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初心者でも簡単マスタリングを実現!Brainworx「bx_masterdesk」

皆さんはマスタリングで悩んだ経験はないだろうか?

マスタリングはマスタリングエンジニアという専門職が存在するほど専門性の高い分野であり、マスタリングスタジオでは腕利きのエンジニアが超高額な機材を駆使して日々質の高いマスタリングをしている。

巷にはマスタリングに関する様々なテクニック、EQやコンプなどのプラグインが紹介されているが、曲調によって合う・合わないがあり一筋縄ではいかない。自分でマスタリングまでおこなうDTMerの場合は悩む場面も多いだろう。

そこで役に立つのがマスタリング専用プラグイン「masterdesk」だ。このプラグインはマスタリングに必要な機能を1つのプラグインに集約し、絞り込んだパラメーターに「職人の勘」をアルゴリズム化して取り込むことで、素人でもアナログ機材を使ったマスタリングの質感に迫れるようにしたプラグインといえるだろう。

では一体、このプラグインでどんなことができるのだろうか?使い方を、おなじみDAW LESSON様の「Plugin Alliance /Brainworx bx_masterdesk / bx_masterdesk Classic の特徴と使い方を解説!」に基づきまとめていく。


用途

Plugin Allianceの製品紹介には「The Analog Way of Mastering in the Box」とある。これはざっくり言うと「PC内でのマスタリングでもアナログ風の質感を出す(ためのプラグイン)」ということになると思う。

アナログからイメージされるのは、「太い」「存在感がある」「温かい」など。そのようなテイストを出したい方にはぜひオススメだ。もちろん、機能がいくつかわかれており「使える」機能が満載なので、アナログ云々は別としてもとりあえず試してみるというのもアリ。

masterdeskにはEQ、コンプ、リミッターなど、マスタリングで必要とされる機能がすべて搭載されている。実際のマスタリングで一つずつ試してみて、全部使っても良いし、必要な部分だけ使うということもできる。主要な要素はハイライトされていて見分けがつきやすくなっているので、迷子になりにくいのも嬉しい。

基本機能

masterdeskの主要機能

基本機能は以下の3つ。番号で優先順位が示されている親切設計なので、この順番に触っていこう。

1. Volume

音量。「Dynamic Range」で6〜8の緑のゾーンになるように調整する。6に近いほうが音圧感が上がるようなので、CD基準にしたい場合などはなるべく6に近づけるようにするとよいらしい。

2. Foundation

全体的なEQ。楽曲全体にかかるスマートなEQで、ノブを左に回すと高域を強調したサウンドになり、右に回すと低域を強調したサウンドになる。こちらは適用する楽曲に応じて調整していくとよいだろう。

EQカーブの変化の仕方は独自のアルゴリズムになっており、ノブを回すと全帯域が有機的に変化して、サウンドが破綻しないような仕様になっているのが特長だ。

3. Tone

帯域別のEQ。各ノブは「-30〜30」の振れ幅だが、実際には30=3dBに相当するので、ノブを振り切ってもサウンドのバランスが著しく変わることはない。

その他の機能

masterdeskのその他の機能

M/S

音をMidとSideに分けて処理するM/S処理の機能。masterdeskでは2つのM/S処理をおこなうことができ、一つは指定した低域のモノラル化、もう一つはステレオのエンハンサーだ。

Mono Maker:指定した周波数以下をモノラルにする機能。低域をモノラルに絞ることによって、低域をスッキリさせ、ミックスのこもりを解消することができる。100Hz程度までがひとつ目安。
Stereo Enhance:ステレオに対するエンハンス効果。高域をきらびやかにすることができる。

THD

サチュレーター。緩やかにかかるサチュレーションによって、サウンドに一体感・まとまりを与える効果がある。きらびやかさが増す傾向になるので、こちらも楽曲によって使い分けるといいかもしれない。

Compressor Link

内部コンプレッサーの左右チャンネルのリンク。左右いずれかのチャンネルで大きな信号が入ったときに、そのチャンネルだけ圧縮するか(アンリンク)、両方のチャンネルを圧縮するか(リンク)。通常はアンリンクのままでよいだろう。

Limiter Turbo

内部リミッターのプッシュ量をコントロール。オフのときはリミッターのブースト量は1dBだが、オンにすると2dBになりよりプッシュされたサウンドになる。

TMT Compressor Mode

Brainworks独自のアナログ機器のチャンネル間のバラツキを再現する機能。ここではコンプの圧縮特性が変わる。

基本的には数値が小さい方が圧縮量が多いのだが(4が一番弱い)、キャラクターの差も若干あるので、楽曲ごとに最適なものを選択しよう。個人的には4が元のミックスバランスに近く、3、2、1と徐々にファットになっていく印象を受けた。

Resonance Filters

耳障りな共鳴音を帯域指定でピンポイントで下げる機能。マスタリングEQなどでQを狭くして特定の耳障りな帯域のみを下げる「あの作業」を手軽におこなえるスグレモノだ。

ちなみに「Auto Solo」をオンにしていると、クリックしている間だけ指定帯域をソロ再生できるので、必要かどうかを適宜判断するとよい。

160、315:低域のこもりを解消
3150、6666:高域にある金属的なイタさを解消

Gain Reductions

パラレルコンプレッションやディエッサーを適用するセクションで、以下のの2つの操作が可能。

Comp Mix:コンプレッサーのDry/Wetを調整(パラレルコンプレッション)。変化幅が「0、86〜100」なのが特徴。TMT Compressor Modeと組み合わせて調整していくとよい。
De-Esser:マスタリング段階でのディエッサー。ソロ再生も可能。

まとめ

いかがだっただろうか?

masterdeskは、DTMでマスタリングをするときの強い味方で最適解にもなりえる強力なプラグインだ。マスタリング初心者の方から上級者の方まで幅広く使えるプラグインなので、ぜひ試して見て欲しい。ちなみにUADにも同じモデルがあるようなので、比較してみると面白いかも?

それでは、よいDTMライフを!

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