagesschau.de/id/146486/corona-hilfen-die-chance-auf-einen-kompromiss-bleibt


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