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HOUSE~ポップでキッチュ、美しくて怖い・・・

どうもドイケンです。

今回は大林宜彦監督作品、1977公開の『HOUSE』についてです。

背景

この作品、CM監督が主だった大林監督が初めて手掛けた商業映画なんです。どんな映画を作ろうってなった時に、当時スピルバーグの『ジョーズ』が流行っていたこともあり、なにかが人間を食べる映画を撮ろうとしていたそう。そんなとき当時中学生だった娘が風呂上りに鏡台の前で髪をとかしながら「鏡の中の私が私を食べに来たら怖いわよ」言ったのをヒントに「家が人を食べる」という発想に至ったのだとか!

(もちろん鏡の中の自分に襲われるシーンもあります!)

いいとこ

僕がこの映画を好きなのは、なにもかも今の映画にない要素がぶち込まれていてすべてのシーンが衝撃だったから。

まず、昭和のかわいい女の子たち。昭和チックな言い回し。これもまた一周回ってかわいいんだなぁ。異論は認めない。

「頑張って演じてます!」って感じもまたなんだか、この映画をカルト的人気を誇る映画に押し上げた一因だと思う。なぜか?かわいいからだよ。

次に映像のいいとこを語りたい。

家が人を食べるって想像つきますか?つかないですよね!!一般ピーポーが想像もつかないそれをCGなしのこの時代に表現した監督はすごい!ってなります。

サメが人を食べる→なるほど

ピラニアが人を食べる→うんうん

家が人を食べる→??

でもCGじゃないからとても奇妙な映像になっているんです。これがまたいいんですよ、ええ。

僕が一番好きなシーンは女の子がグランドピアノに食べられちゃうシーン。なんだか怖いだけじゃなくて、明るくて楽しげなのがまた奇妙で引き込まれちゃうんですよねぇ…

そしてストーリー。

ストーリーが複雑で背景に大きな社会問題だとかある映画ももちろん好きです。だけどいい映画はストーリーが空っぽっていうこともよくある。この映画は「おばさんちに女の子が食べられる」ってだけ。『マッドマックス』は「マッドなマックスが爆走する」、『香港国際警察』は「ジャッキーが悪い奴を捕まえる」とかまぁ挙げればきりないですが、その過程を監督の裁量や編集、演技、映像で魅せるのが映画なんじゃないかなぁと思います。人生もそうですよね。人間は生きていても最後には死ぬのだから。

どうでもいいことをとてつもない真理につなげてしまった(笑)。

こんな感じで第一回目の映画レヴューとして終えることとします。今後ともよろしくお願いします!


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