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【無料記事】蒼山四段のチョンボは防げなかったのか

【1巡目の悲劇】

 昨年の夏と同じ事件が起こってしまった。
 「ポン」の発声が1人にだけ聞こえず、その人がツモって打牌まで完了してしまったのである。

 昨年夏の件は以下のnoteで取り上げた。


 今回は日本プロ麻雀連盟が主催する「十段戦」というタイトル戦の四段戦で起きた。
 前と違うのは第一打に対してのポンだったということである。
 全自動麻雀卓で打ったことがある人なら分かると思うが、第一打で鳴きが入ると発声が聞こえづらい。牌が卓内でガラガラ混ざっており、その音に発声がかき消されてしまうからだ。
 ただ、今回も他の2人には「聞こえた」というのだから仕方がない。こうなると聞こえなかった人が悪いという判断になってしまう。
 

 こちらの記事によれば、

東家 森岡貞臣
南家 ダニーモレノ
西家 蒼山秀佑
北家 高村龍一

 という並びで、南家ダニーの第一打を高村がポンした。が「ポン」と言っただけで動かず、その発声が聞こえなかった蒼山がツモって捨ててしまったということである。
 それでチョンボになりマイナス20ポイント。これは連盟公式ルールではラス1回分ぐらいのマイナスとなる。
 ちょっと可哀想な気もするが仕方がない。そういうルールなのだからしょうがないのである。

【理牌が原因】

 これについて最初はスルーするつもりだった。
 前に書くことは書いたし、私の考えが変わったわけでもない。
 それに、大して話題になっていなかったから、カネポンこと金本晃「近代麻雀」編集長から「書いてください」と言われても一旦は断った。
 私のせいで炎の勢いが強くなるのは嫌だからである。
 だが、夜中になって、そろそろ寝ようとしたところで再びカネポンから「燃え広がってきましたので書いてください」とリクエストがきた。
 舌打ちしながら蒼山のツイートを見たら13万以上のインプレッションがあり、40件もの引用があった。
 こうなると何かしら書くしかないのだが、何度書いても、やはり「発声が聞こえなかった」という人が悪い。否、本当に悪いのかどうかは分からないが、現状のルールだとそういう裁定にしかならない。
 1巡目で撹拌の音がうるさかったという事情もあったし、全員がマスクを着用していたことも関係しているだろう。でも、悪いのは蒼山だ。
 しつこいようだが、この結論は変わらない。

 その上で、である。

 ちょっと気になったのが、高村の「理牌しながらの発声だった事もあり止めに行くのが遅れてしまった」という発言である。
 間違いなく、今回の一番の原因はこれだ。理牌だ。
 仮に理牌をしない4人で打っていればこの事件は起きていない。蒼山がツモりに行ったところで相手3人が気づいて「ポンですよ」と制御する。もしくは、理牌を徐々にのんびりやるタイプの人たちだった場合でも同じだ。1巡目だろうと2巡目だろうと、相手の動向を見ながらぼちぼち理牌をしていくタイプなら、蒼山を止めることができたはずだ。
 今回の蒼山以外の3人は、おそらくだが、配牌をもらって第1打を捨てた後も理牌を一生懸命やるタイプなのだろう。でなければ、気づくと思う。
 もちろん、決めつけは良くない。今は夜中の3時なので無理だが、明日以降、もっと状況を詳しく取材してからこの先は書きたいと思う。
 もしかしたら、蒼山のツモと打牌が超高速すぎて、こうなってしまったのかもしれない。
 その他の理由があって、理牌のせいだけじゃないかもしれない。
 だから結論までは書けないが、高村が言うように「理牌」に原因なのは間違いないと思う。そして、それはもしかしたら、全自動配牌で打つ日常と、配牌を山から取り出す公式戦のギャップが生み出したのではないかとアタリをつけているのだ。
 申し訳ないが、少し時間をいただきたい。

(了)

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