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「家族のようだった」小林剛が語る朝倉康心と石橋伸洋への気持ち

取材・文/青森りんこ

「新たに鈴木優と仲林圭の2人が加入した。この2人は確かに強力だが、パイレーツが強くなったと断言はしたくないのである」

そう語るのは、「U-NEXT Pirates」船長の小林剛選手。
同チームは、レギュレーション上選手の入れ替えが必須となり、石橋伸洋選手、朝倉康心選手の2名が惜しまれながら退団となりました。
4年の間を共に戦った両名の強さを語ると共に、普段は情緒的な表現を用いることの少ない、“ロボ”小林剛選手が、彼らとの思い出を「家族のようだった」と振り返ります。

●石橋伸洋選手について

石橋とはじめて会ったのは20年くらい前です。当時東風荘のオフ会があって、石橋はそのオフ会の中心人物でした。”オフ会の主催者の明るい学生”という印象でしたね。
そのあと石橋が最高位戦に入って、オフ会や勉強会でちょこちょこ顔をあわせていました。印象的だったのが、10年前の「四神降臨」というニコ生の麻雀放送。メンツが石橋・小林・多井・(鈴木)達也で。

四神降臨は4団体のタイトル獲得者が出る大会なので

『ああ、あの若者、最高位獲ったんだ。入って数年、かなりのスピード獲得だな』

って思った記憶がありますね。

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翌年「天鳳名人戦」でも戦ったんですが、最初の3年は、優勝が小林・小林・石橋で、さらに小林優勝の時は石橋2位、石橋優勝の時は小林2位だったので、2人ですごい勝ちました。ちなみに4年目の優勝者は朝倉でした(笑)

石橋は、Mリーグでは実力通りの結果が出なかったと思っていて、石橋が600Pも負けたのは、かなり悪い偶然が重なった結果だと思っています。読みについてや手順について、数字について、駆け引きにおいてなど、あらゆる能力が圧倒的に高い選手です。
チーム内で言うと、朝倉が読みをかなり重視しますが、私は見た目の形や数字を重視しがちで、石橋は両方の良いとこ取りをしながら良いバランスでできるタイプです。
昔からいろんな勉強会にも出ていて、そもそも知識量が圧倒的に多く、「石橋がこんな負けるはずがない」と今でも思っていますね。

石橋のデータを見れば、アガリ点とアガリ率のデータが低すぎて、石橋の本来の姿ではないのがわかります。あの麻雀やっててこの低さはおかしいなと。

  ※データは辺六筒さんのデータを参考にしています
 

どうおかしいかというと、“小林よりアガリ平均点が低い”んですね。非常にわかりやすい(笑)
石橋は全体で見ればスピード寄りですが、私よりは打点寄りです。
なので、アガリ率がやや低く、アガリ平均点がめちゃめちゃ低いこのデータは、”高い手のめくり合いにいっぱい負けた”というデータですね。リーチ成功率も低かったです。

そういえば、Mリーグ開幕前に「小林だったら誰を指名するか」という質問をされた時は、「(鈴木)たろう・石橋」と答えてました。
1年目の天鳳名人戦の頃から二段階先をいっていて、『この人凄いな』思っていました。
国士にいっぱい放銃したり、赤切りリーチをしたり、芸人キャラみたいな感じでうっかりおもしろキャラ扱いになってしまっていますが(笑)、相当レベルが高い人だと思っています。


●朝倉康心選手について

朝倉との出会いは1年目の天鳳名人戦で、天鳳代表として朝倉とマーク2がいました。そこで2人の麻雀を見て、鳴きながら粘ったりテンパイとったり遠いアガリを見たりと、一生懸命頑張る麻雀で、『こいつらすげえな』と思いましたね。

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