人工母乳・人工乳製品に気を付けよう!

この投稿はJoseph Mercola氏の2022年12月22日の記事(下記のリンクを参照)の抄訳です。
誤訳や訳漏れがある可能性がありますので、記事の内容を参考にする場合は必ず下記リンクの英語原文に依拠してください。
また、日本人に伝わりやすいように原文にはない文言や説明を追加している場合がありますので、ご承知おきください。
英語原文:


乳製品や母乳に代わる人工ミルク
 
寄稿者:Dr. Joseph Mercola
Global Research、2022年12月22日

グローバリストのテクノクラートが食糧供給全体を独占しようとしている。すでに遺伝子組み換え穀物を独占し、遺伝子組み換え魚介類に手を伸ばしている。そして次なるターゲットは、培養肉と人工乳製品だ。培養乳房組織から作られるBiomilqという人工母乳が現実になりつつある(注1)。
Helainaという企業は、「母乳に含まれるものと同じ」糖タンパク質を生み出そうとしている(注2)。これは、さまざまな乳児用粉ミルクに添加されるだけでなく、高齢者用の栄養食品、そしてやがてはあらゆる食品に使用されるようになる可能性がある。
たくさんの有名なグローバリストがこのような人工乳製品のベンチャー企業に投資している。たとえば、Biomilqの出資者には、ビル・ゲイツ(Bill Gates)、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)、リチャード・ブランソン(Richard Branson)、孫正義、ジャック・マー(Jack Ma)、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)、マーク・ベニオフ(Marc Benioff)らがいる(注3)。
最初のBiomilq製品は3-5年以内(注4)、その他の人工乳製品は2023-2024年(注5,6)に発売される見込みだ。たとえば、人工乳製品を使用したアイスクリームがベン&ジェリーズの商品ラインアップに加わると言われている(注7)。
上の環境・健康シンポジウム(Environmental Health Symposium)の動画で、Alan Lewisは人工動物性食品の製造工程で何が使用されるかについて説明している。人工動物性食品には、「遺伝子編集発酵食品」や「精密発酵製品」など、さまざまな呼び名がある。
全く無害であるかのように聞こえるが、人工動物性食品メーカーは目標の微生物を育てるために使用する餌に何が含まれているかや、発酵プロセスの最後に廃棄物がどのように処理されるかについて、ほとんど議論していない。どちらもたくさんの重大な問題をはらんでいるのだから、議論したくないのは当然だ。
 
原料は何か
Lewisの説明によると、人工動物性発酵食品の原料は、遺伝子組み換えトウモロコシや遺伝子組み換え大豆に由来する安価な糖類だという。遺伝子組み換え穀物はすべて、税金から捻出された助成金を頼りに、グリホサートなどの除草剤、ネオニコチノイドなどの殺虫剤、合成肥料を大量に使用して、環境破壊的な単一栽培で生産される。そのため、最終製品には化学残留物が多く含まれる。
そして、特定のタンパク質、色、香りを追求して望みどおりの最終製品を生み出すために、ベースとなる糖類に何百もの原料を加えて発酵させる。
Lewisは、発酵プロセスで最も頻繁に使用される微生物は大腸菌であると説明している。この大腸菌は、消化によって必要な化合物を生成するよう遺伝子編集されている。また、発酵タンクに含まれる他の好ましくない微生物を全滅させるために抗生物質が使用されても、この大腸菌は死んではならないため、抗生物質に対する耐性を備えている必要がある。
この遺伝子編集によって生み出された微生物は、目標の代謝産物以外にも、目標外の代謝産物を大量に排出する。そして、それが環境や健康にどのような影響を及ぼすかは十分に分かっていない。
 
人工動物性発酵食品はどのように作られるのか
Lewisによると、発酵バイオリアクターに「餌」となるさまざまな原料を入れ、約30-32℃で24-100時間加熱し、目標の微生物を育てるという。発酵中に目標の微生物が必要な栄養素を消費し、その微生物が抽出された後には、有害な生物系廃棄物が残る。
重要なのは、ビールの製造などの従来の発酵プロセスでは動物が食べることができ、堆肥にでき、害をもたらさない廃棄物が生成されるが、遺伝子組み換え微生物を用いたこの人工動物性発酵食品には同じことが言えないということだ。生物系廃棄物は不活性化した後に安全に処分しなければならない。そして、決して埋め立ててはならない。
これまで地球に存在しなかった生物を遺伝子組み換えによって生み出しているのであり、その生物や廃棄物は食べることも堆肥にすることもできず、意図的か意図的でないかを問わずその生物を自然環境に放つことには未知のリスクが伴うということを認識することが重要だ。
新たな食中毒が発生する恐れもある。また、発酵中に不要な微生物が成長するのを防ぐために抗生物質が使用されるため、抗生物質に耐性のある微生物が必然的に最終製品に組み込まれることになる。遺伝子編集によって生み出された大腸菌とその代謝産物によってどのような種類の食中毒が引き起こされ得るか、現時点では誰も予測できない。どのような食中毒が発生するか誰にも分からないのだ。

人工食品を作る理由のでっちあげ
人工ミルクなどの人工動物性食品を作る理由は、「気候変動」を防ぎ、元の環境に戻すことだと言われており、2020年6月にCNBCは次のように報じている(注8)。
「Biomilqの共同創業者兼CEOであるMichelle Eggerと、共同創業者兼CSOであるLeila Stricklandは、Biomilqが乳房上皮細胞を培養して生産する母乳は世界の乳児用粉ミルク市場による二酸化炭素の排出を削減するために役立つと考えている。Eggerはこのように語った。『現在、私たちの推定では、世界中の乳製品の10%以上が乳児用粉ミルクになります。つまり、米国では乳児1人当たりの粉ミルクによって5,700トンの二酸化炭素が排出され、子供1人を養うのに年間16,300リットルの真水が消費されます。親は子供にとって最善のことをしたいと考えるものですが、子供を養うことと地球を守ることの二者択一を迫られることがあってはなりません。』」
人工動物性食品を推進する取り組みは、工場式畜産、集約動物飼養業、単一栽培の脅威から環境を守ることにつながるという考えに基づいて行われているが、これは極めて虚偽的だ。なぜなら、環境に優しい畜産方法があるという事実に触れていないからだ。バイオハザードしか生み出さない研究所での生産に移行するより、そのような環境に優しい方法に切り替えるべきであることは明らかだ。

人工食品の製造によって生じる有害な廃棄物
2021年2月、コンサルティング会社CE Delftが作成した培養肉に関する技術経済分析レポートを、代替タンパク質業界を支える非営利団体Good Food Institute(GFI)が公開した(注9)。そのレポートでは、培養肉生産にかかる現時点でのコストを2030年までに本格的な工場で採算の取れる水準まで削減できるかをシミュレーションした結果、「実現可能」という結論が出ている。
世界中の人々を養うために必要な規模で培養肉を生産しようとすると、おそらく克服できない数々の物流上の問題が生じる。培養細胞からも有害な廃棄物が排出されるため、廃棄物(異化生成物)の処理という課題もある。
すべての細胞に酸素と栄養素を適切に分配しなければならず、大きなリアクターでこれを行うのは難しい。細胞を高速でかき混ぜたり酸素を追加供給したりすれば解決できるかもしれないが、細胞に重大なストレスを与えることになる可能性がある(注10)。
また、大豆の生産や従来のエネルギー源の使用まで考慮すれば、環境的な「メリット」があるかどうかは定かではない。GFIがこれを考慮してライフサイクル分析を行った結果、培養肉は従来の方法で生産された鶏肉や豚肉より環境に悪い可能性があることが明らかになった(注11,12)。

過去に失敗したシステムの繰り返し
それでも、人工動物性食品を作る取り組みは止まらない。Navdanya Internationalのレポート「False Solutions That Endanger Our Health and Damage the Planet」(人類の健康を危険にさらし地球に損害を与える人工ソリューション)の前書きで、Vandana Shivaは、人工食品がいかにして人間の健康と環境に壊滅的な被害を及ぼすかを詳細に説明し、その失敗はすでに工業型農業で繰り返されていると述べている(注13)。
『食糧システムの危機への対応として、動物性食品などの欠かせない食品を人工食品で代替することを目指す技術的なソリューションが台頭している。人工食品の支持者は、世界中の人々を養うには工業型農業が不可欠だというすでに破綻した古いレトリックを繰り返し唱えている。本物の栄養豊富な食べ物が徐々になくなっていく一方、主要な工業型農業モデルが原因で慢性疾患が増加し、気候変動が激化している。ハイテクな「畜産不要」の人工食品は食糧危機に対する実行可能なソリューションであるという考えは単純に、人類は自然から切り離されているというこれまで通りの機械論的な思考の延長である。工業型食糧システムによって食品は商品になり、研究所で生み出せるものになった。その過程で、地球と人類の両方の健康が壊滅寸前のところまできてしまったのだ。」

人工食品はジャンクフード
重要なのは、人工食品はすべて超加工食品であり、他の超加工食品と同じような健康上の問題を引き起こす可能性があるということを認識することだ。2018年、草の根環境団体であるFriends of the Earthがレポートを発表し、人工動物性食品を推進するトレンドについて極めて重要な問題提起を行った。そのレポートは、人工動物性食品には超加工食品としての性質があることを強く訴えている(注14)。
「このような製品の製造には、タンパク質を生成する微生物(遺伝子組み換え細菌、酵母、藻類など)やタンパク質を抽出するための化学物質といったさまざまな『加工助剤』が使用される。たとえば、食品の成分となるタンパク質(エンドウ豆、大豆、トウモロコシなどに由来)やキサンタンガムを生成するための化合物(遺伝子組み換え細菌に由来)などを抽出するために、ヘキサンなどの化学物質が使用されるが、そのような原料を開示することは義務付けられていない。タンパク質を生成するよう遺伝子組み換えを施されたものを含め、その他の加工助剤(細菌、酵母、藻類など)も現時点ではパッケージのラベルに記載することを義務付けられていない。透明性がないため、そのような加工助剤の使用に関するデータや影響を評価することは難しい。」
基本的に、グローバリストがやろうとしているのは、牛を育てて牛肉や乳製品を生産するなどの従来の畜産方法を廃止し、特許技術による人工的な複製品に置き換えることだ。つまり、ジャンクフードの方が健康に良いと人々をたぶらかし、自然食品を取り上げて超加工ジャンクフードに替えようとしているのだ。

人工動物性食品は管理スキームの一部
健康に害を及ぼす可能性があるだけでなく、人工食品は土壌を壊す単一栽培穀物に依存しており、二酸化炭素排出量の増加につながる。したがって、気候変動対策として人工食品を推進するという口実は破綻している。人工動物性食品は、気候変動につながる環境の悪化を解消する手段であると言われているが、実際には遺伝子組み換え穀物の単一栽培に依存しているため、その問題の原因になっているのだ。
Lewisによると、人工動物性食品は特許技術を用いた遺伝子組み換え食糧システムの新たな要素であり、これによって「富の所有と集中、そして食糧供給の管理が大幅に変化する」という。
つまり、人々は人工動物性食品産業に依存するようになり、その状況を利用したさまざまな方法で支配、管理されるようになるのだ。長期的には、いずれ従来の方法で自給自足するノウハウが失われることとなる。これも計画の一部なのかもしれない。
グローバリストは唯一の世界政府を作ろうとしており、全人類を管理する方法として世界政府の食糧に依存させることは極めて理に適っている。
 
人工食品を避けて健康を守る
動物性の自然食品から植物由来の代替食品に移行する動きは、それが食肉であれ乳製品であれ、健康増進のためではなく、ビーガンやベジタリアンの食を支援するためでもない。本当に植物由来の食事をとりたい人は、本物の植物を食べればよく、そうすれば植物性食品がもたらすたくさんの健康上のメリットを得られる。本当の目的は、食糧による管理システムを構築することだ。これは、人々の健康を管理する手段でもある。
超加工食品の摂取が病気につながることはすでに明らかになっており(注15)、培養肉や人工乳製品にはさらなる未知のリスクがある可能性がある。健康障害によって利益を得るのはもちろん、巨大製薬会社だ。
何十年にもわたって、加工食品産業によって慢性疾患が引き起こされ、食の改善ではなく医薬品によってその治療が行われている。人工食品は、慢性疾患や早期死亡のさらに大きな原因になり得る。
実際に、栄養の豊富さという観点で、培養肉や人工乳製品が牧草で育てられた牛の肉や乳製品の代わりになることはない。また、加工食品と同様に、培養肉や人工乳製品を摂取すればさまざまな健康問題が生じる可能性がある。自分の健康と地球の環境を本当に守りたければ、特許技術がなければ生産できない人工食品を避け、自然食品を食べ続けるべきだ。

注釈
1, 4 Alarabiya.net May 3, 2022
2 Food Navigator December 12, 2022
3, 8 CNBC June 16, 2020
5 Startup Daily July 27, 2021
6 Sydney Spring Herald September 13, 2022
7 ZME Science December 9, 2022
9 Techno-Economic Analysis for the production of cultivated meat February 2021
10, 12 The Counter September 22, 2021
11 LCA of cultivated meat – February 2021, Page 3
13 Children’s Health Defense April 5, 2022
14 Friends of the Earth, From Lab to Fork, June 2018 (PDF)
15 BMJ 2018; 360:k322
16 Consumer Reports, August 29, 2019, Impossible Burger, What is it?
 
本記事の掲載元はMercolaです
Copyright © Dr. Joseph Mercola, Mercola, 2022
 
寄稿者:
Dr. Joseph Mercola


訳者注記
誤訳や訳漏れがある可能性がありますので、記事の内容を参考にする場合は必ず下記リンクの英語原文に依拠してください。
英語原文:https://www.globalresearch.ca/got-milq-fake-milk-replace-dairy-breast-milk/5802921

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