「透明な迷宮」平野啓一郎
人を愛するということはどういうことか。
双子の人が居たとして、その二人が見分けがつかない程似ていたとしたら、どうだろうか。
人を好きになったり、一緒に居たいと思うのは、その人の容貌が好きだとか、その人の性格が好きだとか……それはきっかけや理由付けに過ぎなくて、本当はその人と一緒に過ごしてきた時間の積み重ねに対する想いが大きいのではないかなと思っている。
では、見分けがつかない双子……見た目では分からなかったとしても、一緒に居たいと思う相手を取り違えることはないと思いたいが。
敬愛している作家で、どの短編も読みやすく、すっきりした文章。とても清々しい読書となった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?