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EX風林火山・藤沢晴信監督「監督はつらいよ」第1回


■選手起用は本当に難しい

こんにちは、EX風林火山の藤沢晴信です。今シーズンもいよいよMリーグが始まりましたね。開幕日は松ヶ瀬さんが勝てそうだと思いましたけど、あんなふうに逆転されちゃうのは厳しかった。でも、1週終わってトップがなくて「今シーズンもそう簡単には行かなそうだな」と思っていたのが、9月24日には松ヶ瀬・勝又のリレーで同日連勝できました。ポイント的にもプラス域に載せられたので、まずは一安心といったところですね。

Mリーグの監督は何をやっているのかって、結構気になる人も多いと思うんですよ。他のチームのことは分かりませんけど、監督としてやらなきゃいけないことって、基本的には「選手をどの順番で使うか」くらいなんですよね。
Mリーグで言えば監督はチームの一番のファンと言いますか、一番選手の近くにいますし、だから一番勝ってほしい。技術的な指導ができるわけでもないですから、選手を送り出した後は思い切り盛り上げて、応援するしかないんですよ。
それが届くかは分からないけど、「届くだろう」という仮定のもとに、必死に応援をするという。
でも、もちろん応援したから勝てるわけでもないし、そもそも麻雀はずっと勝ち続けるのは無理なゲームです。その中でどういう気持ちのもちようでいるのがベストなのかは、まだ模索中ですね。

勝ち負けは実力の優劣で決まると思っている人もたくさんいると思います。でも、強いチームが毎回勝つわけでもないですし、そもそも実力はどうやって測るんだ、という話で。

ウチで言えば、勝又さんは優勝したシーズンのセミファイナルでは全然ダメで、9山をツモれないどん底だったんですよ。だけどファイナルでは鬼神のごとく活躍して優勝しました。一方で、ここ2シーズンは最終戦の3位争いでどっちも負けています。U-NEXT Piratesさんは昨シーズンで完全優勝しましたけど、その前の年は同じメンバーで5位でしたよね。実力を示すのが結果だとしても、それは結果がそのように出ただけで、

「結果を出している=実力がある」
「結果が出ていない=実力がない」

とは違うと思います。
他のチームのことは全てリスペクトしていますが、選手それぞれの実力の合計が、チームの実力がどうかなんて、誰にも分かりません。ちなみに、もし昨シーズンのファイナルに優勝経験のないKONAMI麻雀格闘倶楽部がファイナルに残っていたら、たぶん優勝していたんじゃないですかね。そうした「流れ」というか「ジンクス」みたいなものは、僕はいつも考えています。これまでのジンクス的に完全優勝はないと思っていたんだけどなー、ジンクスが崩れました(笑)。

監督の選手起用って、本当に難しいですよ。ウチが3シーズン前にセミファイナルで負けたときは、セガサミーフェニックスさんとファイナル進出を争っていたんですね。そこでの正念場の試合で、ウチは勝又さんを起用しましたけど3着で、フェニックスは東城さんを出して、トップを獲りました。

あのときで言えば、東城さんはセミファイナル初戦でラスっていて、ウチで言えば瑠美さんも初戦はラスだったんですけど、僕はそこで怖くなって瑠美さんを使えなかった。でも、フェニックスの吉野監督は東城さんを送り出してきたわけです。だからあのときは、僕が瑠美さんを使えなかったから負けた、監督のせいで負けたと思っています。

■「弱いチーム」と言われるのは聞き捨てならない

選手起用で振り返ると、最終戦は勝又さんではなく亜樹さんで行くべきだったかな、という後悔があります。

ウチのチームはなんだかんだ言っても最後は勝又さん、というところがあるんですよ。でも、2年前に黒沢さんとの直接対決で負けていて、昨シーズンのファイナル期間中には亜樹さんがぽつりと「(一昨シーズンの最終戦は)私が出たらよかったですね」と言ったんです。
今までは「そういうのは得意な人がやったほうがいい」と言っていた亜樹さんが、です。そのことが頭に残っていて、シーズンが終わった後、勝又さんに「最後を勝又さんにしない選択肢もありましたかね」と聞いたら

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