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【読書】2020年11月に読んだ本まとめ

こんにちは!

今回は、先月一ヶ月間に読んだ本について記事を書きたいと思います。この一ヶ月で読んだ本まとめは、本を読むだけで満足したり、冊数を読むことに傾斜しないためにも定期的にやっている試みです。それでは、早速みていきましょう!


読んだ本まとめ

一ヶ月に読んだ本は以下の通り。

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総評

一ヶ月で読んだ本は34冊。その内訳は以下の通り。

- 小説・エッセイ → 4冊:国内2冊、海外(翻訳)2冊
- その他→ 30冊

11月の読書冊数は34冊。10月は35冊だったので、微減の方向ですね。ここのところ、明らかに仕事が忙しくなってきて本を読む時間は減っているので、まあこんなもんかなという感じです。とはいえ、なんだかんだできちんと一日一冊は読んでいるので、習慣の力は偉大だなと。

先月も書いたとおり、一冊一冊の密度が減っているのは否めない感じなので、そこだけはちょっと気をつけたいところですね。とはいっても先月よりは考える時間は増えたかなーとは思います。このあたり、仕事の忙しさとの折り合いのつけかたが多少は見えてきたという話なのかも知れません。


今月のマイベスト小説&ビジネス書

毎月恒例となっていますが、その月で最も印象に残った小説・ビジネス書を紹介します。

小説部門

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先月のマイベスト小説(というかエッセイ・自伝ですが)「ご冗談でしょう、ファインマンさん」です。小説というわけではないですが、個人的には小説とエッセイはわりと同じカテゴリーとして位置づけているので、まあ良いでしょう。

この本はノーベル賞をとったことでも有名な物理学者・ファインマン氏の半生を描いた自伝的エッセイです。一部ノーベル賞を受賞した時の話があったり、研究者としての顔がみえたりする逸話が多いですが、全体として見た時の印象としてはおちゃめなおじちゃんといった印象ですw 研究者的な堅苦しさは全く無く、とにかく破天荒で面白い!

ファインマンさんの趣味的な話が多かった印象で、とにかく幼い頃からいろいろなことをやっている人だなぁって感じです。一通り読んだ時の感想は、とても一度の人生の体験とは思えないというものですw それだけ内容が多岐にわたっており、いろんなことにどんどんチャレンジする人だったということが伺えます。

具体的には、ラジオの修理や金庫破り、暗号を使った会話から絵画、ドラム叩きなどなど、とにかく多種多様です。全体的にエンジニアリング的なものが多くはありますが、それでも芸術的な方面にも造形が深く、とにかくすごい。絵画については、実は別名義でそこそこの値段で売っていたというのだから驚きです。

物理学であれだけの偉業をなしとげながら、プライベートも満喫しきっているあたり、本当に天才的な人だったのでしょう。まあ、プライベートで色々な体験をしているからこそ本業で成功を納めたとも考えられるので、ひよこが先かにわとりが先かははっきりとしないのかも知れません。いずれにしても、失敗を恐れずに色々なことに挑戦することの重要性を教えてくれる本でした。


ビジネス書部門

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先月読んだ本の中で、最も印象的だったのがこちら。エドワード・カストロノヴァという方の『「仮想通貨」の衝撃』。仮想通貨というと、どちらかというと実利的と言うか、よくも悪くも浅い言説が飛び交っていると感じていますが、こちらの本は「そもそも貨幣とは何なのか?」「経済とは何なのか?」という問いを突きつけており、非常に本質的な議論がなされていると感じました。

2020年現在、「仮想通貨」というとビットコインのような所謂「暗号通貨」と呼ばれるブロックチェーン技術を用いた貨幣を指すことが多いとは思いますが、この本で扱っている「仮想通貨」はそれに限ったものではありません。いわゆる特定の店やグループ、サイト等で使えるポイントやオンラインゲームのお金なども含めて考察しているのが特徴です。個人的に面白いと思った事例が、トレーディングカードゲームの元祖「マジック・ザ・ギャザリング」において、オンライン版のカードをリアルのカードに変更できるというサービスで、これがヴァーチャル貨幣とリアル貨幣の仲立ちをしているという話です。言われてみれば、「たしかに」といったところですね。ある意味、公式の「リアルマネートレード」と言えるのかも知れません。

また、この本の核心となる主張は、「そもそも貨幣とはヴァーチャルなものである」という部分だと思います。歴史的に、金や銀を共通価値として経済活動がなされていたという話は承知のとおりですが、『「その価値がその物質としての使い道とあまり関係ないもの」という点で、金と銀はほとんどバーチャルな通貨といえるだろう』というわけです。そして、『この議論から導かれるのは、「金属の貨幣と仮想通貨の間にも大した違いはない」ということだ』この部分が仮想通貨を考える上で重要なポイントになることは間違いないでしょう。

あと個人的に印象的だったのは、仮想通貨の欠点としては「他の人に直接移転できないこと」、そして「貸し出しに使える資金となるようには設計されていないこと」という話です。アマゾンポイントをギフト券という形で他人に渡すことが出来るように、直接移転がまったくできないというわけではないですが、まだまだそれがそこまで一般的でないことからも上記の事実はわかるでしょう。また、資本主義経済の核心となる「貸付によるレバレッジ」が効かせられないというのが現時点での仮想通貨の限界だと思います。

逆に言えばそれが出来るようになると仮想通貨の位置づけは大きく変わるだろうことは想像に難くなく、おそらく仮想通貨で直接移転や貸付ができる仕組みは世の中の仕組みを大きく変えるポテンシャルをもっているでしょう(余談ですが、ブロックチェーンについてちょっと知っているかたならば、そのひとつの解としてイーサリアムにおけるスマートコントラクトがあることに気づいた人もいるかも知れません)。それが出来るようになると、銀行などの既存の金融機関の持つ意味も変わってくるでしょうし、なによりも税金や法律をバイパスして取引や事業を起こすことができるようになるため、国家運営や社会構造全体としても大きく影響を受けるでしょう。

個別の話についてここで深く言及するつもりはありませんが、そういったことを考える上で非常に参考になる一冊だと思いました。日本においては、仮想通貨はまだまだ株や証券のような金融商品としてしか認識されていないところはありますが、経済全体や、果ては社会構造全般まで大きく揺るがすポテンシャルをもつものだと思います(それが良いか悪いかは別として)。それを考えるきっかけとしてもオススメの一冊です。


ラノベというジャンル

先月のトピックとしては、読書会で紹介してもらったことをきっかけに読んだ「狼の香辛料」についてですね。ライトノベルの類は10年前くらいの頃に「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズを読んだことくらいしか記憶にないので、なかなかに新鮮な体験でした。このように、自分のアンテナの外側の本を知るのが読書会を開催している意味でもあるので、そういう意味でうまくそれが機能したかなといったところです。

特に「狼と香辛料」に関して言うと、経済を扱った作品だということで、上に書いた『「仮想通貨」の衝撃』に通じる部分も多くて、そういった意味でも楽しく読むことができました。この作品は中世ヨーロッパのような世界観における商人の活動を描いたものですが、まさに金や銀を通貨として扱っていたりするので、上記に書いたような文脈で考えてみると「通貨」や「経済活動」の新たな側面も見えてくるように思いました。

また、なによりも読みはじめるハードルの低さが良いですね。すでに何度か書いているとおり、ここのところちょっと忙しい時期が続いているので、ごりごりのハードSFにはなかなか手を出せていないので、こういう手に取りやすいものを読むというのが良いリラックスになっている気がしますw ハードSFはそれはそれで頭を使って読む面白さがあるわけですが、そればかりだと疲れてしまうのでw、ライトノベルなどもたまには読んでもいいかなと思いました。


まとめ

今回は11月に読んだ本のことについてまとめてました。なんだかんだ、こうして振り返る機会を設けることで考えさせられることも多いので、これからも毎月継続していくつもりです。

それでは、また!


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