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「きつねのはなし」森見登美彦

 京都を舞台に、大学生、古道具屋……ときたので、この作者の他作品の学園ドタバタもののコミカルな展開を想起して読みすすめた。
 しかし、何となく繋がっている4編とも、京都の陰翳を活かした怪奇小説のような仕立てになっていて、意表を突かれ面白かった。
 この陰翳を使った効果は古都ならでは。今の京都もこんな謎めいた佇まいなのだろうか。
 この作者の小説を読むと、京都に住んでみたいなと思えてくる。
 よく聞く話で、京都は余所者をなかなか受け入れてくれない、というけれど、実際のところどうなのだろう。

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