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読書

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記事一覧

「ノエル」道尾秀介

 童話と現実とが交互に入り混じる構成。現実のほうのお話はややシビアなもので、母のおなかの…

momio
7か月前

「教団X」中村文則

 カルト教団というと、オウム真理教の事件を思い浮かべる。  かつての彼らの自分勝手な行動…

momio
7か月前

「自分を好きになる方法」本谷有希子

 本谷有希子が描く女性は、どれもトガっている印象があった。 実際そんな人が傍にいたら疲れ…

momio
7か月前
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「きつねのはなし」森見登美彦

 京都を舞台に、大学生、古道具屋……ときたので、この作者の他作品の学園ドタバタもののコミ…

momio
1年前

「しょうがの味は熱い」綿矢りさ

 妻と暮らすようになって20年くらい経つ。  二人とも未熟だったせいか、私たちもいろいろ…

momio
1年前
1

「透明な迷宮」平野啓一郎

 人を愛するということはどういうことか。  双子の人が居たとして、その二人が見分けがつか…

momio
1年前
2

「取り替え子」大江健三郎

実在の人物をモデルにして書かれた小説をモデル小説というらしく、この作品もそのモデル小説なるものであるようだ。 ……というか、大江健三郎と伊丹十三が義兄弟とは知らなかった。。。 読み進めるうちに、あれ、そういえばヤクザに襲われた映画監督がいたなぁ……みたいに連想した程度で。 モデル小説云々という話も、そういうことを掘り下げたい人々の言葉であって、これはAさんを模して書いた小説なんですよ~と世に送り出される小説もないだろう(いや、あるかも知れないけど)。 そう思いめぐらせると、こ

「死神の浮力」伊坂幸太郎

死神シリーズ3作目……1作目、2作目とも面白かったと思うけれど、どんな話だったかなーと、…

momio
2年前

「雨恋」松尾由美

3年前の自殺事件の真相に迫る……というお話。 普通に考えれば、一般の人にそこまで何かを調…

momio
2年前

「苦役列車」西村賢太

私小説様に、日雇いの貧しい生活を描き、また風俗出入りを当たり前のように語る……こういう作…

momio
2年前
2

「何もかも憂鬱な夜に」中村文則

死刑についての議論でよく耳にするのは、それが犯罪の抑止力になるかということ。私自身、死刑…

momio
2年前

「吐きたいほど愛してる」新堂冬樹

裏表紙の紹介文には「暗黒純愛小説」と書いてあって、よく考えずに読んだけれど後悔している。…

momio
2年前
2

「QED 六歌仙の暗号」高田崇史

このQEDシリーズを読むのはこれで4冊目。 実は第一作を読んだとき、かなりマイナスの印象だ…

momio
2年前
2

「冷血」カポーティ

この本は「ニュージャーナリズムの源流」などと言われている。 私はジャーナリズムに一家言ある人でも何でもない人間なので、「ニュージャーナリズム」について検索してみたところ、客観性を捨てて取材対象に積極的に関わりあうことで、対象をより濃密に描くこと……らしい。 全く逆のことを述べるようだけれど、この本を読み、とある一家の殺人事件を淡々と描写し、それこそ大して重要でもなさそうな周辺の人々やその背景まで丹念に描いているノンフィクションぶりに何だか好ましさを感じた。 ネットの記事やマス