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麻雀ルール統一への道 最強戦ルールの変更

【雀荘ルールの日本一決定戦】

 以前から金本晃実行委員長には「麻雀最強戦」を「WRC(リーチ麻雀世界選手権)」ルールにしましょうと提案してきました。
 金本さんからは「ちゃんと統一されたら考えましょう」と言っていただいているのですが、8月末のWRCウィーン大会で日本プロ麻雀連盟が採用しているWRCルールとの統一ができたので、金本さんには改めてお話しようかと思っています。

 麻雀最強戦は「雀荘ルールで強い人を決めよう」というコンセプトで平成元年にスタートしました。
 だから持ち点も25,000点の30,000点返しです。
 前にも書きましたが、25,000点持ちの麻雀って、雀荘のゲーム代前払いシステムの名残なんですよ。
 この差額の5,000点4人分の合計20,000点は場代で、トップ者がまとめてお店に支払っていたわけです。
 ところが、あるお店がそのトップ者が集めた場代には手を付けず、全員からゲーム代を徴収し始めたため、その「本来の場代分の20,000点」はトップ者がもらうことにました。これが「トップ賞」の起源です。このルールが全国に普及して、今に至るわけです。

 だから最強戦が誕生した当時、この25,000点という持ち点は斬新でした。日本中の雀荘ではそうやって遊ばれてはいましたが、プロの麻雀大会としては珍しかったのです。

 1回こっきりの予定だった最強戦が継続的に行われる中で、27,000点持ちのルールが適用されることもありました。場代がちょっと安い時代の持ち点ですが、競技麻雀大会にはふさわしくありませんでした。
 条件計算をする時に「トップと2着の差は順位点だけで32ポイントで…」という風になります。普通は40ポイントとか20ポイントとか、キリの良い数字なので計算しやすいのですが、トップ賞が「12」だと、少し面倒くさいですよね。
 だからすぐ25,000点持ちに戻されて、現在までそれが続いているわけです。
 
 日本プロ麻雀協会は発足当初、最強戦を運営していたこともあり、公式ルールとして25,000点持ちが採用されました。
 また「THEわれめDEポン!」や「モンド杯」などが25,000点持ちを採用したため、プロの麻雀や競技麻雀大会でも「トップ賞」システムを適用することに違和感がなくなっていきました。
 いま、もっとも注目度が高い「Mリーグ」も25,000点持ちでやっているので、この傾向はさらに加速すると思われます。

【順位点の大きさによる違い】

 麻雀最強戦の読者大会が全国で行われるようになって以来、ずっと「途中でヤル気なくなる人がいる問題」がありました。
 かつては半荘4回戦を行い、上位者が決勝大会に進むというシステムを採用していたようですが「トップ賞」システムで半荘3回打って1回もトップがなければ、だいたい「無理」です。
 25,000点持ちの30,000点返しで順位点が30,000点つくのが最強戦の点数システムです。つまりトップを取れば50,000点が入ってくるのです。これ、親の役満よりも大きいんですよね。
 3回中トップを2回とった人が3人いて、上位3人が勝ち抜けというシステムだったとしたら、ほとんどの人が「無理」になってしまいます。
 せめて1回だけでもトップを取っていれば良いのですが、0回の人には「無理」です。なぜなら、トップ2回分を半荘1回で叩き出すためには、親の役満と同程度のポイントを稼がないといけないからです。
 
 もしこれがWRCのように順位点が小さければ話は違います。
 トップに入る順位点は15,000点だけなので、仮に2回トップを取られても30,000点です。
 トップ0の人でも、最終戦でトップを取り、さらに満貫2回分ぐらいを稼げば、何とかなるかもしれません。
 これならかなり現実的ですよね。


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