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岡田紗佳は最強戦の勝ち方を知っている───最強戦2024「無双伝説」24/07/07 文・阿久津翔太


皆さんこんにちは!

先日行われた麻雀最強戦2024 無双伝説はご覧になったでしょうか?

特に決勝戦南4局の攻防は必見です!!!

まだ観ていない方はぜひABEMAプレミアムに登録して見返したりキンマwebの観戦記を読んだりしていただけたらと思います!

予選A卓の出場メンバーは勝又健志プロ、浅井裕介プロ、本田朋広プロ、岡崎涼太プロの4名。

事前の勝者予想では、Mリーガーである勝又プロと本田プロに票が集まりました。

【大きく踏み込む本田プロと岡崎プロ】

大きく勝敗を分けた1局となったのは東2局

東1局に本田プロが岡崎プロに8000放銃した次局、親の浅井プロのリーチに岡崎プロが追っかけてイーシャンテンの本田プロはどうするか。

ビハインドしていて戦いたい点数とは言え、ここで放銃にまわるとあまりにも致命的な放銃になりうるところです。

58sは切りづらいが2sを切っていてフリテン残りになる可能性があるということで本田プロはワンチャンスの3sを勝負という選択になりました。

これが浅井プロへの12000の放銃となり、かなり苦しい状況となってしまいました。

麻雀において2軒リーチが入っているところに危険牌を最低でも2枚を押す前提のプッシュというのは大体見合うことが少ないです。

2枚押してテンパイする頃には既に決着がついていることもありますし、テンパイする前にさらに危険牌を引くこともあります。

点数状況的に押したい局面とは言え、イーシャンテン時点では比較的切りやすい牌を切れるルートを選ぶべきだったように思いますので、7mか6pの選択になりそうです。

無邪気な仕掛けやプッシュが本田プロの強みですが、今回は強く戦おうという姿勢が裏目に出た1局となりました。

次に面白かった局面は南1局勝又プロの親番。

勝又プロとしては大事な親番。

ホンイツへ向かうにはあまりにも十分すぎる配牌ということで第一打は北で大人しく行きます。

狙い通り中、發と2副露することに成功し、他家へのプレッシャーは絶大です。

※下家の勝又プロが中・發とポン

しかしその仕掛けに白をぶつけたのは現在2着目の岡崎プロ。

岡崎プロは僕と同期なのですが、こういう勝負所の見極めと踏み込み、それを実行する精神力は一番の強みだと思います。

ここで白をポンされる確率はかなり低いのは誰もが知っているものの、河が大人しいとより大三元の可能性が上がっているとか、ここでオリて勝又プロに4000allあがられても十分勝てるということでオリたくなる人もプロとしての経験があればあるほど多い気もします。

しかし、この手は白さえ押せれば十分にアガりきれそうで、勝負所を先延ばしするよりもここで勝負したほうが良いという判断は素晴らしいと思います。

また、解説で触れられていた通り、他家が白でやめてしまう可能性を潰すことで親の連荘率を下げるメリットもありました。

白を切れるようになったおかげもあってか本田プロがリーチに辿り着き、岡崎プロの白切りが活きるかというところでしたがアガリは出ず流局となりました。

その後は本田プロが追い上げる展開となるも、上位2人が逃げ切り、浅井プロ、岡崎プロの勝ち上がり。

予選B卓の出場メンバーは宮内こずえプロ、一瀬由梨プロ、豊後葵プロ、岡田紗佳プロの4名。


事前の勝者予想アンケートでは岡田プロに票が多く集まりました。

【岡田プロのベタオリの技術】


そんな岡田プロですが、東1局から苦しい選択を強いられます。

一瀬由梨プロのリーチに対して5pを345でチーした宮内プロが押している状況。

2人に通る牌どころかリーチに通る牌すらありません。

宣言牌の筋である8pも、唯一の字牌である白も当たり牌で絶望的な状況に見えますが、ここで岡田プロが選択したのは打4p。

これにはまず宮内プロの仕掛けに対して4pが比較的切りやすいというのがあります。

宮内プロに4pがリャンメンで当たるとしたら3456pとあるところから5pをチーしたことになるのですが、その場合は宮内プロが1pを切るのが早すぎて不自然です。

もちろん1456pから1pを切った後に3pを引いたなどのパターンもありますので確実に通るということではありませんが、他の無筋と比べれば当たるパターン数が少なく、かなりマシだと言えます。

よって、リーチに対して4pの危険度を考えますが、1pが切ってあって片筋なこと、よっぽどの理由(三色や四暗刻など)が無い限りカン4pにしたり、リャンメン拒否してシャンポンにすることは無いので、愚形に当たりづらいこと、そして2枚切れるというのが非常に大きいです。

ここで白や8pを切ったところですぐに手詰まってしまうため、また危険牌を選ぶことになるため、例えば2回手詰まって8pと白を両方切ることになってしまうとそれは明確に4p2枚のほうがトータルの危険度が低くなるわけです。

4pの危険度がよっぽど高かったり8pや白の危険度が低ければ話は変わりますが、今回はどちらも当てはまらないため、4pを切ったほうが得だという判断です。

宣言牌のそばの無筋を切るのは抵抗がある人も多いと思いますが、元々は岡田プロもここから4pを切らなかったと思います。

サクラナイツの練習会で特に堀プロからこういったベタオリの手順を何度も理由と共に教えられて、その判断基準やそうなる理由を自分の中で噛み砕いて理解して実戦を積み上げたからこそ難なく選べた4pという、

努力の結晶とも言える放銃回避に僕には見えました。

この放銃回避の選択により流局となりました。

もう1つ難しい選択だったのがリードして迎えた東2局

6mを切って25sでリーチかヤミテンか、あるいは3s単騎かというところですが、岡田プロの選択は3s単騎。

こうしておくと、良い待ちに変わった時にリーチタンヤオ一盃口の決め手となるリーチが打てるというメリットがありますが、巡目的にリャンメンにはしたいなぁと思って見ていましたが…

あっさりと3sをツモアガリ。

予選B卓は岡田プロと宮内プロの勝ち上がりとなりました。

決勝の対局メンバーは浅井祐介プロ、岡崎涼太プロ、岡田紗佳プロ、宮内プロの4名。


【攻撃の手を緩めない岡田プロ】

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