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打てなかったドラ。俺はどこまで負けるんだ【朝倉康心】


期待値マイナス5ポイントの男

前回、リーグ戦第一節の振り返りを書いてくれと金本編集長から依頼され、そんなに需要ないだろうなぁと思いつつも書いて送ったところなぜか金本さんには好評で、ぜひ続けてくださいと言われた。

色んな文章を見てきている文章のプロに面白かったといわれるのはやはり嬉しいもので、調子に乗って2回目も書いてみることになった。

まず、リーグ戦の結果は1節目に続いてまたしても惨敗。早くも通算マイナス130まで行ってしまった。
降級人数の問題もあり、おそらく降級ボーダーはこのあたりになることが予想されるため、ここからプラスマイナスゼロ、期待値0の麻雀を打ち続けられたとして降級率が50%前後。つまりは既に降級率50%だ。

話は変わるが、僕が麻雀絶不調になったのはMリーグ2年目レギュラーシーズン終盤。

レギュラー突破をかけた大一番という日に小林さんが珍しく体調を崩し、予定外の連闘となり本当に大事な日に2連ラスを引いたことをきっかけにそのまま5連ラス。
小林さんは何も悪くないのだが、何か運命めいたストーリーのようなものを感じる大敗であった。

そこからメンタルを崩したのか麻雀の神に見放されたのかあらゆる対局で負け続けているため、ここ5年くらいの通算成績はMリーグ、リーグ戦、勉強会、その他公式対局を合わせて300半荘くらい打ってマイナス1500くらいだ。
つまり、今の僕は1半荘打てば5ポイントマイナスする。「期待値マイナス5ポイントの男」である。
弱い、弱すぎる。

余談が長かったが、期待値0の麻雀を打ち続けても降級率50%というのに、期待値マイナス5ポイントの男が打ち続ければ既に降級率は95%くらいあるだろう。
さすがに追い込まれるのが早すぎる。

しかもたちが悪いことに、今回の第2節は個人的には内容が良かった。
いつものことながらウマぶり場況厨なのでわけのわからない牌を切ったり変な牌でオリたりはしているのだが、見返しても基本的にはピントが合っていたし、意図的に作った待ちは大体山に残っていた。
負けた直後、後悔するところがないので斜め上の落ち込み方をしてしまい、昔の占いを思い出してポエムを書いてしまってプチ炎上したりした。なんでやねん。

満貫の8割は運

ちょっとしたボヤキのような話になるが、今期リーグ戦を8戦打っていて今のところ満貫ツモあがりが一度もない。
決して打点意識がないわけではないと思うのだが、とにかくリーチがあがれない。
唯一あった満貫出あがりも、めちゃくちゃ難しい分岐の上で他家が手順を曲げたことも味方しての奇跡的なあがりだった。
見返しても、特に分岐をミスったせいで満貫クラスを逃したというのがはっきりわかるような局がない。
「自力で満貫以上をツモれるように山が積まれていない」というのが感覚としてずっとある。

できることを全部やれているというわけではもちろんなく、ミスも当然あるのだが、それはそれとしてそもそも満貫以上のあがりというのは個人的に8割が運だと思っている。

6割くらいがある程度効率を理解しているなら誰でもあがれるような満貫、2割くらいが分岐はあるが優劣が難しく選択に正解することがそもそも幸運である満貫、残りの2割が難しい局面を腕で捌いての腕の満貫、というイメージだ。

配信を見ていても「これはあがれないわ!すげえ!」というような手順の満貫よりも「これはまあこうなるよね」となったり「これはあがれないけどほんとに合ってる?」というような手順だったりというのが多いので、大体感覚としては間違っていないと思う。


やばい、ただの愚痴っぽくなってきた。

つまり、そういう8割の自然やラッキーの満貫以上が来ていない時点で、おそらく下振れではあるはずなのである。
ただし、ずっとツイていないわけがないので、ここまで負け続けているのは間違いなく他の部分に原因がある。どちらかというと手が入っていないときの耐え方が下手なせいで負けているという可能性の方が高いだろう。
負け続けていると耐える選択や踏み込む選択でよりミスが出やすくなる。
ここから10節、目先のポイントに踊らされずに堪えるところをしっかり堪えて、踏み込むところを間違えないようにしなければ。

自分語りはこのくらいにして、そんな2節目にも面白い局面が何個かあったので紹介していこうと思う。
僕の意見だけではあまりにも需要がないので、Mリーガー含む有名どころの強者に少し意見を聞いてみた局面もある。損はさせないはずだ。

さて、それではやっと本題に入りたいと思います。
まずはこの局面を見てください。

持ってきたドラどうする?


設楽さんが第1打に2萬を切っていて、その後字牌の手出しなどが入り、カン7筒をチーして打2筒。8索を678でチーして打。ドラが1萬。

自分は白を仕掛けて47萬の聴牌。そこにドラの1萬を持ってきた。

ここで僕は3萬を切って聴牌を崩したのだが、解説からは「嘘でしょ?両面テンパイだよ、こんなのやめるの?」と驚きの声、もっと言えば「さすがに押した方が得でしょ」という心の声が漏れていた。

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