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【読書】2020年5月に読んだ本まとめ

こんにちは!
今回は、先月一ヶ月間に読んだ本について記事を書きたいと思います。この一ヶ月で読んだ本まとめは、本を読むだけで満足したり、冊数を読むことに傾斜しないためにも定期的にやっている試みです。それでは、早速みていきましょう!

読んだ本まとめ

一ヶ月に読んだ本は以下の通り。

本リスト1

本リスト2

本リスト3

本リスト4


総評

一ヶ月で読んだ本は36冊。その内訳は以下の通り。

- 小説・エッセイ → 3冊:国内1冊、海外(翻訳)2冊
- その他→ 33冊

5月の読書冊数は36冊。4月は34冊だったので、読んだ冊数としては微増したかたちになりました。まあ、5月は4月より一日多いことを考えると、ほぼ誤差と言って良いレベルでしょう。むしろ、連休があったことを考えると読書に費やす時間(特に小説)は減っているのかも知れません。

先月と同様に一時期に比べれば、読んだ冊数自体はだいぶ減っているものの、その分別の活動(主にこのnoteに書いているパソコン関係とその記事の執筆)に時間を使っていると考えれば、それはそれで良いと思っています。最低限は読めていますし(それでも一般的に考えれば十分多いのでしょうが)、きちんと毎日読書をする時間自体は確保できています。

またしばらくしたら読書量は変わってくるのかも知れませんが、とりあえず今はそういう時期と考えればいいでしょう。なかなか本屋に行けなくて、なかなか新しい本が見つけづらいと言うところも影響している気もするので、自粛解除の雲行きによっても変わってくるのかも知れません。


今月のマイベスト小説&ビジネス書

毎月恒例となっていますが、その月で最も印象に残った小説・ビジネス書を紹介します。

小説部門

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先月マイベスト小説は有名なイギリスの風刺小説「ガリヴァ旅行記」。正直言って、今月は小説があまり読めていなかったこともあり、いつもに比べると「これは面白い!」と思う小説がなかったのですが、その中であえて上げるならこの本ですね。

舞台は大航海時代のヨーロッパ。ご存知の方も多いと思いますが、そのストーリーは主人公のガリヴァが富を求めて海に繰り出し、世にも奇妙な文明の数々と交流していくというもの。小人の島や巨人の島はよく知られていると思いますし、この小説に出てくる空飛ぶ島「ラピュータ」がジブリの元ネタになっている話も有名ですね。

ストーリーだけ聞くとロビンソンクルーソー的なサバイバル物を想像しがちですが、そうは問屋がおろさないのがこの小説の面白いところ。僕自身もすべての元ネタを知っているわけではないですが、とにかく当時の人間社会を痛烈に皮肉っており、これでもかというほど人間をおちょくっているのがこの本における最大の特徴です。むしろ、風刺小説の代表作としての知名度のほうが高いかも知れません。

翻訳の上手さもあるとは思いますが、とにかく皮肉がキレッキレで読んでいてなかなか痛快ですw もちろん、糾弾されているのは読者である自分も含めた人間社会なわけですが、ここまでボロクソに言われると、もはや笑いしか出てきませんw 個人的にはこの小説が当時から人気を誇っていたことが興味深いと思っていて、当時の人々も薄々感じていたことをブラックユーモアを交えて描ききったことがココまで有名な作品になった所以かなぁなんて思ったりします。

ただ、当時の社会ではキリスト教的「人間中心主義」が支配的だったことを考えると、筆者がここまで人間を相対化して観察しているのにはちょっと驚きです。ダーウィンの種の起源より更に100年近く前の時代において、「とある獣が人間より崇高な存在である」などという主張が描かれていたというのは改めて考えると結構すごいことな気がします。

とまあ、そんなあたりも含めて長く語り継がれる作品なんだろうなぁなんて思ってしまいました。後半になるにつれてストーリー性が薄れてきて、むしろ人間批判が中心になってくるので、人によって好き嫌いは別れるかも知れませんが、ブラックユーモアが好きな人であれば楽しめる一冊だと思います。


ビジネス書部門

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今月のマイベストビジネス書は「ユニケージ原論」という本です。僕が読み終わった時点で読書メーターの登録数が10という、全然有名ではない一冊ですが、個人的には読んでいて非常に面白い一冊でした。正直言って人におすすめできるかというと微妙なところですが、とりあえず、僕自身は読んでいてとても楽しかったですw

この本はKindle Unlimitedのサブスクリプションで見つけて読んだ一冊です。ここ最近の僕のnoteを読んでいる方ならご存知かも知れませんが、僕は最近LinuxというオープンソースのコンピューターOSにハマっていて、「Kindle UnlimitedでLinuxに関する本はないかなぁ」と思って検索したときに見つけました。なんと新品だと4400円というなかなかのお値段。僕はUnlimitedで読んでよかった本は紙の本でも買うようにしているのですが、流石に値段が値段だったので中古を買うことにしました(それでも2000円くらいはしましたw)。

そもそも「ユニケージ」とは何かというと、情報システムの開発手法の一つらしいです。「ユニケージ」に「ユニ」は「UNIX」(LinuxのベースとなっているOS)と「ユニーク」から来ており、「ケージ」は「パッケージ」から来ているそうです。僕はシステム屋ではないので詳しくはわかりませんが、おそらく情報システムの常識から見るとあまりにも特異的で、正直言ってこんなシステムが本当に使えるのかと思ってしまうような開発法だと思います。しかし、実際に「無印良品」などの企業で採用されているというのだから驚きです(2020年現在もつかっているのかどうかはわかりませんが)。

何が特徴的かというと以下の二点に集約できると思います。つまり、「1. プログラムの殆どをシェルスクリプトで記述する」「2. データベースを使わない」の2つです。プログラムに触れたことのない方からすると1は少しピンと来づらいかも知れませんが、2のデータベースを使わないというのが常識を逸脱しているのはなんとなくわかると思います。

この本のなにがそんなに面白かったのかというと、この「ユニケージ」の背後にある思想です。システム開発として現実に使えるものなのかどうかはちょっと僕には判断できませんが、少なくともその背景にある考え方は、現代の問題意識として極めて的を射ていると思いました。

上記の2つの特徴が示しているように、この開発手法の根底にあるのはDOA(Data Oriented Approach:データ指向アプローチ)からの脱却です。データベースの型が先にあって、それに合わせてシステムが駆動していくというのが現代のほとんどのシステムの特徴だと思いますが、そのアプローチに対するアンチテーゼだと言ってもいいでしょう(データベースを使わないことがまさにそれを象徴しています)。

仕事でもプライベートでも良いのですが、何らかの情報システムを使っていて「入力フォームにあっていない入力をしてしまったので、システムに弾かれてイライラした」という経験は誰しもがあることだと思います。必要な欄を埋めていない、半角と全角が間違っている、などですね。それが何を意味するかというと、人間の側が機械の都合に合わせて振る舞う必要があるということであり、これがDOAが持つ本質的な欠点です。データの型が明確に決まっているので、それに合わせたものしか受け入れることができないわけです。

これは少し拡大解釈なのかも知れませんが、僕はこのことはそのまま近代以降の人類が抱えている課題と相似していると思いました。人間のために機械が発明されたにもかかわらず、人間が機械に使われている側面があるといえばなんとなく納得しやすいかも知れません。上記のDOAで言うならば、人間の仕事を楽にするためにシステムを開発したにもかかわらず、逆に人間の側がシステムの制約を受けてしまうという構造です。このような逆説の源泉がDOAにあるとすると、データベースを使わず、シェルスクリプトのコマンド(手続き=動詞)指向のアプローチもありなのではないか、と考えるのはなかなか理にかなっているように思います。

詳細に踏み込むと長くなりそうなので割愛しますが、そういった意味も含めて、非常に示唆に富む一冊だったと思います。今後このようなシステム開発が主流になることはあまりなさそうではありますが、そこから得られる洞察・インスピレーションは少なくないと感じた本でした。


テクノロジーとプログラミング

先月に読んだ本を振り返ってみると、テクノロジー系やプログラミングなど本がいつもより多かったなという印象です。上で紹介した「ユニゲージ原論」もそのうちの一つですね。これは最近noteに書いているようにパソコンを色々といじり始めた影響が大きく、これに引きづられる形でその関連本が増えている感じですね。

プログラミング系の本は、まずはKindle Unlimitedで気になるトピック(「Linux」、「Python」、「Git」など)について検索してみて、入門書的な本をさらっと読んでみるという形が多いです。プログラミング系の本って基本的にあまり安くないですし、かと言ってネット上の情報は断片的なものが多くて、基礎全体を説明してくれているものがあまり多くないので、まずKindleで入門書を探してみるってのは悪くないと思いました。

もちろん、本によって質のちがいというのもあるとは思うのですが、正直言ってそこはあまりナーバスになる必要もないと思っています。もともとプログラミングや情報工学の基礎の部分は大学でやっているので、多少質が悪くても全く理解できないということはないですし、基本的な部分は説明の質でそこまで差がつくようなものではないですしね。まずはこういう形で手軽に全体感を把握した上で、自分でコードを書いてみたり、教科書的な肉厚の本を読んだりしながら理解を深めていくという形は結構効率が良いと感じます。

まだそこまで詳細なコーディングについての記事は書いていませんが、そのうちこのnoteでも書いたプログラムについては公開していきたいと思っています。こうやって、本をきっかけに色々と興味の範囲を広げていくという、なかなか良い循環ができているのではないかと思います。


まとめ

今回は5月に読んだ本のことについてまとめてました。なんだかんだ、こうして振り返る機会を設けることで考えさせられることも多いので、これからも毎月継続していくつもりです。

それでは、また!

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