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ざざっと夢物語

(※ヘッダー画像はhttps://www.algordanza.co.jp/rough.htmlより引用)



今朝見た夢が妙に鮮明だったので、補足や推測を含め書き記しておく。


自分自身は夢の中で、学校のようなところ(建物は私が通っていた学校と同様の構造だけど、テクノロジーが発達しているor魔法のようなものがある世界観)の生徒だった。

その学校では、(おそらく教員や上級生が)「対悪天候バリア」のようなもの(名称不明なので便宜上そう呼ぶ)を開発するために、「悪天候」の基準となるデータを既存のものに頼らず新規に集めようとしていた。
結果として作られたのが一人の少女型ロボットで、正式な名前は私もよく覚えていないので仮に「AIちゃん」とする。AIちゃんの外見は私が大学生の頃に思いを寄せていた女の子と瓜二つだった。

AIちゃんはヒト型をしているので、当然手足がある。これは運動器官として使われる(広範囲のデータを取得する)ほか、感覚器官(皮膚に触れる雨や風、温度や湿度など)としても機能する。
対悪天候バリア自体がまずは学校の敷地内において試用となるので、AIちゃんが取得するデータは広範囲といってもその学校の区域内だけだった。敷地内でバリアがうまく貼れるようになったら、後継機が全国でデータを取るらしい。

AIちゃんと私は仲が良くてよく遊んでいたが、ほどなくして範囲内のデータは取得完了とされ、動力となるエネルギーの節約と素体に使われたレアメタルの回収のため、AIちゃんの両手足は取り外された。AIちゃんは頭部と胴体のみ残して特定地点に設置され、視聴覚情報+学生とのコミュニケーションによるデータ取得が引き続き行われた。
私は雨の日も傘をさしてAIちゃんのところに遊びに行っており、これもまた「悪天候のデータ」として記録されていった。

ここまできたらもう読者の皆さんの予想はついていると思うが、プロジェクトが佳境に入ってきた段階でAIちゃんは撤去され、コミュニケーション機能も不要として削除されたのち解体、リサイクル材料でできた人工衛星にセンサーやカメラや演算結果を詰めて打ち上げられることになった。
私は別れが悲しくて泣いた。泣きまくった。
「私の体も見聞きした情報も、全部空の上にちゃんとあるから寂しがらないで。対悪天候バリアが張られたらそれは私がまだ生きて機能しているということだし、生きてきた証でもあるから」とAIちゃんは言ったが、私は「でももう会えないしお喋りできないじゃん」と受け入れなかった。

受け入れられないまま、かつてAIちゃんだった人工衛星の打ち上げが始まった。
大勢の教員と生徒が希望を込めたまなざしをしているのが苦しかった。

衛星が高度を上げていくのを見守る中、手元の携帯電話(ガラケーとスマホの中間?のような形)が震えた。1通の画像つきメールが送られてきている。1通、また1通。AIちゃんがカメラで撮影した上空の様子だった。おそらくは天候予測用の元データやデータ解析結果の送受信機能を使ったものだろう。

青くて綺麗で、私はまた泣いた。


そうして試用の始まった対悪天候バリアは、かつての取得データと上空からの観測結果と地上の各種センサーのデータを念のため突き合わせて展開されるため、若干のラグが発生する。
バリアが張られるようになってからは、小雨程度のポツポツとした水滴を感じることはあれど、数秒もしたら「上がった」ように感じる。雨雲の下にバリアが展開されるからだ。詳しい仕組みは不明。
そのうちラグも短くなっていくのだろう。
私が死んだあともAIちゃんはバリアを張り続ける。AIちゃんは私のことを「記憶」し続けるだろうが、衛星やシステムとしてではなく人としてのAIちゃんのことを覚えている人はいなくなる。
あるいは、AIちゃんが壊れるのが先かもしれない。

どっちも嫌だなあ、と思った。


↓ここからはおまけのひとりごと↓

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