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【無料記事】選ばれなかった女たち続報⑤今の生活を続けたいですね〜

夏川プロは用事があるとのことだったのでお帰りになり、最高位戦の木村瑠璃プロと打ち合わせのためにエクセルの喫煙ルームに移動した。李佳プロはこのあと特に予定ないとのことだったのでそのまま同席してもらった。
16時の待ち合わせ予定で、ちょうどそのくらいの時間に木村プロが現れた。

「初めまして最高位戦の木村です」

木村瑠璃プロ

木村プロはシンデレラファイトの予選で同卓した事はあったが、お話しするのは初めてだった。麻雀遊戯王に出演されていて、その印象が強かった。
改めて動画をチェックしようと思い、お名前でYouTube検索すると木村プロの動画がたくさんあったのでみなさんぜひチェックしてください!

映像の中では明るくゆるーい感じの方。
メイクがビシッと決まっていて、カラフルなお洋服を着ている。カッコいいんだけど、どこか可愛い。可愛いんだけど、どこか飄々としている。当日はナイキのスニーカーを履いて、m&m'sのパーカーを着ていた。

「初めまして、日本プロ麻雀連盟の飯盛と申します。麻雀遊戯王さんの動画拝見してます。いきなりなんですけどキャシーってなんですか?」

「私ハワイ出身なんですけど、ミドルネームがキャサリンなんですよね。瑠璃キャサリン木村で。キャサリンのあだ名みたいなのがキャシーって言うんです。常勤で働いてる雀荘オーナーにその話をしたら、キャシーって呼ばれることになったんですよね」

「なるほど、そうだったんですね。なんでキャシーって呼ばれてるのかめっちゃ気になってました。その話、ぜひ書いて欲しいです!」

「わかりました」

木村プロの出演された動画や、Xを見てる方は、知れば知るほどより木村プロのことを知りたくなるのではないだろうか?事実私もネット上だけではあるけれど、見ていると余計に気になる部分が多い。恐らく質問には答えてくださるのだが、謎が謎を呼ぶ、ミステリアスという感じがする。

「木村さんはこういうことやりたいなとか、普段から考えていることとかって何かありますか?」

「自分の経歴を人に話すと、面白がってもらえることが多いんですよね。そういうのを書いたらいいかなーって思ってました」

「バイクは今でも乗ってらっしゃるんですか?」

「はい今でも乗ってますよ」

「撮影で乗ってきてもらうとかは可能ですか…?」

「大丈夫です」

「めっちゃ良い…すごいかっこいいと思います…!」

バイクの横に立って写真を撮られる木村プロの姿が容易に想像がつく。めちゃくちゃ絵になりそう。
木村プロ自身が個性的で魅力的なので、多分私たちが何もしなくても、めちゃくちゃ良い写真が出来てしまうと思う。
木村プロはほぼ毎日麻雀を打っていらっしゃる。それも絵になってしまうのが想像がついてしまう。となると、あとは記事の内容、特に麻雀の部分についてだ。

「多分年間340日くらい麻雀してますね」

「木村さんってこれからどうなりたいとかってあるんですか?このままの生活を続けたいなのか、あるいは」

「あーそうですね。やっぱりこの生活を続けたいですね。自分の好きなことしてお給料ももらえて、たまには麻雀以外のこともできて。そうやって暮らせたらいいな」

「負けたら痛みのあるジリジリした麻雀を楽しみたいですね」

「プロのリーグ戦に関してはどのように捉えてるんですか?」

「リーグ戦はポイントのやりとりをしてるので、プライドをかけてるっていうか。だからokです」

木村プロは麻雀が中心の生活を大事にしたいということだった。私は自分の麻雀人生があんまりジリジリして来なかったので、こんな感じで今に至るんですよねーと話すと、木村プロも語り始めてくださった。

「私は高校生の時、ガラのいいタイプの高校生じゃなかったんですよね。友達が麻雀やってて、いつも1人欠けちゃうみたいな。覚えてくれたらヨンマが立てられるんだけどな〜って言われて。それで本読んで覚えました。点数はわかんないけど役だけ覚えて、コタツのテーブルで手積みの麻雀やってました」

木村プロは28歳ということなのだが、エピソードが昭和の麻雀打ちっぽい。

「ある時友達にツバメ返しをされたことがあったんですよね」

ツバメ返し(つばめがえし)
手積み麻雀でなければできないイカサマ。
山を積む際に、自分の手牌として欲しい13枚の牌を下段に積み込んでおき、隙を突いて自分の手牌と入れ替える技。

「私が親番で1打目に切った字牌で、ツバメ返しで仕込まれた国士の13面待ちに振り込んだんですよ。そんな事するやつとは麻雀しない!って、そこからしばらく麻雀からは離れてました」

2024年に28歳とは思えない、かなり味わい深いエピソードである。

「21歳くらいの時結婚してたんですけれど、旦那が麻雀する人で、旦那のいきつけの雀荘に一緒に行くようになって。あー懐かしいなーって。しばらく行ってたらオーナーから時給出してあげるから打ち子やらないかって声かけられたんですよね。しばらく続けてたけどコロナになってしまって。給料出してあげられないってなったから、じゃあこの際だからちゃんと雀荘で働こうって働くようになって。今に至ります」

木村プロは多くの時間を麻雀に費やして来た人なのだなとわかった。
麻雀プロの中にはこういう方はたくさんいらっしゃるかと思う。ただ、コロナがあったり、その影響でネット麻雀が流行したり、Mリーグが始まって「見る雀」の方もいたり、麻雀を楽しむ人々の生活や環境は大きく変化し、多様化しているように感じる。
今までもこれからも、木村プロはずっと麻雀と生きていくのだという意志が感じられた。

誤解を招くような言い方になりかねないが、私は今までに木村プロのような方とお知り合いになったことがなく、正直どのようにお話しすれば伝わりやすいだろうかとか、どういう人が好きで、どういう人が苦手なんだろうとか考えてしまっていた。
ご本人もXや麻雀セラピーで、コミニュケーションが少し苦手であるというようなことを仰っていたのもある。

私は少し身構えてしまっていたのだけれど、木村プロはすっと話を汲み取って、流れるようにお話ししてくださる様子がとても印象的だった。全然コミニュケーション苦手じゃない。文章を書くのが苦手だと仰っていたが、お話しするように書いてくださったら、木村プロのミステリアスに、みんな絡め取られてしまうと思う。

打ち合わせの後、木村プロは麻雀Bar「麻の巣」に出勤されるとのことだったので、少しだけ顔を出してみた。

次々とお客様が来店され、あっという間にいっぱいになった。
note読んでます!とか、選ばれなかった女たちの方ですよね!?とか、お客様に声をかけていただけた。
初めてお会いする方にもこんな風に言って頂けるのはとても嬉しい。木村プロのおかげでもある。
李佳プロと「撮影の時に着る衣装を誰かに一緒に買いに行って欲しい」という話をしていた。女性無料ということで「タダ酒飲むのは忍びねぇ」ということでそそくさとと退散してしまったのだが、私と李佳プロが店を出て外階段を降りていくと、上の方からから「服、一緒に見に行くの、予定あったら一緒に行きましょう〜!ありがとうございました〜!」と、大きく手を振りながら声をかけてくださった。

木村プロの明るさと優しさ、可愛らしさが全部詰まっていた。

文・飯盛裕美子

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