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Mリーグ開幕戦「雷電」舞台裏

【Mリーガーたちのお正月】

 「大和証券Mリーグ2022-2023」が開幕した。
 今年は「近代麻雀」で「マイナス1200からの復活へ・チーム雷電・高柳監督のMリーグ奮闘記」という連載が始まっており、私が構成を担当しているので「取材名目」で「TEAM RAIDEN/雷電」の控室に潜入することができる。
 貧乏性の私は、その連載のためのネタとして使えなさそうなところも拾い集め、こうしてnoteに有効利用しようという魂胆で会場へ向かった。

 コロナ対策として、会場に来る人数はできるだけ少なくするように各チームが努力している。試合出場予定がない選手は極力来ないようにするのが普通なのだが、開幕戦だけは違う。各チームとも全選手が会場に来ていた。

 今日は彼らにとってのお正月みたいなもので、色々な人たちがほうぼうで挨拶をしている。松本圭世さんや張敏賢さんも挨拶回りと様々な準備で忙しそうだった。
 
 選手に挨拶をすると、試合に出る人が何となくわかった。
 伊達朱里紗プロ、鈴木優プロからは緊張感が伝わってきた。試合に出る予定があるからだろう。
 仲林圭プロはぜんぜん緊張していなかった。むしろ楽しそうだった。試合に出る予定がなかったからだろう。
 小林剛プロもいつも通りだった。サイボーグな上にMリーグも5年目なので、挨拶の緊張感からは出場予定があるかどうかは読めない。
 佐々木寿人も同じだった。

 実況の日吉辰哉も気合が入っているようだった。
 
 私は多くのプロ雀士たちが「さあやるぞ」という気持ちで「ひとつの仕事」に取り組んでいるのを見て「いいなあ」と思った。うらやましいということではなくて、そういう麻雀界になって良かったな、と思った。
 自分が全然かかわっていなくて、自分が作る準備を手伝ったりしたわけではないのに「いいなあ」と思えるぐらいに「Mリーグ」は素晴らしい舞台なのだと再認識した。

 そんなことを考えて、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら「雷電」の控室に入っていった。

【やたらと緊張していた王子】

 雷電の開幕戦先発予定は萩原聖人プロだったが、2試合目は誕生日の「北陸の役満プリンス」こと本田朋広プロだった。
 本田のためにチームが用意してくれたロブションのケーキを箱から出すと、チョコケーキの上にベリー的なものが載っていた。

 私もそれが何なのかは分からなかったが、瀬戸熊直樹プロが「これストロベリーかな」と口走ってしまった。
 すかさず本田が「ちょっと瀬戸熊さん、ストロベリーはないでしょ」と指摘する。「ストロベリーはイチゴですよ、これは明らかにちゃいますよ」とガンガン行く。
 普段は本田が天然をかまし、それをみんながイジるのだが、なぜかこの日は本田が先制攻撃を仕掛けていた。
 瀬戸熊さんは「俺、シイタケもよくわかんないんだよなー。切ってある状態のシイタケしかわからないから、スーパーでシイタケ買ってこいって言われて困ったんだよ」と意味の分からない言い訳をしていた。
 それに対しても本田は「ちゃんと椎茸いうて書いてあるでしょう」と、どんどん突っ込んでいく。

 あとで瀬戸熊さんに「本田がえらいイジってましたね」と言うと


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