自給率ってどゆこと?
日曜朝はサンデーモーニングをみる習慣にしていて、「自給率」という言葉をキーワードに様々な意見が交わされていた。
おおよそ38%。だから日本は諸外国に依存しているから自給率を上げる取り組みを…という意見がよく言われがちだ。
それはまあ正しい。
ただし認識しておいた方がいいのがその数字は「カロリーベース」ということだ。つまり38%という数字を盛んに述べる場合、野菜類はカロリーが低いものが多いので国内で生産したとしてカロリーベースの自給率だとそんなに影響しない。
自給率というといつもカロリーベースの数字を取り上げるので、それは主に肉と穀物、油なんかのことだ。
お米の自給率は高いし、お米と野菜と味噌や醤油なんかの調味料で食事をメインにしていけば、輸入に頼る食材は現状が多すぎるくらいで、それらを減らすことで相対的にカロリーベースの食料自給率も上がる余地はある。
小麦や揚げ物、肉なんかを暴食を控えて食事の内容をヘルシーに置き換える。
需要が減れば輸入が減り、自給率は勝手に上がる。
痩せ我慢とか無理をせずともそのくらいの変化は起きる余地は充分にあると考えられる。
現状の問題点から目を逸らし、消費ありきでとにかく消費を伸ばす前提で展開する理論には気を付けたい。これは食糧ではなくて人の移動手段のことになってしまうが、自動車がいまどんどん電気自動車に切り替わる社会になるという演出もそうだ。
脱炭素、温暖化対策として正義の旗を掲げているから共感を得られやすい演出がされているが、何が起きるのかを具体的に考えると急に不安になる良いテーマなので事あるごとに提起したい笑
自動車が走る時に炭素ガスを出さないからといって、電気自動車がいきなり目の前に魔法のように現れるわけではない。
自動車の部品はいま地球に存在する台数分あらたに作られ、それとセットになるおびただしい数の燃料電池が作られ、それらを充電するためのガソリンスタンドの代わりとなる電気スタンドが社会インフラとして整備され、劣化したバッテリーは交換される。
地球丸ごと分のガソリン式自動車の廃棄とガソリンスタンドの総とっかえなど一式の移動手段の変更は、果たして地球温暖化を改善するのか。
走っているガソリン車が電気自動車に変わるとステキ!そういうことではないのだ。
もんのすごい膨大なゴミが出るけどそれをどうするのか。電気自動車に変わるとエコでハッピーみたいな明るいイメージだけを伝えている、必ず起きる「負の側面」を伝えないのはどうしてだろう。
変化の過程で必ず起きることを当たり前のこととして想像できるかどうかが問われているのかもしれない。だってマスメディアはほとんど言わないじゃん苦笑
長くなるのでこれ以上横道にそれることはやめておく。
そう、自給率のことを書いてるんだった笑
38%はカロリーベースだが、農林水産省の資料では「生産額」をベースとした数字が併記されている。
カロリーだと野菜にとって不利な土俵だが、価格ならもう少しは公平な気がする。
それによると自給率は66%。
メディアでいつもカロリーベースの数字ばかり言うのはその数字をみて「なんとかしないといけない!」という危機感を煽ることが目的だったりすると、
じゃ、じゃあ自給率上げないとやばくね?自給率を上げるために食糧自給に取り組まないとっ!
となった時に思わずイメージしてしまうのが、家庭菜園とか農家の育成、休耕地を農園に再生することだったりする。
38%だと野菜を作ってもあんまり上がりませんから!笑
少し立ち止まって考えると誰にでも分かる勘違いが多数派、みたいな状況に日本が広くおおわれているような気がする。
それは問題なんだけど、誰もが立ち止まって考えたら一気に流れが変わることなので、なんとかなるんじゃないかなと思ってます。
分かりやすくてせっかちに反応させるようなスピード感溢れるニュースとかワイドショーとか、そういうものから少し距離を置いて情報を咀嚼してじっくり考えてみる。
そんな一人ひとりの少しの努力が日本はもとより地球を救う。
そうそう、そうそう。
そうなんですよ…
何かやらないといけないことよりも、
何をしないようにするのか、
何を減らすことができるのか、
「やらない」ことに生産性が伴わずに困るのは企業や、そこから献金を受けている政治家たちであって僕ら一般市民はより本質的に生活様式を変えたっていいんだよ。
70億人くらいの人数で消費をセーブすることで大きな効果を上げることはたくさんある。たとえそれが経済資本主義に反する考え方であってもだ。
今からだと無理かもしれないけど、破滅を先延ばしにすることはできるんじゃないかと思います。
自給率のデータを以下に転載しておきまーす!
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/attach/pdf/kikaku_0213-1.pdf
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