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若手プロに知ってもらいたいこと まずはウヒョ助さんを詣でよ

【先にやられた】

 「『女流プロ最強新世代』も来年はなくなるかも?」を書いた時から、次のテーマは「麻雀プロとして世に出て活躍したいという気持ちがある人は、早い段階でウヒョ助さんの教えを請うべき」だと考えていました。

 しかし、思ったより「最強新世代」の話題が広がりを見せ、同じテーマの原稿が連続し「若手プロシリーズ」ばっかりになるのもなー、と思っている内に機を逸してしまいました。それどころか、ウヒョ助さんご本人が「ワシとこへ来い」的な発言をされ、実際にわらわらと多くのプロ雀士が「ウヒョ助大明神」を詣でるようになりました。

 ※こちらの募集は締め切られています

 ウヒョ助さんは漫画家で、私が初めて作品に出会ったのは小学館「ビッグコミックスピリッツ」に連載された「駐禁ウォーズ!!」でした。私がプロ連盟に入って数年経った頃だと思います。
 交通取り締まりをめぐって、主人公が警察と戦う話なのですが、かなり踏み込んだ内容だったので、当時「これ大丈夫?」と心配しながら毎週、発売を楽しみにしていたことを覚えています。

 その後、10年以上経ってから「近代麻雀」で絵を見て「あ!」となり、Twitterで「ウヒョ助」という名前を見て「やはり」と確信に至りました。あの時のあの漫画家さんだと。

 もちろん、絵も覚えていましたし、作品のインパクトも強かったからすぐにわかったのですが、でも、ペンネームが「ウヒョ助」じゃなかったら、気づくのに時間がかかったかもしれません。
 最初は、なんでこんな変な名前でやってんだろう? と思いましたが、人に疑問を抱かせることによって、記憶に留めさせようという意図があったのかもしれません。

 それでも、私はウヒョ助さんの超マニアではなかったので、作品(「駐禁ウォーズ!!」とその後の「女神の赤い舌」)のことしか知りませんでした。2000年前後の読者と作家の関係って、そんなものですよ。今みたいに何かあれば検索する、という文化はありませんでした。

 ところが、Twitterでお見掛けしたウヒョ助さんは、すでにキャラを確立していました。
 麻雀漫画家であり、天鳳の高段者であり、プロ麻雀界を斬る論客でもありました。
 中途半端に近寄ってケンカを吹っ掛けた人は見事バッサリと斬られていました。
 まあ、作家相手に議論をふっかけたら、だいたいは負けるのですが。
 ウヒョ助さんはあまりスルーせず、売られたケンカを基本買うスタイルのように見えました。それがとても新鮮でした。
 普通、著名人側は無視するものですが、ウヒョ助さんはちゃんと相手をしてあげるのです。
 
 で、常に麻雀界というか、これから頑張ろうとしている若手プロたちを中心に応援してくれました。
 
 私は「へえ、あの漫画家さん、こういう人だったんだ」と思いながら見ていました。

【物事の本質を見極める力がすごい】

 最初はただ「おもろい人だなー」と眺めていただけなのですが、徐々に彼の恐ろしさを知ることになります。

 麻雀界で何かしら事件が起こった時、多くの人たちが「あーでもない」「こーでもない」と議論を交わしている中で、1人スパーン! と、バットの真っ芯で「ことの本質」を打ちぬくのです。

 私が上から目線で言っているのではありません。私は業界内部の人間ですから、皆さんやウヒョ助さんよりも情報が多いというか、もう答えそのものを知ってしまっているわけです。
 歴史、経緯、人間関係、その他もろもろ。色々なことが絡み合って「こうなってます」という「本質」があるのですが、それを見事に「こうじゃろ」とウヒョ助さんが言い当てるのです。
 それも1度や2度ではなく、何回も、です。


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