見出し画像

規制緩和の早かったオーストリアの様子/免疫証明書に関する最新の見解 2020.05.02

ハイライト:
規制緩和の早かったオーストリアの様子
免疫証明書に関する最新の見解

5月2日(土)は以下を記録します。

1. ドイツ国内の現状の数字

■ロベルトコッホインスティテュート(以降 RKI)の報告

画像1

陽性判明者数 161,703名(+945)
死者数 6,575名(+94)
回復者数   129,000名(+2,100)

5月2日午前に取得されたデータです。

なお昨日の日次レポートによると、

画像2



R=0.79(変動範囲 0.66-0.90)
前日より0.01ポイント増加
ということで、10人感染者いたらばその人たちが次に7〜9人に感染させるということになります。

再生産数は1未満を維持しないと、それ以上は倍になることを意味しています。
緩和の影響と、マスク着用の義務化がどう関わっていくか見ていきたいと思います。

参照元:
https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Situationsberichte/2020-04-30-de.pdf?__blob=publicationFile

■Coronavirus Monitor

画像3

陽性判明数 164,077名(+1,068)
死者数  6,736名(+113)
回復者数   129,000名(+5,500)

画像5

新規陽性判明数は増加なしということで、倍加時間は82.5日となっています。

5月2日 11時に取得されたデータです。

今日までの陽性判明者のうちステータスごとに割合をみていくと、

画像4

回復者の割合 76%
死者の割合 4%
となっています。

■他の数字も見てみよう(先をいくオーストリアの様子)

接触制限措置を実施したEUの中でも、オーストリアは4月中旬からいち早く緩和措置をとりました。
広さ制限とマスク着用の義務化はあるものの小売店は営業を再開し、国全体の再生産数は5月1日時点で0.67となっています。

画像6


3月中旬には3−3.5だった再生産数ですが、いち早い国境封鎖などの効力かググっと下がり、4月からはほとんと0.6付近にあるようです。

一方でウィーン単体で見るとこちらになります。

画像7


4月に入ってから再生産数は1を下回っているものの、4月中旬から少しずつ上がっているようにも見えます。

オーストリア全体で見ると再生産数は理想的な低さを保っているようですが、都市部となると人口の多さなどからくる接触機会の多さから、リスクが増加しそれに伴い再生産数も増加しているのかもしれません。

これをみていると、都市部とそうでない地域に対し、同じ緩和措置をとることが本当に適切かどうかは考えた方が良いのかなとも思えます。

参照元:
https://www.krone.at/2146575


2.ドイツとベルリンのできごと

■ドイツ

ドイツでは割と早い段階から、感染後に回復した人へ免疫証明書のようなものを発行し、それを有している人は経済活動へ復帰できると言ったような仕組みが作れないかと検討されていましたが、科学的な側面から「回復者が免疫を有することができるかどうかが確実でない」こと、「有したとしてもそれがどのくらいの期間維持できるのかが不明である」ことから、まだまだ実現可能かどうかが見えていません。
ちなみにドイツでは既に12万人以上が回復をしています。

また、科学的側面とは別の社会的課題として、そう言った証明書を持つことから生まれる差別や犯罪に関する懸念もあることから、与党内でも反対意見が出ているようです。

参照元:
https://www.morgenpost.de/politik/inland/article229028207/Ausweis-fuer-Genesene-Warum-der-Immunitaetspass-Streit-bringt.html

ルフトハンザについでドイツ鉄道も政府からの資金援助として100億ユーロをもとめているそうです。
今回のコロナ危機で、ドイツ鉄道は一部サービスを縮小したものの、長距離サービスでは通常の4分の3で運行しているそうです。

なおルフトハンザは一部の株式を政府が少なくとも25%保有する形とし、救済金を受ける形になる可能性があるとのことで、まだ協議が進められているようです。

参照元:https://www.faz.net/2.1690/antrag-auf-staatshilfe-bahn-braucht-bis-zu-zehn-milliarden-euro-16750460.html
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9LOFMDWLU6U01

3.補足情報

スペインでの制限措置の緩和として、7週間ぶりに屋外での他人と接触しないスポーツや散歩が許可されるようになったそうです。
欧州の中でもかなり厳しい制限を設けていたこともあり、緩和にはとても慎重で、高齢者と子供が同じ時間に外出することがないよう、指定された時間帯のみで外出が許可されるそうです。
ちなみにスペインでは、陽性判明者は213,435名、うち回復者数は52%の112,050名、死者数は12%の24,800名となっています。

参照元:
https://www.morgenpost.de/vermischtes/article229010435/Coronavirus-News-Kontaktsperre-Reproduktionsrate-Deutschland-Reisewarnung-Merkel-Corona.html





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?