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近畿WEIN図鑑 #3 髙橋稔英

プロフィール
髙橋 稔英(たかはし なるひで)
東京大学大学院卒業、オクラホマシティ在住。
商社に勤めながら資格試験の勉強や論文の発表など、自らが描く将来像、幸せを実現するべく様々な挑戦をしている。2児の父親でもあり、休日は家族との時間を大切にしている。

現在はアメリカのオクラホマにお住まいなんですよね。お仕事内容を教えてください。
ヨウ素というX線造影剤やうがい薬の主原料である化学品を製造する会社に出向という形で、2年半前の2018年4月からオクラホマで生活しています。
主な業務は、ヨウ素を如何に効率よく生産するかという内容です。ヨウ素は地下約3000m(約3億年前の地層)の地下水に含まれていて、シェールガス、石油などと同じく、井戸を掘って地下水を汲み上げています。井戸から汲み上げた地下水の中にヨウ素が含まれていて、酸化還元反応を使って濃縮、精製していくのですが、その効率化を進めていて、エンジニアに近い仕事もしています。
今年入社8年目で、3年目までは医薬品原料の輸出入や三国間貿易、海外の医薬品ベンチャー企業とのライセンスビジネスを担当していました。
その後、ヨウ素を取り扱う部署へ異動になり、はじめは中国やインドへのヨウ素の販売を担当し、現在は製造や経営の勉強をしています。

経営の勉強ということは将来は起業も視野に入れておられるのですか?
色々なパターンを考えていて、企業勤めで副業として起業したり、米国公認会計士が取れれば、その道でキャリアを積んで新しい技術のベンチャー企業の財務担当として参画したり…など、いろんな選択肢を持てるようにしたいなと思っています。

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どんな選択肢が持てるか楽しみですね。学生時代のことをお伺いしてもいいですか?
大学は理学部でした。高校時代から生物や化学が好きで、生命科学や応用化学、農学系にも興味を持っていました。
生前の祖母が消化器官の難病を患っていて、それが高校卒業後の進路を決めるタイミングに重なって、健康や医療に貢献する仕事に就きたいと思い、生物科学科を選びました。

大学院では何を勉強されていたのですか?
医薬やバイオテクノロジーの特許に関してです。
大学4年生時は、構造生物学研究室で2型糖尿病の新薬になる可能性のある産学共同研究に携わり、企業と研究を進めていく中で特許や弁理士の存在を知りました。
研究者として1つのことを極めて行くことがどれだけ難しいかを同時に感じていた時期でもあり、そこで医薬やバイオ系に強みのある弁理士になりたいと思い、東大大学院のバイオ知財コースに進学しました。
結果的に弁理士にはなりませんでしたが、昨年は大学院時代の准教授と共著論文を書いて専門誌に掲載されるなど少しですが活動は続けています。

高校生活はいかがでしたか?
高校時代は剣道部の主将をしていました。
非常に厳しい伝統のある部活で、公立高校の中では上位に入るレベルでした。
文武両道をモットーに、勉強も部活も学生生活も一生懸命にという環境を先生方が作ってくださっていて、とてもいい校風でした。

伝統のある剣道部で主将を務めるのは大変そうですね。
当時は、自分の限界を超えろ!という稽古を毎日していました。
入部当初は基礎が全然なってなくて、ギリギリついていけてるという感じだったのですが、「やると決めたことはやり切りなさい」という母の教えのおかげで、毎日毎日自分を越えていくということを続けられました。
そして1年生の夏、3年生が引退するタイミングの新チームでレギュラーになり、それからは部のみんなを引っ張っていくという意識を持って打ち込みました。
試合で大きな結果を出すことはできなかったですが、今でも連絡を取り合う仲間ができたり、1つのことをやり抜く経験ができました。
引退時に顧問の先生やチームのみんなから掛けてもらえた言葉は忘れられません。めちゃくちゃしんどかったですが、めちゃくちゃ輝いている高校生活を送れました。

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大学では稽古の厳しさが嫌になりテニスサークル入ったが、社会人になり剣道を再開。現在、五段取得に向けて稽古を続けている。
写真は、オクラホマで教えている生徒さんと。

高校生活での経験は何かに活かされていますか?
今に繋がっているなとよく思います。
高校のサッカー部顧問の体育の先生からは「ONとOFFの切り替えの大切さ」を教えてもらいました。やるときは集中して没頭するし、やらない時はやらない!ということは今でも意識しています。そして高校生活を頑張れたことで、大学院や会社でも自分らしく物事をやり抜きたいと考えられられているし、次のステップ、成長に繋げられていると思います。

今までの人生で大きな出会いってありましたか?
要所要所で大きな出会いがあって、その度に引っ張り上げてもらえているというか、うまくステップアップできて今があるなと思います。
出会いに恵まれてきました。特に中学時代の塾の先生の指導が自分に合い、自分なりの学習法が身に付いて、結果的に志望校に合格することができたことが自信に繋がりました。
それから高校に入り、階段を1つ1つ着実に登ってきたという実感があり、この経験がコツコツと続ける粘り強さとなり、自分の個性になったと思っています。

現在挑戦していることはありますか?
3年くらい前からアメリカの公認会計士の資格取得のために勉強をしています。
現在の仕事とは分野が全然違うのですが、なにかひとつのプロフェッショナルではなく、広くある程度なんでも分かるゼネラリストを目指しています。
冒頭でお話したように何か1つを極める大変さを感じてきて、例えば5段階のうち、5に近い4がより多い人になりたいというイメージです。
今は業務の中で化学品の製造や販売の勉強ができているので、経営や会計に関しても勉強したいと思い資格の勉強を始めました。

日本の公認会計士試験は難関だと聞きますが、アメリカではどうなんですか?
日本の公認会計士試験の方が難しいですが、米国の公認会計士の試験も範囲は広く英語なので難しいです。(苦戦しています)
4科目中3科目は合格していて、あと1科目を今年の12月末に受験予定です。

もともと英語は得意だったんですか?
英語は大学院卒業するまでは全くできませんでした。英語が話せるようになったのは入社してからです。ただ、今も全然得意ではないです。(笑)

米国公認会計士の資格取得後はどうされますか?
もちろん今の会社でのキャリアも描きつつ、コンサルティグ会社や、医療関係のAIを使った画像解析などの最先端の技術を使って新しいものを生み出す会社でのキャリアにも興味があります。
データサイエンティストがやるような統計解析もやりたいですね。
経営に興味があるので、海外のビジネススクールに通いたいです。世界のトップ50くらいのビジネススクールには世界中の面白いことをやりたいという人が多く集まっていて、その過程の中で新たな出会いもあるのかなと期待もあり、やってみたいことの中のひとつです。

WEIN隊に入られたきっかけはなんですか?
前から好きだった本田圭佑さんがWEIN挑戦者FUNDを立ち上げられたのをニュースアプリを見て知ったことがきっかけです。
溝口さんは存じ上げませんでしたが、勤務している会社も健康事業に力を入れているので競合としてFincは知っていました。
自分のテーマとして思っている「医療と健康」と「挑戦」が結びついたのと、本田圭佑さんが携わられているというので興味を持ちました。
自分でも色々とやりたいことがあるのですが、新しく何かを始める方々を応援する環境を作る考えに共感し、是非関わりたいと思いました。出資にも興味があります。

実際に入られていかがですか?
溝口さんのお話は常に社会に対してどういう価値を生み出すか、そのためにはどういう環境が必要かなど、理念やあるべき姿を語られていて、視座が高くて本当にそうだなと、改めて認識することばかりです。
武田双雲さんや他の方のお話も色々聞かせて頂くと原点に帰るというか、元々はそのように考えていたはずのに、つい目の前のことに気を取られてしまいがちだなと思わされることが多く、すごく刺激になっています。
Twitterでも心に残る言葉ばかりですね。忙しく生活している中で忘れてしまったり、諦めてしまっていたり、現実の中で自然と抑制されてしまうようなことに負けてはいけない。信念や意志を強く持ち続けて、壁に当たっても負けずに挑み続ける。というような言葉が刺さります。
あと、Twitterで自分がつぶやいた時に溝口さんにイイねってしてもらえた時はすごく嬉しかったです(笑)

WEIN隊、近畿部隊でやりたいことはありますか?
具体的になにかの案件が始まった時には是非応援をしたいです。応援部隊の一員として先頭に立って応援します。
あと、応援してもらいたい方の説明会やアプローチする場があればできる限り参加したいです。そこでもし改善点などがあれば率直に意見したいし、より良くするためにはどうすればいいかということを一緒に考えたいですね。自分ごととして、どうすれば面白くなるかなどを考えるのができることかなと思っています。もしアンケートとかアプリのフィードバックなど必要なことがあればいつでも言ってほしいです。

最後に。
WEINに入ったことは人生の充実や幸福に繋がっていると思っています。
今のままでは社会に対してとても小さなインパクトしか与えられないかもしれない。でも少しずつでも多くの挑戦の種に関わることで、例えば将来みんなが使うインフラの一部を担うことができたらより幸せに思えるかなと思っています。
WEINの中には絶対面白い人がいると思うので、そういう人と繋がっていきたいです。

ライター:大槻真実


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