キシヨマヤオ

田舎の大学四年生 文系

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最近の記事

君たちはどう生きるかを観て

宮崎駿の映画を観てきたので、感想と考察をば。ネタバレあります。  この映画を観てまず感じたのは、作者である宮崎駿の「現実への無力さ」であると捉えました。  そもそも、序盤の戦争シーンの時代背景から、火垂るの墓のようなリアリティ路線かなーと思っていたのですが、ジブリらしく、ファンタジー要素もふんだんに織り交ぜられていました…    時代背景は別として、今の、現代の価値観に照らせば、父親が母親と死別した後に、すぐ母親の妹、叔母と再婚し子供をこしらえるというのは奇妙です。  純粋

    • 【なぜか宇宙はちょうどいい】を読んだ

      ◯宇宙の微調整問題 宇宙が誕生したとき、物理法則は人間にとって都合の良い奇跡的なバランスの上に成り立っているという事実から、別宇宙が存在しないと必然として受け入れられない。【マルチバース論】  実験によって観測することでしか得られない、理論的に決められない数値をパラメータという。  ◯真空中の光速度 CC=299792458m/s≒3×10^8 m/s(30万km/s)  相対性理論より、時空間は各人によって尺度が違う  光速度は速度上限であり、観測者が静止・追随・逆行しよ

      • 【逆境の資本主義/日本経済新聞社】を読んだ

         一通り読了したので、感想文としてまとめます。  格差、気候変動によるSDGs潮流、コロナ禍、中国共産党の台頭等… 現在は多様な問題が資本主義社会に降り掛かっています。こうした諸問題について、多分野(大企業経営者、起業家、投資家、経済学者、官僚等)の人材に取材を行い、民主主義+資本主義の未来、また対立する共産主義ないし独裁政治+資本主義への示唆など、激変の時代を生きる我々にとって実に有意義な視点を提供してくれます。  ・資本主義に働く変化3要因①富の格差→ポピュリズム(大衆

        • 社会学における【方法論的個人主義】と【方法論的集合主義】の違いについて

           今回は社会について論じる際に、しばしば二項対立される二つの概念について数分程度で簡単に説明します! マックス・ウェーバー 方法論的個人主義  マックス・ヴェーバー は、ドイツの政治学者、経済学者、社会学者です。正式な名前はカール・エーミル・マクスィミーリアン・ヴェーバーといいます。  彼によれば、【個人の社会的行為の総和】として社会現象は把握できます。  ここでいう社会的行為とは、 ①目的合理的行為 ②価値合理的行為 ③伝統的行為 ④感情的行為  に分けられます!

        君たちはどう生きるかを観て

          休日満喫中〜♪

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          高度経済成長期の復習に

           高度経済成長期は1955〜70年です。  この間の経済成長率は約10%と、急速に経済成長していきます。 需要 民間消費は、都心部での新卒一括採用に伴う地方からの人口移動(金のたまごと呼ばれる、主に中卒の製造業従業員が出稼ぎに)、全国的な世帯数の増加、価格低下した耐久消費財(三種の神器:白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)の普及によって高まります。  同時に民間投資も活発化します。  政府支出面では、1964/10東京五輪への公共投資、金融緩和が流通革命をもたらします。 供給 

          高度経済成長期の復習に

          戦後日本の経済復興期の復習に

           戦後日本の経済復興期についての概論まとめ!  経済復興期は1945〜54年です。  第二次世界大戦での敗戦後、経済規模は悲惨的なものでした。  資本→損壊し、軍需から民需への転換に遅れ  中間投資→輸入頼り  労働力→復員者によって過剰  ↓  インフレーション発生 (敗戦後のもの不足で銀行預金の引き出し、軍人復員手当による現金の増加) 【政府の超インフレ対抗策】 ①金融緊急措置令(46年2月)→新円に切り替え、預金の一部引き出し制限による通貨供給量を抑制→効果薄 ②

          戦後日本の経済復興期の復習に

          高齢化の先に眠る哲学産業

           人が今まで成し得てきた技術革新・イノベーションは、全て資本主義ベースの市場における経済成長の恩恵によるものであると言えます。  日本とは対称的に目立った経済成長を見せる中国はどうして高い経済成長率を達成できているのでしょうか。  歴史的な観点で見れば、毛沢東体制からの資本主義経済の導入を本格化したことは大きな要因です。米国を中心例として、資本主義経済によって奏功した経済システムを中共が主導して積極導入したことで、急激な経済成長と技術革新が可能になったのです。これはある意味で

          高齢化の先に眠る哲学産業

          資本主義の強みを活かして日本を再興する

           日本は戦後復興期以降、不足する資本を上手く労働力で代替させながら徐々に経済成長を実現させてきました。  そもそも、日本の勤勉さは、江戸時代の農村部に生じた生産革命に端を発します。当時の生産革命とは、資本(機械)を利用して生産性を向上させていた訳ですが、日本では資本(家畜)が行ってきた労働を日本人が代替したことから、日本人特有の勤勉さが培われたと言われています。  生産革命において、日本が他国と異なる理由とは、国土の広狭です。植民地を多く持つイングランドは、労働者一人当たりの

          資本主義の強みを活かして日本を再興する

          【学びを結果に変える アウトプット大全/樺沢紫苑】を読んだ

          この本には、読者自身が成長することを目指し、アウトプットの概要は勿論、行うべき具体的なアウトプット方法を基に、様々な考え方や、実際に行動する為の手解きの様なものが書いてあります。  僕は現在地方の文系大学生ですが、学ぶ際にはリベラルアーツを重要視しています。そんなもので多様なジャンルの本を読む訳ですが、今まで読了した本のアウトプットは意識していませんでした。  それらの読了した本が全て無駄になったとは思いませんが、重要だと思った部分をiPhoneのnoteに書き込むくらい

          【学びを結果に変える アウトプット大全/樺沢紫苑】を読んだ

          GANTZを見た

           GANTZは死の運命で、運命に抗いながらも翻弄される人間の生き様をなるだけありのままに表現されていて、色々と考えさせられることがあった。  人の本能は本質的に残酷で、それを既存の社会システムの中で培われた理性で抑え込んでいる。  人の運命とは奇跡のようなもので、ある日偶然出会った人間集団が、死後の世界でも尚生きようともがき苦しむ中、主人公を中心とした物語展開によって、主人公自体の価値観も言動も変化していく様が現在社会の抱える問題に一石を投じるものだった。  戦時中の国では、