【無料記事】SNS講座はじめました
【試合前から試合は始まっている】
日本プロ麻雀連盟に児玉佳宏という若手プロがいて、といっても年齢は40近いオッサンなのだが。彼が「SNSの使い方講座やってくださいよ」と言ってきた。
最初は「しょっちゅう火だるまにされている私のことをあおってるのか」と思ったが、どうやら大真面目に受講したかったらしい。
そんな需要あるのかと思ったが、児玉が「絶対にあります」と言ってきたし「なんだったら僕が集めます」とまで言う。
それならやってみようかと、恥を忍んで開催したわけである。
プロ雀士限定で、平日の19時から2時間程度。3,000円で、場所は東京ドームの近くの「まあじゃんエース」さん。
募集を開始してみたら、いきなり4人ほど集まった。それなりに反応があったわけだ。
が、その後、別のイベントもあり、ぜんぜん告知しなかったら一切のびなくなった。当たり前なのだが、SNSでの告知はマメにやらないと忘れ去られる。しつこいぐらい、これでもかと告知を繰り返すしかないのだ。
4日ぐらい前になって、運営の尾澤大河さんが「4人しかいないのですが。これだと弊社としても採算が合わなくなるので」と連絡してくれた。
お店は貸し切りなので、もちろん最低いくらという金額が設定されている。4人ってかなり厳しい数字なのだが、私はこの状況そのものが面白いから、そのまま出そうと思った。
尾澤さんに「事情をそのまま公式で発表してください。7名いなければやらないのであれば、それを正直にお願いします」と伝えたら、案の定、イジってくれる人たちが現れた。
これらは私のことをイジって貶めたい人たちだと思われるが、こちらとしては非常にありがたかった。
宣伝ってポジティブなものよりもネガティブな方が世間には広がりやすい。もちろん、大企業のように潤沢な資金があれば王道の広告をやるべきだが、貧者は貧者なりのやり方があるのだ。
この現象を起こしたこと自体が、ひとつの「SNS必勝法」となったと私は思っている。
たった4人しかいなかった参加者が一瞬にして17人にまで増えた。これ一応、私にはメリットがあったので「勝ち」なのだ。
【当たり前が大切かも】
講座の冒頭では、ごく当たり前のことを話した。
皆さん、そういうのは分かっていたみたいなのだが「やっていいのかどうか」というのが多かった。考えたら当たり前で、こういう講座に来る時点でめちゃくちゃ真面目な人たちなのである。他人に気を遣うし、遠慮がちだ。
私もその場で言ったのだが、そもそも、プロ連盟の人なら私にLINEして「教えて」と言えば無料で同じことを教われるのである。たぶん、食事つきで、マンツーマンで教えてもらえる。金を払うどころか、おごってもらえるのだ。
講義に来た人たちは、そういう厚かましさがなかった。
だから今後は(他団体の方も含めて)無料相談を半永久的に受け付けますと言ったが、たぶん滅多に連絡はしてこないだろう。皆さん、奥ゆかしいのである。
私は逆に、当たり前のことでも、やっていない人に対しては言ってみる価値があるということを学んだ。分かっていないからやらないのではなく、分かっているけどやれない、という事情があることを知ることができた。
あとは個別に、各自5分ずつぐらい、その人のキャラや背景や希望に合わせてアドバイスをした。それはSNS対策というよりは「たぶんアナタはこういう感じで発信すると喜ばれると思います」という、何とも根拠のない、頼りないものだったかもしれない。
とにかく私が思ったことを言っただけなのだが、ほぼ全員がすぐ、その日の夜の内に動き始めていた。
皆さんやっぱり、真面目なのである。
個人的にツボにハマったのはHIRO柴田プロだ。柴田君は元鳳凰位なので実績は申し分ないのだが、あまりマメにSNSをやるタイプではない。
彼にも私なりの考えを伝えたのだが、すると柴田君は「分かりました。ようは石井君みたいに竹を引っ張ったりしたらいいんですかね」と言ってきた。
良いわけないでしょ。
それと、麻雀の研究をどのようにしているのかも、非常に興味深かった。「対局の映像を見ながら、その人のダメな部分を探すんです」と言っていて、それを是非見たいと思った。それを記事にしたりポストしてほしいと伝えたが「人の悪口になっちゃうんで無理です」と返してくる。
何かもう、やっぱり鳳凰位とかになる人って、どっかぶっ飛んでるんだなと感心した。
結局は、悪口にならないよう、うまいこと表現してくださいという話に落ち着いたが、これも早速、スタートされたようだ。
私も一人の麻雀打ちとして、更新が楽しみである。
19歳で日本プロ麻雀連盟に入って、今は26歳の池田来斗プロは「言われた通りにやったら1日でフォロワーさん100人以上増えました」と報告してくれた。
そんなに難しいことを言ったわけではなく「絶対そうなる方法」を伝えただけなのだが、そうやって言ってくる子は可愛いし、こちらは嬉しい気持ちになった。
他の皆さんも、それぞれ「お、やってるな」と思わせてくれている。私が想像していたより、面白い発信をされていて、今後が楽しみである。
麻雀プロは勝たないとどうしようもないのだけれど。勝った時の準備として、SNSをうまく使ってくれたら良いなと思う。私はヒントを提示したにすぎないけれど、それを応用してどんどんプロとして世に出ていってくれたら非常に嬉しい。
(了)
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