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アルジャーノンに花束を | 感想

「アルジャーノンに花束を」読み終わりました。読んで思ったことは、誰もが自分こそ主人公のチャーリーである、と思ってしまうということです。それはチャーリーの見た景色が自分の人生の一瞬と同じ景色に見えて共感したからでしょう。

私が特に共感したところは、彼の見えている世界が彼の知能の変化によりうつり変わっているところです。私は成長していくにつれて世界をより鮮明に捉えているという感覚があります。子供の頃はぼんやりして分からなかったことが今では分かるようになっているのです。

ただ、人は老いる。分かっていることもいずれ分からなくなる。私の祖父をみていると、自分もいずれぼんやりとしか世界を見ることが出来なくなると思うのです。チャーリーはすこし駆け足だったけれど。

だからそこ多くの人がチャーリーに共感しているのだと思う。

そんなチャーリーに私はやさしく接したいと思いました。「アルジャーノンに花束を」を読むとやさしくすることの大切さを強烈に感じる。誰しもチャーリーを共感できるのだから、現実に存在しているかもしれない。そしてそれは共感した一人間である自分自身なのかもしれないのだから。

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