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ブックレビュー「ぼくはお金を使わずに生きることにした」

ネットでたまたま見つけた本

図書館で借りてきました。
とても面白い本でした。

心に残った文章抜粋

「われわれがみな、食べ物を自分で育てなくてはならなかったら、その三分の一を無駄にするなんてことはしないだろう。机やいすを自分で作らなければならなかったら、部屋の模様がえをしたとたんに捨ててしまったりはしないだろう。目抜き通りの店で気に入った服も、武装兵士に監視されながら布地を裁断する子どもの表情を見ることができたら、買う気が失せることだろう。豚の屠畜処理の現場を見ることができたなら、ほとんどの人がベーコンサンドイッチを食べるのをやめるだろう。飲み水を自力できれいにしなければならないとしたら、まさかその中にウンコはしないだろう。」

「消費者と消費される物との極端な断絶を可能にしたものは何だろうかと思案した。たどり着いた答えはごく単純だ。「お金」という道具が生まれたその瞬間から、すべてが変わったのだ。…お金のせいで、自分たちが消費する物とも、自分たちが使用する製品の作り手とも、完全に無関係でいられるようになってしまった。」

「人はお金があればあるほど幸せになれると思い込んでいます。というのも、収入の増加がもたらす影響について考えるとき、「収入が増えれば増えるほどますますお金が欲しくなる」という事実を忘れているからです。収入が増えると、さらに大きな家が欲しくなります。どんなに収入が増えても満足することなどない。それなのに、家庭生活や健康を犠牲にしえまでお金を稼ごうとしているのです。」

「「こんなぜいたくや消費はもう終わりにして、本当の人生を始めるんだ。欲しくもない、必要すらない物のために、奴隷になって働いているみたいじゃないか」」

「ぼくがカネなし生活からまっさきに学んだ最大の教訓は人生を信じることであった。…僕の経験では、何の見返りも期待せずに惜しみなく与えていれば、かならず人からも惜しみなく与えられる。与えては受け、受けては与える、有機的な流れだ。この魔法のダンスに、地球全体の生態系は基づいている。けれども、その流れに乗るには、ひたすら信じる必要がある。必要な物は自然が与えてくれると信じることだ。」

感想

休職中の身です。仕事を離れている間は、心身がとっても休まります。本だって読めるし、運動だって散歩だってできる。健康そのものです。でも、仕事のことを思い出すと、鼓動が速まり、喉が苦しくなります。途端に不健康に戻ります。

思えば、危険信号は色々なところで出ていました。でも、独身時代は毎日終電の土日連勤もこなしていましたし、スタミナも精神力もあるし大丈夫、と自分を過信していました。
家事育児仕事をすべて自分ひとりで回していくことは、若い頃の働き方とは全く違うということに気づいていたけど、心身にダメージが来るまでブレーキを踏めなかったです。

復職を考えただけで身体症状が出てしまいます。そこまでして、なんで私は働きに戻らなくてはならないのか、それは、お金を稼がなければならないから。私が大黒柱なので、子供が成人するまで育てていくのに、あとは自分の生活を維持するために、お金が必要です。でも、お金のせいで健康を害していることから、お金のことが嫌で仕方なくなってきていました。
そんな時に読んだこの本、お金を介在させることで地球も人も不幸になっていると著者は考えています。私も、お金のために自分に無理をさせていたので、著者の考えに共感しました。

一方で、お金を使わずに生きていくことは、並大抵のことではなく、著者のようなことをできる人は、世界に数名しかいないのではないか・・と思えます。

ただ、著者の考えの一部でも取り入れることは、できないこともない、と思っています。ただの節約ではなく、哲学のある節約をしていこうと思います。

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