プロ雀士スーパースター列伝 馬場裕一 青春編
【神田の蕎麦屋に入れない話】 馬場裕一さんと私が2人きりで食事をするのは、たいてい「きな臭い話」の時だったが、大昔はそうでもなかった。
まだ私が20代の頃、馬場さんと神田を歩いていて「うまい蕎麦屋があるから」という話になり行ってみたのだが、馬場さんは引き戸をガラガラ、と開けて、そのままガラガラ、と閉めた。
「何やってるんですか?」と聞いたら「昔、迷惑をかけた編集者がいた」と言って足早にその場を去る。
「もう一軒あるんだよ」と言って少し歩いて次の店に行ったら、またガラガラ