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ライブレポート:FIVE NEW OLD「Easy Come, Easy Go. 」

FIVE NEW OLDと出会ってちょうど4年になる。
たまたま高校時代の友人が勧めてくれて、聴くようになった。
あの頃はFINOをここまで好きになるとは思っていなかったが、留学中何度も支えてくれた音楽の一つであり、絶対に売れさせたいと思わせてくれた初めての音楽である。

とは言っても、FINOのライブを見たのは2年ぶり2度目だった。昨年も何度か行こうとしたのだが、状況的に断念、ライブ自体のキャンセルもあり、結局行けずじまいだった。

昨年はFINOにとってかなり挑戦的な1年だったはずだ。
ライブ配信に力を入れ、3本もCMタイアップを決め、ボーカルのHIROSHIは役者デビュー、そのドラマの主題歌を担当した。
かねてより「アネッサのCMが来たらもう大丈夫だ」と思っていた私は、アネッサではなかったものの、日焼け止めのCMが決まった時発狂した。

結果的には、バンドとして新たな一歩を踏み出したことに違いはないが、いまだにFINOをしっかりと認識している人はあまり多くないように思える。

ちなみに、「Easy Come, Easy Go.」というFINO主催の対バン企画は今回でvol.18となる。
あらゆるバンドと対バンすることで、バンドとしても刺激を与え合え、更には互いのファン層にそれぞれの魅力を発信できる企画となっている。
多くの人にFINO自身の魅力も知ってもらえる絶好のチャンスだ。

FINOの魅力はライブ。とにかくライブがうまい。うますぎる。
「口から音源」とはよく言うが、「口から音源以上」なのである。もちろん、音源が下手というわけでは全くない。ライブアレンジのセンスが抜群なのだろう。ちょっとした歌い回しや聴かせる部分へのこだわりが半端じゃない。

留学中に何度も何度も聞いていた「Ghost in my place」。何度も聞いたことあるのに、どうしてこうも泣けるのか。まさに「口から音源以上」なのだ。

それに、曲と曲の繋ぎがめちゃくちゃにかっこいい。
「What's gonnna be?」からの「Sunshine」、絶対に踊りを止めさせない曲間SE。この部分を聴くためにライブに来ているんだと実感する。

ライブパフォーマンス部分の話が先行してしまったが、何よりも素晴らしいのは、もちろん楽曲である。
いわゆるcity chill的なイメージが強いFINOだが、その中に、ロック要素が見え隠れすることで魅力が増す。特に「First Car」のギターソロは鳥肌ものだ。

そして、リリースされたばかりの新曲、「Rhythm Of Your Heart」。
冬の終わり、春の始まりを想起する静けさの中に響くサウンド。
英語と日本語を効果的に使い分ける歌詞。
「始まりはそういつも小さな輝き」
思わず走り出したくなる壮大なサビである。

FINOには、自分らしさを尊重しようとするポリシーが感じられる。
たくさんのバンドが売れていく中、彼らは自分達にしかできない音楽を自分達らしく奏でることに全力を注いでいる。

「Don't be someone else」、何者にもならなくていい。ただ、自分でいい。

FIVE NEW OLDの魅力を世に知らしめたい。いつか絶対に。
その始まりはそう、この輝く小さなステージなのだと、そう思わせてくれる夜だった。





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