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【無料記事】選ばれなかった女たち続報⑥自分を知ること

「勝てるルートはなかったのかなって、振り返りしてました」

3月20日は日本プロ麻雀連盟の松島桃花プロとの打ち合わせの予定だったのだが、その前日は【桜蕾戦】というタイトル戦のベスト16の試合があった。

桜蕾戦とは
次世代スターの発掘を目的に、2021年に設立されたタイトル戦。出場資格は予選初日に29歳以下であること。年二回開催、ルールは前期がWRCルール、後期が連盟公式ルール。

当企画参加者の李佳プロと松島桃花プロが同卓だった。
試合が終わったのは夜の12時すぎで、試合後のインタビューは中止になった。半荘4回行い、上位2名がベスト8へ進出する。結果は2人とも敗退だった。とても悔しい。ただ、この試合を表現するにはあまりにもお粗末な感想だ。オープンレックやYouTubeで見れるので、読者の皆様もぜひご覧ください。

🔴YouTube

🟠openrec

全員条件のある最終戦のオーラスが本当に熱かった。
打牌や所作に「懸命さ」が現れていて、とても引き込まれた。2人とも所作に無駄がなくカッコ良い。私はすっかり感情移入してしまった。

翌日はとても風が強い日だった。
松島プロの通勤の通り道ということで、町屋駅で待ち合わせをした。私は少し早めについたので店を物色したのだが、風が強すぎて外にいるのがしんどかったので、デニーズに入った。

あの試合の翌日にウェルチャオで勤務をして、打ち合わせまで来てもらって本当に忍びない。
何も頼まないわけにもいかないのでフレンチトーストを頼んだ。しばらくして夏川プロが現れ、松島プロも予定通りの時間に到着した。

2人にも注文してもらい、桜蕾戦の話をしないわけにいかなかったので(私がどうしても我慢出来なかったので)話を始めた。

「桜蕾戦惜しかったですねえ。めちゃくちゃ熱かった。私も見てて悔しくなっちゃいました」

「そうですねー。アーカイブ見返してみたんですけど『勝てるルートなかったかな』って。そしたら最終戦が途中で終わっちゃったんですよ!」

松島プロはYouTubeのアーカイブで振り返りをしていたのだが、どうやら12時間でアーカイブが途切れるらしい。続きは別の動画として上がったようだ。オープンレックだと途切れずに見られる。
松島プロの対局は16時からで、それ以前は別卓の対局があったので長かったのだ。

「12時間超えちゃってたなんてすごいですね」

「こんなに時間かかってるとは思ってませんでした。4回戦だけで2時間もやってたんだ」

ちなみに松島プロとは面識はあるが、あんまりちゃんと話したことがなかった。だけど麻雀熱が高まってしまったのか、お互いに元々そうであったかのようにスラスラとお話しすることができた。

松島さんの苺のパンケーキが到着したところで「食べながらでいいんで、聞いてくださいね」と、いつものように企画の説明を行った。

「松島さんは、この企画に参加するに当たって何か考えていることはありますか?」

「それなんですけどこれをキッカケに【自分のことを知る】ことをしようかなと思ってて。パーソナルカラーとか骨格診断とかやろうかなって思ってます」

「すごくいいと思います。自分を知る、をテーマにしていきましょう。3月31日にメイク研究会やりますけど、こういうメイクやってみたいとかあります?」

「やあなんもわかんないんですよね。服装も、友達から実はカッコイイ系が似合うんじゃない?って言われたことあるんですけど、わかんなくて」

「仮にカッコイイ系がめっちゃ似合ったとしたら、それは着たいなって感じなんですか?」

「そうですねー引き出しを増やしたいって感じです」

ちゃんとお話ししてみてわかったことだが、松島プロは考えがとても整理されている人だった。打ち合わせまでに色々と考えてきてくださっていたのかもしれないが、悩んだり迷ったりしていたとしても、現状を正しく捉えた上で「その現状を変えるために何をするべきか」に対して鋭く判断しているようだった。
喋りに澱みがない。

「そういえば昨日対局で今日は仕事で、ほんと頑張り屋さんですよね。介護って体力仕事ですよね?」

「まあそうなんですけど、今日は流石に午前休でお昼から出勤しました。介護ではありますけど、まあそこまでじゃなくて。医療行為もしないし」

「ウェルチャオで働くことになったキッカケってなんだったんですか?」

「最初は病院で働いてたんですが、プロなりたての頃はなるべく目立たないようにしてました。対局のために休みを取るというのも難しくて。勝ち上がったら抑えとかないといけない日程が多くて」

読者の方にご説明すると、リーグ戦は毎月第◯ ◯曜日、のように決まった日程で行われるのでわかりやすい。ただしタイトル戦の予選を勝ち上がって次の試合は平日にもあるため、対局に出られるように日程を空けておかなければならない。もちろん負けることもあるので、そうすると何もない日になる。また、別団体のタイトル戦と日程が被ることもあり、プロになったばかりの頃はこの辺の日程調整も課題だ。

「有給取ろうにも理由の説明が難しいですよね。普通の会社だとそこまで融通利かせてくれることはあんまりなさそう」

「そうですね。そんな時にウェルチャオの求人募集をたまたま見つけて」

「めちゃくちゃちょうど良かったわけですね!」

松島プロは「自分を知る」をテーマにこれから特集を作っていくということで方向性が決まり、企画意図もよく理解してくださっているようなので早々にお話は切り上げて、また桜蕾戦の話をした。

帰りの電車が同じだったので、隣に座って雑談をしながら揺られた。松島プロは普段様々な利用者さんの対応をされているからか、私も打ち解けられたような気がして嬉しかった。
やべ!また打ち合わせの様子写真撮るのわすれてた!今撮ってもいいですか!?

おわり

***

【読者の皆様へ】

いつも「選ばれなかった女たち」を読んでくださっている皆様ありがとうございます。
続報noteはこれにて終了となります。
今後の予定は以下の通りです。

3月31日 メイク研究会(配信やスペースを予定)
4月某日 雀荘にて撮影(日程調整中。Xにて様子を発信)
4月13日 カメラマンによる撮影(Xにて様子を発信)
4月14日 夏川プロデザイン作業開始
4月22日 森本プロ特集記事公開予定
4月26日 竹田プロ特集記事公開予定
5月3日 李佳プロ特集記事公開予定
5月6日 木村プロ特集記事公開予定
5月10日 松島プロ特集記事公開予定
5月13日 夏川プロ特集記事公開予定
5月17日 飯盛特集記事公開予定
6月某日 展覧会開催※予定決まり次第お伝えします

Xでも沢山の皆様に応援のお言葉をいただく他、リアルでも初めてお会いする方々に「note全部見てます」「応援してます!」等直接お声がけいただけるのをとても嬉しく思います。選ばれなくて悔し涙を噛み締めた私たちが、皆様の暖かいお言葉で目頭を熱くしています。

ですが、これからがこの企画の本番です!
今後も暖かく見守っていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします!

文・飯盛裕美子

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