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浅見真紀と橘家の戦い:初戦【文・橘哲也】

著者プロフィール
橘哲也…日本プロ麻雀協会のA1リーガーにして、浅見真紀プロの夫。
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『浅見真紀』
Mリーグ2023-24 ドラフト会議でその名を呼ばれてから早3か月、ようやくこの日がきた。

チームは家庭の事情やすでに決まっている仕事や対局を考慮してくださり、初登板に関しては本人の希望を尊重すると打診されていたらしい。

「初日に出て注目浴びた方がよくない?」

浅見「さすがに緊張するから3日目にしてくださいって言った!」

2日目は所属団体のリーグ戦と被っており出場できないことがわかっていたので、最初の登板は2023年9月26日の1戦目となることが決まった。

ドリブンズは初日を園田・渡辺で2着3着、2日目をたろう・園田で3着3着と、ラスこそないもののトップもないため、暫定最下位になっていた。

そしてその成績に比例するかのように、どこかで聞いたような外野の声が聞こえだす。

「浅見を出さないとかドリブンズは何も変わっていない!」

本人の希望でこうなっているのを知っているので、こちらとしては「うちの妻がすみません」状態なのだが、周りはもちろんそんな事情は知らない。
チームがそんな事情を漏らすこともできるわけがない中、妻がすかさず行動を起こす。

空気の読める妻を持つと助かる。

そうこうして、ついに試合当日を迎える。

その日私は妻を起こさぬよう朝の支度をし、子供を保育園に送り届けそのまま仕事に向かった。

これは何も特別私が良い旦那を演じているわけではなく、橘家のルールの1つ
『その日対局がある人は好きな時間まで寝る権利を有する』
を忠実に守っているだけである。
当然私も対局がある日は好きに寝ている。麻雀プロと結婚して本当に良かった。

そして15時になると、対戦相手の発表がされた。

なんてこったい
 
よりによって新加入選手の中でも圧倒的注目度を誇る中田花奈選手の初登板と被るとは。
しかしこれはチャンスともいえる。
この注目されている卓で結果を残せれば、本人にとっても新生ドリブンズにとっても追い風になるに違いない。
 
やってやれ浅見真紀!
息子も応援しているぞ!

私も仕事が終わり急いで帰宅し、何とか対局の開始には間に合った。
息子を見てくれていたお義母さんと息子と3人で試合を観ることに。

お義母さんは出発前の真紀と話すことができたようだ。
そしてしっかりお昼過ぎまで寝ていたことも報告してくれた。
当日も緊張していたはずだが、ここでお義母さんと話すことでリラックスできたのと、
しっかりお昼過ぎまで寝られたのは大きい。

あとは麻雀で結果を残すだけだ。

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