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若手プロに知ってもらいたいこと 嫌われるのは悪いことか?

【道端のゴミに配慮は不要】

 めちゃくちゃ当たり前すぎるので結論から言うと、嫌われるのは悪いことです。そんなの誰でも分かりますよね。
 ただ、同時に「全員から好かれるのは不可能」という事実もあるんですよ。これも誰でも分かることです。
 でも、案外この当たり前のことが分かっていないというか、普段はあまり意識していない人が多いのではないでしょうか。
 人間は本能的に「嫌われたくない」と思ってしまうからです。
 厳密に言えば本能というより、そういう性格の人じゃないと生き残ってこれなかったからなんですよね。
 今はたとえば私たち庶民が総理大臣とかに「無能」とか「やめろ」とSNSなんかで発信できるようになっているから信じられないかもしれませんが、大昔は庶民が支配者たちにそんなこと言ったら即処刑ですよ。
 人間は食物連鎖の頂点にはいますが、丸腰ではほとんどの動物に負けるぐらい弱くてどうしようもない生き物です。人間同士で群れて「知恵」を使って何とか生き延びてきたわけですから、その群れからの追放は「死」を意味します。だから絶対に嫌われてはいけなかったんですよね、大昔は。

 ところが今は、仕事もせずに毎日SNSに他人の悪口を書き込んでいるような、存在そのものが迷惑みたいな人でも生きていくことができます。特に日本は優しい国ですから、皆さんだって、多少は嫌われても大丈夫ですよ。生きていけます。
 特に、どうでもいい人たちから嫌われてもいいじゃないですか。自分が大切にしている相手から好かれているだけでも十分やっていくことはできますよ。
 今はネットなどで多くの人の意見が目に入ってくるので、ネガティヴな言葉が心に突き刺さるかもしれませんが、そんなの道に落ちているゴミと変わらないんですよ、本来は。
 たとえば森山茂和日本プロ麻雀連盟会長はネット上ではよく叩かれますが、本人はSNSとか絶対に見ないので一切、傷つきません。たまに「こんなこと言われてましたよ」と私が言っても「そうか、もういいよ、もう、アハハ」と言って笑うだけです。

 一方で、森山会長とお仕事をした相手で、会長に悪印象を持つ人は全然いないんです。
 プロ連盟にメリットのある仕事を持ってきてくれた相手には、必ず相手にもメリットが生じるようにサービスします。その上で、その担当者さんが所属する組織で恥をかかないように配慮するし、困りごとがあったら折れて「貸し」を作ったりもします。要するに、常に相手の顔を立てるわけですよ。
 プロ連盟を守るために「これだけはダメ」というものは「絶対にダメ」ですが、ちゃんと誠意をもってお付き合いしてくれる相手にとっては強力な味方になるのです。
 プロ連盟の会員でも同じで、実際に会長と何かしら一緒にやったことがある人と、遠くから眺めているだけの人の間にはギャップがあると思います。
 こういった状態でもプロ連盟はうまくいっているし、会長も何も不自由なく職務を遂行されているわけです。
 「嫌われたら困る相手」にだけ気をつけていれば、あとはどうでもいいんですよ。

【ヤバい人の特徴】

 それでも皆さんは麻雀プロであり、人気商売をやっていかなければご飯が食べられないという事情を抱えています。
 となると、1人でも多くの人に好かれて、できるだけ嫌われないようにはしたいですよね。
 その考え方は間違えではないのですが、あまり気にしすぎても心が疲れるだけです。
 基本的には考え方は同じで「嫌われたら困る相手」にだけ気を遣いましょう。
 皆さんにとっての「嫌われたら困る相手」は「善良な普通のファン」です。それ以外の「普通じゃないファン(のようなもの)」は放っておいていいですよ。
 普通じゃないファン(のようなもの)は、だいたい以下のような特徴を持っています。

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