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【読書】2020年9月に読んだ本まとめ

こんにちは!

今回は、先月一ヶ月間に読んだ本について記事を書きたいと思います。この一ヶ月で読んだ本まとめは、本を読むだけで満足したり、冊数を読むことに傾斜しないためにも定期的にやっている試みです。それでは、早速みていきましょう!


読んだ本まとめ

一ヶ月に読んだ本は以下の通り。

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総評

一ヶ月で読んだ本は36冊。その内訳は以下の通り。

- 小説・エッセイ → 3冊:国内3冊(漫画含む)
- その他→ 33冊

9月の読書冊数は36冊。8月は37冊だったので、読んだ本の冊数的にはほぼ誤差の範囲内ですね。とはいえ、漫画二冊を含んでいるので、実態としてはちょっと減っている感じかなぁとは思います。

その理由ははっきりしていて、実は9月に仕事が変わったり引っ越しがあったりで、小説を読む時間が全然がとれていませんでした。。小説以外の本については変わらず1日1冊は読んでいたんですけどね。まあ、たくさん読むことが目的ではないので、これはこれで別に悪いことではないでしょう。


今月のマイベスト小説&ビジネス書

毎月恒例となっていますが、その月で最も印象に残った小説・ビジネス書を紹介します。

小説部門

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先月のマイベスト小説は、垣根涼介さんの「光秀の定理」です。今月は実質的にこの一冊しか小説を読めていないわけですが、もちろん消去法的にこの本を選んだというわけではありません。歴史をモチーフとした物語作品ということで、普段あまりこの手のジャンルは読まないだけに、新たな領域に目を向ける良いきっかけになった一冊でした。

主人公はタイトルにも出てくる明智光秀。なので、物語の時代としては戦国〜安土桃山時代で、物語の鍵を握る人物は(おそらく)架空の2人の人物。1人は剣術の達人でもう1人がやたら切れ者のお坊さんです。僕自身があまり歴史に詳しくないので詳細はわかりませんが、架空の人物が中心に添えられていることからも、おそらく史実にあっていない部分が多い作品だと思います。個人的には「歴史を描く」というよりは、「歴史を舞台にしたフィクションを描く」というスタンスなのかなぁ印象を受けました。僕はあまり歴史に詳しくないですし、歴史小説のあり方にこだわりがあるわけではないので特に抵抗なく読めましたが、このあたりは賛否分かれそうだとは思います。

物語の核になっている概念は、いわゆるモンティ・ホール問題と呼ばれる古典的な統計の問題。上手く説明するのが難しいですが、「三つのうち一つがあたりの選択肢からあたりを当てる問題で、一度どれか一つを選んだあとに出題者によって残った二つのうち一つの選択肢が棄却された時、選択肢を変えるべきか?」というやつですね(我ながらとてもわかりにくい説明ですねw)。詳しくはwikipediaをどうぞ。

統計学でベイズ推定(条件付き確率)と呼ばれる考え方で、しっかりと確率論的に解いていけば変えたほうが有利なのは明確なのですが、人間の直感というものはこういう問題をなかなか処理できないようです(基本的に人間の脳は統計処理がとても苦手です)。そのような人間の直感の盲点をついたような問題なわけですが、この小説ではこの確率論の問題が応用されているわけです。戦国における合戦でこの考え方を登場させるあたりは、なかなかアイデアがあって面白いなと思いました(おそらく、そのエピソードも史実ではないとは思いますが)。

歴史小説というとちょっととっつきにくいイメージがあったのですが、この小説は非常に読みやすく、歴史的な背景をそこまで深く知らなくても楽しめる内容だったので、僕の歴史小説の入門としてはちょうどよかったのではないかなと思います。もしこれを読んで興味をもったかたは、ぜひ読んでみて下さい!


ビジネス書部門

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今月のマイベストビジネス書は安宅和人さんという方の「シン・ニホン」という本です。比較的最近出版された本で、わりと話題になっている本でもあるので本屋などで見たことがある方も多いと思います。

内容としては、現代のトレンドであるAI x データサイエンス時代における世界全体の動きと現時点の日本の状況をデータを用いて紐解いていきつつ、これからの日本に必要なことや目指すべき方向性について論じているというものです。雰囲気的にはちょっと前に流行った落合陽一さんの「日本再興戦略」に近いですね。あとは、データを使いながら解説している感じは大前研一さんにも似たものがあるように思います。ただ、現状認識としては前者よりは悲観的で、これからについては後者よりは楽観的という印象ですねw

現代日本の問題点としてあげているのは、これからの時代ますます必要になってくるであろうデータの扱いに長けた人材が圧倒的に不足していること、そして地方や高齢者の負担が増えてきているため将来への投資ができていないこと。「優れた人材が育っていないのでグローバルな市場で価値を生み出せない→人材に回すお金がないので人材が育てられない→以下略」というような悪循環に陥ってしまっているわけですね。

そんな中でまず出来ることとしてあげているのが生産性の向上です。日本の生産性が他の先進国と比べて低いのは有名な話ですが、まずは他の国なみに生産性をあげることが急務だと述べています。「働き方改革」の推進が叫ばれていたり、「デジタル庁」の設立や政府における「はんこ」の廃止など、ここに来て急激にデジタル化をすすめる流れになっているのはそういう背景があるわけですね。逆に言えば、まだまだ向上する余地が大いにあるということなので、まずは当たり前にやるべきことをやるというのが必要なのでしょう。

つぎにデータ人材の育成です。個人的には今回のコロナ騒動で日本人のデータリテラシーについて思うところが有り、データを扱える人を増やさなければならないという主張には結構納得してしまいました。これはもちろん理系を増やせばいいという話ではなく、どんな専門であってもデータを扱えなければならないというのがその本質です。実際に他の先進諸国ではそれが当たり前になっており、筆者は「日本では理系の院卒を除けば、高等教育を受けたはずの人が基本的なサバイバルスキルを身につけていないまま新卒として世の中に出てくる状況になっている」と指摘します。

とまあ、細かく語りだすと長くなりそうなのであまり深くは述べませんが、今の日本の現状や、その中で自分が何をしたいのかを考えさせられる良い本だと思いました。

なによりも、特定の世代や組織を仮想敵にしたてることなく、これからすべきことに注目しているところが素晴らしいと思いました。この手の話になると今の状況をつくってしまった人たちを叩く方向にいきがちですが(個人的に大前さんはこの部分で失敗したのだと思います)、それをせず、いかに今のリソースでよりよい方向に持っていくかに注力しているところにとても好感がもてました(同じことは落合さんの日本再興戦略を読んだときにも感じましたが)。

おすすめです!


ビジネスの基本とものづくり

改めて読んだ本を振り返ってみると、9月のテーマは「ビジネスの基本」と「ものづくり」の二本でしたね。色々と生活の変化が大きく、あまりブックオフに行っていないのでKindle Unlimitedで読む本が多かったという都合もありますが、このチョイスについては他にも多少の理由があります。

「ビジネスの基本」に関しては、この記事の冒頭に書いたとおり、最近仕事が変わったことが影響しています。単純に人間関係が変わるのでもう一度仕事の基本を抑えておきたいという理由と、新しい仕事では「自分の作業」としての仕事だけではなく、もう少し大きな視点からビジネスを考えていくことが求められるので(要するにコンサル的な考え方が必要になる)、そういう意味でもきちんと復習しておこうといったところですね(あとは上記のシン・ニホンを読んで、データ人材の必要性を改めて認識したというのもあります)。

「モノづくり」についての流れについては、今月の途中に読んだ「メイカーズのエコシステム」が影響していますね。新しい仕事に関係する部分もなくはないですが、どちらかというと趣味的な興味がモチベーションになっています。もともとメイカーズの潮流自体は興味を持っていたのですが(実際にこのnoteでもちょくちょくそういう系の記事を書いていますし)、「メイカーズのエコシステム」を読んで改めて火がついた感じですねw 

最近の興味の対象は基盤を使ったネットワークの接続(要するにIoT的な仕組み)とRaspberry Piについてです。特にRaspberry Piについてはここのところ物欲がましているので、近日中に買ってしまう気がしていますw これまではArduinoと呼ばれる汎用マイコンやその互換機を中心にいじっていましたが、もうちょっと高度なことをしようとするとRaspberry Piの方が便利なので、そちらにも興味が出ている感じですね。ちなみに、Raspberry Piというのは主に教育用途を想定して開発された安価な小型コンピューターで、いまとなっては電子工作やサーバー用途など広範囲でつかわれています。仕様にもよりますが4000~5000円くらいで買えてしまうので、サーバー用途や電子工作用に何台か買いたいところですw


まとめ

今回は9月に読んだ本のことについてまとめてました。なんだかんだ、こうして振り返る機会を設けることで考えさせられることも多いので、これからも毎月継続していくつもりです。

それでは、また!

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