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(魚谷さんに捧ぐ‼)魔神の父の観戦記   「魚谷vs渋川」


1 衝撃の日


6月10日、ふと目にとまる記事。


嘘だろ。魚谷さんがセガサミーフェニックスから退団だなんて。

実は彼女は我が家の中では特別な存在なのである。節目節目に渋川の前に立ち塞がるでかい壁・強力なライバルだと我が家では認識されているのだ。その理由は後に述べるが、私はそれだけでなく、渋川は魚谷さんとは分が悪いのではないかと感じていた。それで調べてみた。

Mリーグの2年間で渋川と魚谷さんが同卓した時の平均着順をだ。結果を見て驚く。やっぱりだ。魚谷さん→平均2.2着、渋川→平均3.2着。大差であった。

碁敵(ごがたき)は憎さも憎し懐かしし

魚谷さんは我が家にとって、まさに碁敵であった。私は渋川が魚谷さんと対戦する度に緊張し身構えていた。しかしその彼女は来季のМリーグには登場しない。これまで当たり前に有ったものが無くなる、これまで当たり前に居た人が居なくなる。我が家では渋川の上京もその一つであったし、そんなことはこれまで何度も何度も経験してきたんだが、その瞬間瞬間はやっぱりとてつもなく寂しい。それが、これまで渋川を苦しめてきた碁敵であれば猶更だ。これが今の私の偽らぬ心境である。

※その後東城さんも退団になったことを知る。彼女については、これまでも、その優れた判断力に驚かされてきた。また4/22のMリーグの解説では、その落ち着いた話しぶりとユーモア溢れるお人柄に感銘していたところだった。残念でたまらない。

2 これまでの魚谷vs渋川

2年前のことだ。「近代麻雀」を読んでいた私はちょっとびっくり。

『泣き虫マーメイド』漫画三尾じゅん太 原作須田良規

これが渋川‼?こんな格好よく描かれたのは初めてじゃないか‼?早速妻に報告。妻も喜ぶ。

「えっ、それ漫画?」

「うん『泣き虫マーメイド』って漫画の最終回に登場してるんだ」

「ああ、魚谷さんの漫画ね」

「マーメイド」で魚谷さんということが分かるのか。渋川がМリーグに入ってからの妻の情報収集能力は凄い。しかし雑誌を持っていこうとする私に妻はストップをかける。

「ちょっと待って‼最終回で渋君が出てきているってことは・・・・・もしかして日本オープンの決勝戦‼?」

うわっ図星だ。何でそんなところまで推理できるんだ。

「その場面、渋君が負けちゃうところでしょう‼」

これまた正解。

「そ、そうだけど」

「それじゃあ見たくないわよーーーー」

なんてことがあった。

この場面、日本オープンの決勝の最終第5回戦。渋川がトップで魚谷さんがラスなら渋川の総合優勝が見えてくる。渋川はすでにテンパイ。魚谷さんは9索ポン。トイトイで2600の放銃なら良しと踏んだ渋川、3筒勝負。しかしこれが8000点の放銃になったのだ。


いやあ、まいったねえ。この場面、妻は見なくてよかったよ。

次にやられたのは、2022年10月18日のМリーグ第2試合。この日は魚谷さん丸山さんと激しい2着争い。そして運命のオーラス。

ここで魚谷さん、何と何と、5巡目ですでにチートイドラドラ1索単騎のテンパイ。

この時親の渋川も、こんなきらびやかな手牌。ただ場に2索は2枚切られ、見ている私は1索がいつ出ていくのか気が気でなかった。

だから魚谷さんが南単騎に変えた時は、ほっとしたよ。

ところがところが、南は無情にも渋川へ。

振り込んだ渋川の驚きの表情は凄かった。

渋川はショックだったろうが、我が家も大変なことになった。この頃妻は、この時間Мリーグ中継は怖くて見れないので別室で家事。私だけが居間で観戦。これまでは渋川、2着2着と堅実に進んでいたから、特に問題は無かった。しかしこのラスの影響は甚大。妻はこの結果を私の観戦のせいだと認定。それ以来渋川の試合の居間でのテレビ観戦は禁止となってしまったのである。

3 Mトーナメント2024 H卓第1試合


これは恐らく、魚谷さんにとって、フェニックスのユニフォームで出場となる最後の大会。ここで渋川と同卓とは、まさに因縁の対決か。

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