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堀慎吾が打った条件戦の手筋───最強戦2024「因縁の傷跡」24/04/14 阿久津翔太

皆さんこんにちは!!!

日本プロ麻雀連盟の阿久津翔太です!

今回は先日行われた麻雀最強戦2024 因縁の傷跡を観て面白かった局について書いていこうと思います!

まだ観てない方はぜひABEMAプレミアムに登録して見返したりキンマwebの観戦記を読んだりしていただければと思います!

まずは予選A卓。対局メンバーが堀慎吾プロ、石井良樹プロ、鈴木たろうプロ、和久津晶プロの4名。

注目はなんと言っても事前の勝ち上がり予想アンケートで過半数の得票を得た堀プロ。

【トーナメント巧者の堀プロ】

そんな堀プロがリードして親番を迎えた南1局

この手牌で何を切るかですが、これ3s切りたいなーと思っていたら堀プロも3s切り。

2人勝ち上がりということでこの親番のリードを広げにいきたいがリスクは避けたいという状況ですが、注目すべきは西の対子落としをしている和久津プロ字牌の切り出しからスタートして中張牌が連続で切られている石井プロの捨て牌でしょう。

現状どちらからいつリーチが入ってもおかしくない状況であり、満貫クラスの放銃は現状の有利を手放してしまう大きな痛手となってしまうため、微妙な手で安易なリーチの選択はしたくない状況です。

特に和久津プロに対しては満貫放銃は一気に横並び。しかし満貫ツモられる分にはトップ目のまま南2局を迎えることができます。

よって、平和のみテンパイをリーチしたいかと言うとこの状況では微妙

しかし、かと言ってヤミテンで1500アガっても少し有利が広がるとは言え、この差の親番を連荘するよりも何事もなく南2局にいってくれたほうが全然嬉しいです。

つまり、決め手となる高打点はアガりたいけど、安い連荘はそこまで嬉しくなく、ハイリスクローリターンな選択はさらにしたくないという点数状況です。

それらを加味すると、ここは安いテンパイのルートを切って、高いテンパイの可能性を残す3s切りが場面にマッチしているように見えます。

3sが危険牌で1mが和久津プロの現物なのもさらに背中を押しそうです。

堀プロのリードしてる時の立ち回りの上手さがさらに光ったのが南2局1本場供託1。

まずはたろうプロの面白かった選択です。現状七対子のイーシャンテンですが、ここでホンイツを強く見た北切り。

上2人との差を考えるとリーチツモ七対子裏裏の3000・6000の価値があまりにも高すぎて素直にイーシャンテンの七対子を狙いそうなところですが、対子が鳴けそうなところなのを加味してホンイツを高く評価しました。

ホンイツにすると大体發鳴けても3900〜5200と考えると悪くはないけどやはり七対子のほうが点数状況的には大きなリターンという感じがします。

堀プロは安全に進行しながらアガリのルートがあればアガリにいくというところ。

この南は1枚切れとは言え、後々ソウズの仕掛けを入れているたろうプロに危険になりうるのでツモ切っていきます。

たろうプロは狙い通り3副露できてここでリャンメンではなくシャンポンを選択。

3900と5200の差を意識せざるをえない点差です。

上家から打たれた白をスルーして7mを引き入れた堀プロは打白として安全にテンパイを目指します。

僕は同じような安全進行をしててもこの白はポンして7sと3pのシャンポンテンパイ取りそうです。というのも、親番で役牌を仕掛けてる石井プロが9p、8pという手出しでドラ2以上の可能性がかなり低いというのが大きいです。

ドラ3の場合も8p、9pの切り順になりそうですし、大体安そうだなと思いそうです。(実際は7789pから切っていたのでドラ2でしたが)

ただ、通っていないソウズや字牌を持ってきたらどのみちオリになりそうということで、大体オリになるなら瞬間のテンパイ取っておいたほうがいいと思うか、親にチーやロンさせないためにも安全牌の枚数減らさないほうがいいと思うかの差が白をポンするかどうかの差になりそうです。

より安全なルートを選択した堀プロの選択が見事にハマり、500・1000のアガリで安全に局消化に成功しました。

A卓は先にリードした堀プロと石井プロの勝ち上がり。

続いてB卓の対局メンバーは、内川幸太郎プロ、猿川真寿プロ、新井啓文プロ、浅井堂岐プロの4名。

【浅井プロの積極的な仕掛け】

A卓とは対照的にこちらは事前の勝ち上がり予想アンケートはそこまで差が出なかった卓組。

B卓で印象的だったのは浅井プロの選択。

少しリードしている東2局で中をポンしてドラの2m切り。

僕はこういう仕掛けを好んでするタイプですが、浅井さんは鳴かなそうだなと思っていたので意外でした。

解説の渋川さんも驚いていた通りしなさそうですし、A卓の堀さんにはむしろ僕が何回もこれは鳴かないほうがいいねぇって言われたくらいです笑

浅井さんの仕掛ける選択が300・500のツモアガリという結果に。

もはや面白い局というよりも個人的な好みの仕掛けというだけかもしれません笑

B卓もリードしている2人が逃げ切る展開で勝ち上がりは内川プロと浅井プロという結果になりました。

ということで決勝卓は、堀慎吾プロ、石井良樹プロ、内川幸太郎プロ、浅井堂岐プロの4名に。

【明暗分かれるサクラナイツの2人】

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