電話が嫌い

または母の話だ。私の心の奥底には
母が鎮座してるのかもしれない。

母は昔から電話が好きだ。
父は毎日夜遅くに帰宅するので
夜ご飯が終わったあたりから毎日のように友達と電話をしていた記憶がある。
母は短大を出て２年くらいして同じ会社だった父と結婚してから一度も働いた事がない。
毎日のように人の悪口やら噂話やらで盛り上がる母を見て自分が社会人になって思った。
暇なんだな。
習い事やら友達はたくさんいてるみたいだけどなんせそれを優雅で羨ましいなんて思わなかった。

友達にあんたのお母さんみたいな暮らしがしたいと言われたこともある。
そんな風に思う人もいるんだ。

私はわざと実家から同じ大阪でも遠いところを選んだ。
私の事を嫌っているようにみえての過干渉。結婚すると決まった時も実家の近くの団地みたいなところを勝手に見つけてきた。見に行くふりはしたけど近くなんて冗談じゃない。押しかけてくるのは想像がついてた。

勝手にいろんなものを買ってきた。仲が良くないのに勝手に自分が作った額縁を賃貸の家に打ちつけて飾って言った。

ヒステリーになるのが怖くて全部我慢してた。買ってあげた、してあげたが口癖だ。

私にかけてくる電話もひつこい。
自分の都合のいい時にかかってくる。
それにブームがあるのか
続けて３日かかってきたと思ったらぱったりなくなる。

昨日話したのにまた今日かかってきた。無愛想にしたら喧嘩になるし普通に話したらそれでそれで？とかまずそうなごはんねーとか質素ねーとか一言多い。発達障害じゃないのかと思う。
会って話す方がまし。
電話の畳み掛けてくる勢いにスマホを遠ざける。

私が母を嫌えば娘にも嫌われるんじゃないかと思ってしまう思考が邪魔をする。

これがたぶん最大の試練。

何を買ってもらっても与えてもらっても幸せじゃなかった。

でもこの気持ちをぶつけた事はない。