統合失調症になっても諦め過ぎない

統合失調症を発症したあと、私は人生すべてのことを諦めていた時期がありました。仕事に就くことは難しいだろうし、恋愛も難しい、楽しいこともほとんどないし、自立することもできない…と思い込んでいました。ネットを見ていても、統合失調症の患者の方は、いろいろなことを諦めてしまう人がけっこう多いように感じます。
私が過去の自分にアドバイスするとしたら、もう少し頑張ってみてもいいのかなという印象があります。やり方を間違えなければ、統合失調症でも頑張ったほうがいいタイミングがあると思います。


統合失調症になると諦めがちな原因

先が見えない回復の道のり

統合失調症を発症後、社会復帰などを阻害する症状は、疲れやすいことと、とっさの会話や判断が苦手になることの2つだと思います。統合失調症の回復の基準についてでも書きましたが、回復のスピードがゆっくりで、回復しているか確かめることが難しいため、自分でもこれらの症状が回復しているかわかりにくいです。そのため、今の状態が一生続くのかなと思ってしまいがちで、そう思うと諦めてしまうのも無理ありません。

頑張っちゃダメと思わせる環境

統合失調症になると「休みましょう」とたくさん言われます。医師や看護師、ソーシャルワーカー、福祉士、家族など。それは、ある程度の時期までは本当に正しいと思います。私の場合は、発症して3年くらいまでは休むことを最優先すべきだったと思います。それ以降は活動を始めても良い時期だと思っています。ある程度は回復しますが、ある程度は発症前と比べると症状があります。そのため、周りも「無理しないで」と言いたくなってしまうのです。しかし、後述しますが、ある程度回復したら、ちょっと頑張るのは悪いことではないと思っています。周りから「休みましょう」とか「無理しないで」と言われると、頑張っちゃいけないのかなという気持ちになるのは、精神病を患っていなくても当然だと思います。
また、ネットでは、統合失調症に関してネガティブな情報がほとんどです。統合失調症のことをちょっと知っている人たちが当事者でもないし、たいして知っていないのに、ネガティブなことを書き込んでいます。また、当事者や家族の方々もつらい時期を過ごしているからか、自然とネガティブな発言をしてしまうのだと思います。そうなると、当事者である自分もネガティブな気持ちになってしまうのは仕方ないと思います。

極端につらくなければ、ちょっと頑張ってみる

私の場合、寛解までいっているかはわかりませんが、楽しく暮らせるまで回復しています。今の暮らしができているのは、数年前の自分がちょっと頑張ることを始めたからだと思います。個人的には、統合失調症と運動についてでも書きましたが、運動をすることから始めたのが良かったと思っています。何を始めるかは人それぞれですが、ちょっと頑張って、今の状態を抜け出してみると、QOLも向上するかもしれません。

大前提として再発は絶対さける

統計を取ったわけでもありませんが、統合失調症になる人は極端に頑張ったり、極端な環境に身をおいたりしがちな気がしています。私の場合、極端に頑張れてしまっていたから、病気になったし、そのような性格だから、発症後困ったこともあります。発症してから数ヶ月のときに元の仕事に復帰しようとしていました。絶対に不可能でした。そういう時期は休むべきだと思います。
しかし、私は完全に寛解するまではいかなくても、ある程度回復したら「ちょっと」頑張ってみるのをお勧めします。やってみて、ダメだったらやめるくらいの気持ちでやっていただきたいです。怖いのは、誰しもわかっていると思いますが、再発です。再発を避けるために、つらすぎると感じたら、辞めてください。再発を恐れすぎてもいけないですが、ないがしろにしすぎてもよくないことになってしまいます。

ちょっと、そこそこ、つらいのは誰でもそう

どんなことをするのも、まったく痛みがないということはないです。自然界でも動物が餌を取るためには頑張る必要があります。特に、社会復帰をしたいのであれば、誰でも最初はちょっとつらかったりするのは当たり前だと思います。仕事ができなかったり、つらかったりするのは自分だけが悪いのではないです。誰が悪いとかを決めることには意味がないと思います。動物は敵に怪我をさせられても生きることを諦めないようです。誰が悪いかなんて考えていません。意識のある人間だから、誰が悪い、自分が悪いなど考えてしまいますが、悪い悪くないを決める事自体は自然界では意味がないです。それより、必死に餌を取ろうとすることのほうが大切なのではないでしょうか。
ただし、病気の有無に関わらず、ずっとつらいや、とてもつらいなら、辞めたほうが良いと思います。すがりつく必要はありません。今の日本で餓死することはありません。また休んで、またやってみればいいんです。
辞めるか否かの判定基準ですが、数週間、ちょっと・そこそこ、つらいくらいなら、続けてもいいのかもしれないと思っています。それくらいなら乗り切ったほうが良いかもしれません。永遠に続いてしまうことはこの世に存在しませんが、数ヶ月つらい状態が続くのは病気にも健康にもよくないと思います。

無策で頑張るのはよくないかもしれない

無策で、たとえば、とりあえず社会復帰するんだと意気込んで、自分に合ってない仕事を選んで働いて辞めてを繰り返すのはあまりよい方法とは言えないと思います。無策で突っ込むのではなく、ある程度策を練ってから行動したほうが良さそうです。様々なことに共通して言える考え方ですが、何のためにするかとそのやり方を考えることが大切だと思います。

何のためにやるのかを明確にする

何のために行動しようとしているのか基準を明確にしておかないと、意味なく頑張っていることになるかもしれないです。
まず、お金のためなのか、人生を楽しむためなのか、人の役に立つためなのか、自分の中で基準を明確にします。基準を定めるのは難しいので、自分あるいは世の中などが「こうなったらいいな」と漠然と思うことを分解して明確化していくと良いかもしれません。すぐに答えは出ないかもしれませんが、ゆっくり、あるいは行動しながら、考えてみると明確になっていくと思います。

やり方を工夫する

基準や、やりたいことが決まったら、あとは、自分がどのような形で動けるか、どのような環境で動くのが良さそうか、どのような段取りでやるかを考えるのが良いと思います。今の自分に何ができるか、どのような勉強や考え方の修正などが必要か、どんな人と一緒に活動するか、など考えます。そうすることで、段取りができていきます。いきなり、プロ野球にはなれないです。また、意図的な行動ですべてがうまくいくとも限りません。私もまだまだ精進をしている最中ですが、自分のものの見方や感じ方、考え方などを自分で考えたり本を読んだり、動画を見たりして学んでいます。今はとても楽しい仕事をさせてもらっています。もちろんつらいときもありますが、乗り越えられています。少なくとも仕事に関しては良いループに入っています。良いループに入るためには、やり方を工夫することが大切と思い知っています。逆に悪いループに入るやり方もあると思います。自分のことしか考えない、奪うことしか考えないと、どんどん周りも自分と似た人が近づいてきて、奪って奪われてを繰り返してしまうのです。自分の考え方、見方、感じ方を見直しつつ、周りの人などの環境も選んでいくことが大切だと思います。

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