理系院卒から文系就職した理由&理系でも文系就職するべき人の特徴6選
このnoteは、現在理系の大学生or大学院生でありながらも「自分は文系就職するべきか?」と悩んでいる方に向けて書きました。
はじめまして、きんじょといいます。
現在は教育系企業でWebマーケターとして会社員をしつつ、副業としてフォロワー2万人のTikTokで発信をしたり、ブログを書いたり、たまにこのnoteを書いたりしています。
今の会社には最も一般的な「総合職」の枠で就活をし、入社しました。一斉に入社した後に営業職やマーケティング職に配属される、いわゆる文系就職という形です。
そんな僕ですが、実はゴリゴリの理系出身です。
大学は工学部の機械工学系の学科に入学。
そのまま大学院にも進学。大学院では材料工学の研究をし、学会発表も積極的におこなっていました。
しかし修士1年になって就活をスタートした僕は、途端に「果たして自分はこのまま理系職(技術職、開発職、研究職 etc)として働けるのだろうか?」と深く悩み始めます。
工学系の大学院生が理系就職することは、もはや当たり前。
僕の大学でも、トヨタ、日立、村田研究所、川崎重工、クボタなど、名だたる日系メーカーへの推薦枠が確保されていました。
日々の研究をそれなりにやっていれば、基本的に就活で苦労することはないのです。
もちろん、研究室の先輩たちも例外なくメーカーに理系就職していました。僕の同期も結局、9人中僕を除く8人全員が理系就職していきました。
しかし、どう考えても自分がこの先理系職として生き生きと働いている未来が想像できない。
当時の僕は心配になってネット上の記事や動画を漁りまくりましたが、「理系大学院まで進学した挙句文系就職をした人の体験談」なんてものは、ほとんど見つけることができませんでした。
もしかして僕は、異例すぎる決断をしようとしているのではないだろうか?
……と、悩みに悩みながら、最終的には上述のように文系就職することを決断。
そしてこれを書いている今、新卒就職をしてからちょうど3年が経ちました。
あの時の決断は、本当に苦しく、難しいものでした。
僕を苦しめた大きな原因の一つは、実際に理系から文系就職をした人のリアルな声の少なさでした。
もっと世の中に理系から文系就職をした人の声が落ちていれば、あんなに思い詰める必要はなかったのに。
もしかしたら当時の僕のように、今まで理系の学問を積み上げてきたはいいものの、就活生になった途端文系就職するべきか悩んでいる、そんな学生もいるかもしれません。
そんな学生の方に向けて、1つのサンプルとして僕のリアルな声をお届けできればと思い、このnoteを書くことにしました。
世の中の仕事を理系職・文系職に二分するのはやや乱暴な気がしますが、この記事では"理系学生がレールから外れる職業選択"をテーマに、下記のような分類をイメージしています。
※プログラマーやWebデザイナーなどのIT系職種は分類が難しく職種の傾向も特殊であるため、今回は省いて考えています。
このnoteの構成は下記のようになっています。
【自己紹介】編では、主に高校時代から大学院時代までにかけて僕がどのような意思決定をしてきたかを説明します。
ここで自分語りしたところで読んでいるあなたにメリットはないのですが、高校〜大学で形成された僕の価値観はその後に展開していく本題の前提になるので、情報を取捨選択しながら書いています。(それでも興味がないという方はもちろん読み飛ばしていただいて結構です。)
【文系就職を決めるまで】編では、このnoteの本題である「僕がなぜ理系院卒から文系就職を決めたのか」という本質的な理由について迫っていきます。
シンプルに「理系職種に興味が持てなかった」というネガティブな側面と、「文系職種に興味があった」というポジティブな側面に分けられます。
その2つに分けて章を構成しています。
【文系就職した後のリアル】編では、実際に文系就職という形で新卒入社してから3年が経過した今のリアルをお伝えします。また、ここでは自分の話だけでなく「理系就職した友人たちのリアル」についても、同窓会や研究室の飲み会で耳にした話をベースにお伝えできればと思います。
【文系就職を成功させた就活メソッド】編では、参考までに、僕が理系大生という立場からどのようにして文系就職を成功させたのかという具体的な方策について解説したいと思います。研究で忙しくて時間もないし、周りから情報も入りづらい。そんな中どのように就活を進めていけば良いのか、僕なりの意見を書いています。
結構書くのが大変で推敲含め1か月程度かかったので、申し訳ないですが自己紹介編以降の内容については有料とさせてください。逆に言えば、今将来に迷っている方には必ず何かしらの参考になる内容に仕上がったと思います。
【自己紹介】マジメにレールの上を歩んだ学生時代
周りについていくのに必死だった高校時代
小中とそれなりにマジメに勉強をやっていたおかげで、高校は県内の進学校に入学することができました。
中学では成績top5くらいには入っていたものの、かなりギリギリでの合格だったため高校は下位からのスタートでした。
毎日課せられる予習のボリュームが多く(特に数学)、テニス部の活動を終えた後は毎晩24時頃まで机に向かう日々。
とてもしんどかったですが、将来については特に心配することはなく、常に安心感があったのです。
それは、そもそも周りのレベルが高いため、頑張って周りについていけば自分もそれなりのレベルになるだろう、という安心感です。
高校2年生に上がるときの文理選択。僕の高校では8割ほどが理系を選択します。
まだ自分のやりたいことがわからなかったことに加え、「文→理への転生は難しいが理→文なら後からでも変えやすい」と聞いたので、理系を選択。
周りについていくためにコツコツと勉強を続け、成績も少しずつ上がっていきました。
そして高校3年生。運良く、学年でもっとも成績の良い理系クラスに所属します。
「このクラスメイトたちについていけば将来は明るいんだ…!」という、さらなる安心感。
志望大学もクラスメイトたちと同じ大学に設定。
志望学部は、彼らのほとんどが工学部志望でした。特に学びたいこともなかった僕も、一応工学部を目指すことに。
放課後、6人くらいの仲間たちと教室に残ってわからない問題を教えあいながら勉強する毎日。まさに青春、「受験は団体戦!」の体現です(笑)
振り返ると、ひたすら周りについていくことだけを考えた高校生活。
周りにロールモデルがいるということは、とても楽でした。
自分のことについて考えたり、将来やりたいことについて考えたりする作業が省けるからです。
しかし、この作業をサボってしまったツケは後からやってくるのでした。
大学受験の失敗。逆に周りとは違う存在になりたいと思うように
大学受験本番。一緒に受験勉強をしていたクラスメイト6人の中で、僕だけが落ちてしまいました。
とてもショックでしたが、うちの高校では浪人する人も多かったので、僕も浪人を選択。
「まあ、もう1年頑張ってクラスメイトたちに追いつけばいいや」というマインドでした。
それから1年間、予備校に通って春夏秋冬ひたすら勉強を続けました。
しかし翌年の受験本番、またしても不合格に。
結局、後期試験で滑り止めで願書を提出しておいた、特に行きたくもない大学に1年遅れで入学することになりました。
大学入学後。正直、明らかに周りとの学力差を感じてしまいました。
僕にとっては滑り止めでも、その大学を第1志望に見据えてなんとかギリギリで合格したような1つ年下の人たちと、横並びで講義を受けるのです。
(もちろん、人として下に見ていたとかそういうことでは一切なく、尊敬できるところはたくさんあったし、プライベートでも楽しく遊びました。あくまで学力面での話。)
そこで気づいたのが、周りにロールモデルがいない、ということです。
今までは、自分より上のレベルの人たちに常に囲まれていた僕。
しかし大学入学後突然、目指す指標を周りに見失ってしまったのです。
そう、受験勉強に費やしてきた努力量だけで言えば、一緒に入学した学部同期の中では僕の方が2〜3倍頑張ってきたことは間違いありません。
ここで堕落して周りのレベルに染まってしまうと、浪人してまで重ねてきた自分の努力が全て水の泡になってしまう。
こうして大学生になった僕は、逆になるべく周りとは違った存在になろうと邁進するようになったのです。
多くの理系学生が持っていない文系スキルの取得を目指す
周りとどう差別化を図るか考えた時に、理系の学生が苦手にしがちなこと(=文系っぽいこと)を得意にしてやろう、と考えました。
まずは英語を得意にしようと考えました。受験英語はそこそこできましたが、話すことなんて全くできませんでした。そんな無謀な状態で、大学の英語ディベート部に入部。ディベートはハッキリと勝ち負けがつく競技なので、スピーキングができないと文字通り話になりません。練習を重ねていく中で、なんとか少しずつ英語を話せるようになっていきました。
次に、文系スキルの筆頭として挙げられる"営業"ができるようになりたいと考えました。どちらかというとコミュ障だった僕は意を決して、教材を売る訪問営業のアルバイトを始めました。1件1件自分の足で家庭を訪問し、小中高生の子を持つお母さん、お父さんに営業をかけます。給料は歩合制で、売れれば売れるほどお金がもらえる仕組み。とてもやりがいがありました。
僕が大学時代に学業の外で頑張ったことといえばこの2つだったのですが、これらの経験を通じて自分に共通した気づきがありました。それは、
・「自分のアイデアを伝えることで人の感情を動かすこと」が好き
・「自分の努力した結果が数字で返ってくること」が楽しい
ということです。
すでに学部生の頃から「もしかして文系就職したほうが良いのかな…?」とは考え始めていましたが、院試免除者に選抜してもらっていた僕は、そのまま大学院に進学します。
「自分の研究に対する適性も大学院に進んでみないとわからないんじゃないか?」という考えがあったのも理由の一つです。
(また、実はちょうど学部3年生の頃に病気を発症してしまい、1年間ほどまともに動けず就活ができなかったという事情もあります。)
ここまでが僕の高校〜大学時代の話。
ここからは本題である「何をどう考えて理系院卒から文系就職を決めたのか」について詳しく解説していきます。
【文系就職を決めるまで】大学院まで進んで理系就職をためらった理由
僕が文系就職することを決意した理由には
理系就職に対して興味を持てなくなった、というネガティブな理由と、
文系就職に対して強い興味を抱いた、というポジティブな側面があるとお伝えしました。
この章では前者について、下の5つの側面から考察していきたいと思います。
理系就職の職人的側面について
ここから先は
¥ 1,980
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?