統合失調症の入院時の体験と後から思うこと

私は統合失調症を発症したとき、2ヶ月ほど入院しています。この記事では私が統合失調症で入院した時の体験をお話しつつ、後で振り返ってみれば、「こうしておいたほうがよかった」や「周りの人にこうしてほしかった」と思うことなどをお話しようと思います。入院中、部屋を2回移動したので、入院初期・中期・後期と分けてお話します。

入院初期の体験

前回の記事にも書きましたが、私は「自分の頭がおかしいことを証明するために病院に行く」と家族に言って、病院に行きました。そして、即日入院となりました。入院してから数日は記憶が曖昧ですが、暴れたりしていたらしく、気がついたらベッドに体を固定させられていました。また、点滴も打ってありました。このときは妄想が激しかったと思います。
檻のような部屋の中で、トイレとベッド以外は何もなく、ただ寝かされているだけという状態でした。トイレにいきたいなど声をかけると看護師さんが応えてくれていたので、カメラとマイクはあったのだと思います。

入院初期について思うこと

入院して、1週間か2週間くらいはその部屋にいたのですが、何もすることがなく寝ているだけというのは、とてもつらかったと記憶しています。何をしでかすかわからないので、体を固定され、何もさせないというのはわかります。しかし、檻のような部屋に説明なしに急に入れられたら、病気でない人でもストレスになると思います。なので、スクリーンなどでテレビを見れるようにしておくなど、何らかの暇つぶしができる部屋だと良いのかもしれません。それも刺激になってしまう可能性がありますが、少なくとも私の場合は、薬を投与されてから妄想から抜け出せるようになっていったので、入院初期の段階でも多少刺激があっても問題ないのではないかと思います。何もなくても妄想はしているので。自殺などをする可能性があるので、物理的なものを置いておくのは危険ですが、スクリーンに映像を写すくらいはあってもいいのかなと思います。

入院中期の体験

点滴がとれたあとだったと思うのですが、部屋を移動しました。基本的に患者の容態がよくなると、部屋を移動するようです。新しい部屋もベッドとトイレ以外は何もありませんでした。ですが、容態がよくなってきているのか、体を固定させられることはありませんでした。ご飯も運ばれてくるものを食べるという感じです。また、本などを読むことを許可されていました。
ですが、部屋の外に出してくれない状態です。まだ、妄想は抜けていない状態で、家族が面会に来ても、「会社に殺される」などの話をしていたように思います。

入院中期について思うこと

私の家族は、面会に来てくれて、とても良い扱いをしてくれていたと思います。妄想などが抜けていない頃は、家族は基本的に話を聞いて聞き流してくれれば良いと思います。反論するなどはあまりしないほうが良いかもしれません。何度も同じ話をするかもしれませんが、今はしょうがないと思って聞き流すのが良いと思います。
また、家族はこんな状態が続くのかと悲観する必要はありません。私の場合はですが、薬を飲んでいれば妄想は抜けていきました。

入院後期の体験

入院してから1ヶ月ほど経ったら、また部屋を移動しました。今度の部屋は広々していて、ベッドと机と椅子が置いてありました。部屋の外に出ることができ、また、病院の敷地内だったら看護師さんに付き添ってもらって散歩にいけるようになりました。食事も部屋の外で食べることができるようになりました。
私の容態はというと、妄想はだいぶなくなってきていました。しかし、部屋の外や病院の中を散歩しているとき、当時の私にとっては刺激が強く、頭にも張り詰めたような、キーンとする感覚がありました。判断力も低下していたと思います。そういった現実、何もできない状態にいる自分がだんだんあらわになっていったのだと思います。
退院する2,3週間前からだったと思うのですが、家に一泊(外泊)することも許可されるようになりました。そのときも、様々な刺激が自分にとっては強く、妄想はないものの、何もできず絶えず疲れる状態でした。とくに印象的だったのが、この時期に体操などをすることも許可されていたのですが、体操するときの音楽がハウスだったか、電子音的なものでした。その電子音が自分にとってはとても刺激が強く、嫌な感じになってしまっていました。
そして、外泊も慣れてきたところで、退院したい旨を担当の医師の方に伝え、翌週退院することになりました。
退院前日、入院中お世話になっていた、少し嫌味っぽいことを言う看護師さんが挨拶に来てくれました。その挨拶の中で、自分にとっては大変ショックなことを言われます。それは、統合失調症を患った人は遺伝する可能性が上がるから子供を作らないほうがいいということです。今となっては、どちらかというと、それに賛成なのですが、当時は大変ショックを受けました。メンタルも弱っているところに追い打ちをかけるように言われて、とても嫌な気持ちになりました。

入院後期について思うこと

少し自分が回復してきていてわかったのが、精神病棟の看護師さんや医師の方の患者の扱いは、人によって全然違うなと思いました。やる気のない方々もいるし、患者のことを思ってくれているなと思う方々もいらっしゃいます。何をしでかすかわからない患者の面倒を見るのは嫌かもしれませんが、そのような気持ちがあるのなら、他の仕事を探したほうが良いと思います。特に前述の嫌味な看護師のような方は、向いていない仕事なのではないかと思います。
逆に、患者のことを思ってくれている看護師さんもいました。散歩のときに声をかけてくれた看護師さんや、退院することが決まったときに服薬について熱心に説明してくれたりした看護師さんは印象的でした。
患者はお客さんではないですが、人間なので、患者でない人に言わないことを言ったりしてもいいわけではないと思います。患者のためを思ってやってられないのであれば、他の職に就くほうが看護師や医者にとっても、患者のためにもよいと思います。患者のためを思って行動している看護師や医者の方々にインセンティブが入りやすいなどはないように思えるので、仕組みがあれば良いなとも思うのですが、現実的でないような気もします。

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