栄養学の基礎

【三大栄養素】
・体に必要な栄養素は大きく分けて糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルの5つ。このうち糖質・脂質・タンパク質を三大栄養素と呼び、体のエネルギー源になる。ビタミン・ミネラルは微量栄養素と呼び、これも生命維持活動に必要。

【糖質】
・単糖類や2~10個の単糖から成る多糖類に分類される。体内では糖質をグリコーゲンとして蓄え、エネルギー源として利用される。糖質は1gあたり4kcalのエネルギーとなるほか、血糖の維持にも利用される。

主な働き:エネルギー源
主な構成分子:単糖類
貯蔵形態:筋肉(筋グリコーゲン)、肝臓(肝グリコーゲン)、血中(血糖)
エネルギー:1gあたり4kcal
摂取基準(成人男性):1日330~430g
過剰摂取のリスク:肥満、糖尿病、動脈硬化
不足時のリスク:思考力の低下、集中力の低下、持久力の低下、疲労感
含有の多い食材:米、小麦、とうもろこし、いも類、砂糖

【脂質】
・脂肪酸とグリセリンが結合した高分子化合物。小腸でリパーゼにより脂肪酸にまで分解され、吸収される。その後、中性脂肪が合成され、コレステロールなどの脂質等とともに血中に運ばれる。脂質はエネルギーを脂肪として貯蔵し、1gあたり9kcalのエネルギーとなる。コレステロールはステロイドホルモンを合成するときの材料になる。

主な働き:エネルギー源、ホルモンの材料、細胞膜の成分
主な構成分子:脂肪酸
貯蔵形態:皮下組織(皮下脂肪)、腹腔内(内臓脂肪)、血中
エネルギー:1gあたり9kcal
摂取基準(成人男性):1日59~88g
過剰摂取のリスク:肥満、動脈硬化、心筋梗塞
不足時のリスク:体力低下、脂溶性ビタミン吸収率低下、生殖機能低下、血管や組織劣化
含有の多い食材:肉(脂身)、魚介類(脂身)、ナッツ類、乳製品等

【タンパク質】
・20種類のアミノ酸が多数連なったもの。アミノ酸20種のうち体内で合成できない、必要量合成できないものを必須アミノ酸と呼ぶ。必須アミノ酸は食物から摂取する必要がある。1gあたり4kcalとなる。主に筋肉や臓器や血液を作る材料になる。

主な働き:筋肉、臓器、皮膚、毛髪、爪、酵素、抗体などの材料になる。
主な構成分子:アミノ酸
貯蔵形態:アミノ酸プール
エネルギー:1gあたり4kcal
摂取基準(成人男性):1日60g
過剰摂取のリスク:内臓疲労、カルシウムの排泄促進、体脂肪の増加
不足時のリスク:筋力及び量低下、骨量低下、貧血、免疫力低下、肌荒れ、成長障害
含有の多い食材:肉、魚介類、卵、乳製品、大豆

【三大栄養素の摂取】
・一般成人のPFCバランスは下記の通り。
 P タンパク質:17%
 F 脂質:25%
 C 炭水化物:58%

・ここの目標にあわせてPFCバランスを設定する。筋肥大を目指すのであれば、脂質を減らし、タンパク質を増やす。体重1kgあたり1.4~2gのタンパク質を取ることが目安。

・設定の手順は下記の通り。
 1.1日の総摂取カロリーを設定する。
 2.脂質の比率を決める。
 3.タンパク質の比率を決める。
 4.炭水化物の比率を決める。

*脂質はホルモンや細胞膜の材料になる大切な栄養素であり、カットしすぎないこと。脂質の加減は20%前後、体脂肪を落とす場合でも15%は摂取すべき。

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