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足留

片足の女神、
 
 
その頭上に掲げられた水平線では、もとには戻らぬものがentropyと化するのみだった。


波打ち際では砂に足をすくわれるように、

残る片足がどちらかなどと思考すれば徒爾に終わる。その足が役に立つとも知れぬうちの

天秤の威容たるは、逼塞を感じさせないことだけが報われる。